ハリウッドモノポリー

 現在は交渉が中断しているものの、本日ディズニーが21世紀フォックスのエンタメ部門買収を検討・話し合いをしていたことがわかり、映画ファンに衝撃を与えた。

 

 これでX-MENやFFのキャラクターがMCUに!と呑気に喜ぶファンも多いが、『X-MEN』シリーズなんかはグダグダな本編に対してR指定も厭わない自由奔放なスピンオフシリーズが面白いのであって、品行方正でPCな『デッドプール』や『ローガン』なんて一体誰が観たいんだろうか。

 

 そうでなくても、ピクサー、マーベル、ルーカスフィルムと金の卵を産むガチョウを次々と手に入れて巨大帝国を築き上げたディズニーの傲慢さには最近目に余るものがある。

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 まずディズニーはLAタイムス誌をブラックリストに指名して、今後同社作品の試写会にはLAタイムスからの記者を一切招待しないことにした。LAタイムスはアナハイム市とディズニーランドの癒着を指摘したばかりで、その報復だ。批判する人間や組織は徹底的に排除するなんて、そんな独裁者みたいなことが許されていいのか。

 

 さらにディズニーは映画史に残る記録的大ヒットを約束されている『最後のジェダイ』を公開する劇場に対し、チケットの売り上げ65%の取り分と、最低でも4週間スクリーンにかけることを要求している。この要求を守れなかった劇場にはペナルティとして取り分をさらに5%上乗せする。ちなみに通常の作品の場合、スタジオが受け取る金額はチケットの売り上げの55%~60%ほどで、公開期間の制約は最低2週間ほどなので、ディズニーの強気な姿勢が見て取れる。

 

 『フォースの覚醒』が歴代1位の売り上げを出したので、いくらディズニーが『最後のジェダイ』の取り分を釣り上げようと劇場も甘い思いができるかのように見えるかもしれない。しかし実際には「最低4週間」という縛りが小さな劇場を苦しめている。

 

 例えば、アイオワ州の田舎町にある、とある独立系単館劇場の興行主は『最後のジェダイ』の公開をしないことに決めたという。なぜなら彼が住んでいるような小さな町の住民は、大抵が最初の1〜2週間で話題のブロックバスター大作を見てしまうため、4週間もスクリーンを『最後のジェダイ』に占拠されてしまうと商売あがったりなのだ。

 

 この劇場だけでなく、今回の暴挙を受けて『最後のジェダイ』の上映取りやめを検討している劇場は複数あるという。僕もアーカンソーという田舎で留学していたからわかるが、アメリカの映画館にはシネコンが一つあればいい方で、映画館や観たい作品が近くにない場合、劇場のある街まで30分から1時間ほどドライブをしないといけないのだ。

 

 そうすると、結局『最後のジェダイ』が公開できなくて困るのは、楽しみに待っていたのは田舎のファンである。しかし、誰が劇場を責められようか。劇場で働く人や経営者にだって家族や生活があるのだ。大企業が利益を優先しすぎると格差が広がっていくように、ディズニーの傲慢な戦略は都市部で田舎の映画ファンの間にまで格差を作ってしまうのだ。

 

 さらに極論を言えば、今はNetflixAmazonビデオなどネット配信が充実しており、映画館で見れなければ観客はストリーミング開始されるまで待つだけだ。最悪な場合、ネットで違法に視聴する選択を選ぶ人も出てくるだろう。ディズニーは目先の利益を追求するあまり、将来的な業界の利益基盤をも破壊してしまっているのだ。

 

 誤解しないでほしいが、僕はディズニーは大好きである。作品にしろテーマパークにしろ上質なコンテンツを長い年月量産し続けているのは並大抵のことではないし、事実いつもディズニー作品位は楽しませてもらっている。だからといって映画界全ての作品がディズニー化されたら映画というメディアに多様性がなくなってしまうし、札束ばら撒いて好き勝手されてしまうとこの田舎の劇場の例のように、小さなところからジワジワと映画業界を絞め殺していくだけだ。

 

 誰かが止めないといけない。僕らの大好きな夢と魔法のディズニーが、ディストピアSFに出てくような、世界を牛耳る悪徳企業になる前に、誰かが。

 

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得した気分

 アメリカでは本日からサマータイムが終わって、今日の午前2:00から1時間足されているんですよ。この1時間っていうのが、社会人の休日にとっていかに大きいことか!

今日この恩恵を超享受しまくってたんですけど、まあ結局今もう深夜前っていうね。

 

 ちなみにちょっとしたトリビアだが、アメリカでもハワイとアリゾナにはサマータイムがない。ハワイは単純に緯度が低いのでそもそもあまりサマータイムを導入する意味がないので置いておくとして、なぜアリゾナだけサマータイムを導入しないのか?それはアリゾナはクソ暑いからだそうだ。

 

 そもそもサマータイム第一次世界大戦の時に貴重な燃料を節約のために導入されたいわゆる省エネ政策だった。本来は戦時中のための緊急政策だったが、結果日中時間を大きく活かせるサマータイムは経済的にも効率がいいので戦後もずっと採用していた。しかし、砂漠地帯で年平均気温が30度近くアリゾナでは、日中時間が長く続けば続くほど大迷惑で、戦後すぐにほぼ全会一致で州議会が法案を廃止したそうな。

 

 結構卑近な理由で笑っちゃったけど、逆に日本だと日照時間が短い北海道とかでサマータイム導入してもいいんじゃないかと思う。まあでも地方によって時差があるって面倒臭いけどね。

 

参考文献

 

 

 

移民政策2.0

 トランプが来日中ということで日本では賑やかですが、トランプはこんなことを来日前日に呟いていましたね。

 

 

 早速批判者も擁護者も発言の真偽を巡ってあれこれ議論していますが、おそらく呟いた本人は全く何も考えていないと思われるのも頭痛の種です。

 

 ところでですね、デジタル世代の若者は小さい時からデジタル端末の扱いに長けていてそういった世代をデジタルネイティブと言いますが、その対義語となるいつまでたってもデジタルメディアに慣れずにスマホSNSの扱いが下手くそな人たちをデジタルイミグラント(デジタル移民)と呼ぶことをこちらのメディアの授業で学びました。

 

 

 

 

 えっと、トランプ大統領移民政策にはデジタル移民も含まれますかね?

 

 

『マイティ・ソー バトルロイヤル』を観に行ったぞ

 もうこちらは深夜なので詳しい感想は今度書きますが、といつもつつ最近全く書いてないのでこのブログが何のブログなのか皆さんお忘れだとは思いますが、当ブログは映画ブログです。決して更新内容の思いつかなさをくだらない日記で紛らわせるブログでは決してなくてですね、ゴニョゴニョ…。

 

 はっ、いかんいかん、閑話休題、もう深夜なので詳しい感想は今度書きますが、『マイティ・ソー バトル・ロイヤル』が超楽しかったです。仕事終わりに見る最適な映画は『ブレード・ランナー2049』ではなく『マイティ・ソー バトル・ロイヤル』です。

 

 

 はっきり言って僕はマーベルが始めた映画業界のシネマティック・ユニバース化には飽き飽きして来ていたんですね。しかし今年公開された『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーVOL.2』『スパイダーマン:ホームカミング』『マイティ・ソー バトルロイヤル』はシネマティック・ユニバースを推し進めた結果生まれた痛快作だったので、ぐうの音も出ませんでした。時たまこういう面白い作品を出されると結局延々と観に行ってしまうのでハッキリ言って困ります。

 

 色々と書きたいことはあるんですけれども『マイティ・ソー バトルロイヤル』は何と言ってもクリス・ヘムズワースの使い方が素晴らしいですね。クリス・ヘムズワースってMCU作品以外、意外にもあまりヒット作に恵まれてなかったんですけど、合間合間で『お!バカンス家族』だとか『ゴーストバスターズ』といったコメディ作品に登場しては、その衝撃的なバカキャラ演技で本業コメディアン達を食いかねないほどの爆発力を発揮していました。本作はそんなクリヘムの使い方と魅力を初めてちゃんと理解した作り手が現れた史上初のクリヘム主演コメディ映画であります。

 

 僕はそもそも最初の『マイティ・ソー』が真面目すぎて好きじゃなかったんですけど、『ダークワールド』は結構ギャグとか飛ばしていてだいぶ良くなっていて、『バトルロイヤル』は完璧に花開きましたね。『アベンジャーズ』とかでソーのキャラが結構お笑いに向いているということに気付いたのも大きいんでしょうけど。

 

 って、結構本気で感想記事を書く時みたいに筆を飛ばしちゃってますが、まあリハビリ程度に今日はこれくらいにしましてね、とにかくマーベル映画に飽きて来た皆さんも『マイティ・ソー バトルロイヤル』はオススメですよ。