オークワフィーナフィーバー

 今年ハリウッドで最もブレイクした俳優は?と聞かれたら当然オークワフィーナでしょう。彼女についてはこのブログでも過去に紹介しました。

 

 

 この記事を書いた当時は日本での呼び名が決まってなかったのでアークフワフィーナと表記してましたが、『オーシャンズ8』公開以後はオークワフィーナで統一されているようなので、このブログでもそれに倣います。町山さんはラジオで「アッカフィーナ」と呼んでましたね。

 

 かくいう僕も『クレイジー・リッチ!』の予告編でそのハスキーボイスを聞いたときに「なんなんだ、この存在感は!」と驚き、『オーシャンズ8』でもそのコメディエンヌっぷりにハマり、つい今週劇場で見た『クレイジー・リッチ!』でのやはり脇役とは思えぬその圧倒的存在感にすっかりファンになりました。

 

 オークワフィーナの売りは何といってもNY生まれ・NY育ち・NY在住という根っからのニューヨーカーなところで、前回の記事にも書いた通りNYの地名や文化が彼女のラップ中の歌詞に登場し、NYっ子が高じてNYのガイドブックも書いている。

Awkwafina's NYC

Awkwafina's NYC

 

 

 僕もNYに住み始めて丁度1年になりますが、恥ずかしいことにまだ全然NYのことが全然わからないんですよね。なので大好きなオークワフィーナが出したNYのガイドブックとあれば凄く完璧な本じゃないか!と思ってAmazonでポチろうと思ったら、絶版になってて一番安くて2万円近くする!

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 もっとヤバいのがあって、プレミアついて20万近くするやつもある。

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 『オーシャンズ8』の全米公開日が6月、『クレイージー・リッチ!』の公開日が8月と、この2か月で急激にオークワフィーナの知名度が上がったので、皆同じように買い求めてるんだろうか。一種のオークワフィーナバブルみたいな状況なんじゃないかな。絶対に彼女はこれからメジャー映画にどんどん出演していくと思うので、皆で引き続き注目していきましょう。

 

 あ、Kindle版は$12くらいだからそっち買えばいいじゃん、とか安易なことを思ったデジタル脳のそこのお前はグラウンド10周な!

10度、20度、30度!

 個人的に衝撃だったのは、スマイル党総裁のマック赤坂が準強姦容疑で逮捕された事件。

 

 僕が日本の大学生だった時、大学祭でマック赤坂が講演に来て「マック赤坂の愛人コンテスト」などという正気の沙汰とは思えない企画があり、その企画後に女子大生限定でマック赤坂とディナーに行ける招待券が特典としてついていた。確か後輩の女の子が面白半分で参加していたけれど、今となっては笑い話にならず何もなくて良かったね、という怪談になってしまった。

 

 しかし、この事件に何となくやるせなさを感じるのは、これまた大学生の時マック赤坂をフィーチャーしたドキュメンタリー『立候補』をポレポレ東中野に観に行ったからだ。この映画に写るマック赤坂はかっこいいのだ。

 

 

映画「立候補」

映画「立候補」

 

不祥事を犯したから自主規制してるのではなく、元々こういうデザインのポスター 。

 

 映画『立候補』は、当選する見込みが極めて薄いのにもかかわらず出馬をする所謂泡まつ候補を追ったドキュメンタリーだ。実は日本で選挙で出馬するには供託金がかかり、例えば衆院選小選挙区参院選の選挙区に出馬するだけで300万円の供託金を納めないといけないのだ。この映画にはマック赤坂の他、ドクター中松、故羽柴秀吉外山恒一など泡まつ候補会の巨匠たちがこぞって出演しているが、毎度毎度懲りずに選挙に出馬している彼らは実は毎回300万円もの大金を工面して選挙に出馬しているのだ。

 

 『立候補』は選挙をゲームに見立てて、供託金をゲーセンのコインのように表現しているのが面白い。何故泡まつ候補と世間からバカにされる彼らは安くない供託金を毎度払って選挙という勝てる見込みのないゲームに参加するのかに迫ったドキュメンタリーが『立候補』なのだ。

 

 その中で主役に添えられているマック赤坂がやはり格別に面白い。マック赤坂と言えば奇を衒った政見放送が有名だ。毎度コスプレをして正気とは思えない政策を述べて時折カルトとしか思えないスマイルセラピーを挟むのがお馴染みのスタイルで、世間からの笑いの的として選挙シーズンの一種の風物詩となっている。しかし、この『立候補』を見ると自分の政見放送を見て爆笑しているマック赤坂が写るのだ!「俺が見て笑えるんだもん、面白くなくないわけがないだろ!」と劇中マック赤坂が呟くが、意外と客観的に自己分析出て来ているマック赤坂は案外世間が思っているほど頭のおかしい人ではないのかもしれない。

 

 白眉となるのはクライマックスで、マック赤坂はなんと単身安倍晋三と対峙する。これから見る人のために詳細は書かないが、「帰れ!」「ゴミ!」「売国奴!」などと安倍晋三の支援者に罵声を浴びさせられ、安倍晋三にも鼻で笑われてもマック赤坂は堂々と立ち向かう。そう、これは300万円という安くない供託金を払い続ける男たちの戦いなのであり、マック赤坂の目には並々ならぬ闘志と覚悟が燃えているように見える。更にこのシーンで泣かせるのが、長年不仲であったマック赤坂の長男の叫びなのだが…ここはこれから見る人のために伏せておこう。

 

 何はともあれ『立候補』のマック赤坂根本敬の「でも、やるんだよ!」精神を体現していた男で、あのドキュメンタリーを観てからは密かに応援していた。だからこそ、この結果には心底残念でならないし、傷付けてしまった女性には一刻も早く罪を償うべきだ。でないと、あの時叫んだ息子の気持ちが報われないよ。

マットペインティング

 同僚のあみん と一杯だけのつもりが三杯くらい飲んでしまってほろ酔い気分でまともな更新ができる気がしませんが、頑張って最近ハマっているマットペインティングの動画を貼ります。

 技術としてのマットペインティングは本で読んで知っていたものの、こうしていかに映画内で効果を発揮しているかをメイキングと共に観てみるとまさに百聞は一見にしかずと言う感じで、『スター・ウォーズ』シリーズはどれも死ぬほど観てるのに「え、あの引き画はほとんど絵だったのか!」と今更知って目からウロコが落ちること間違い無しです。こんなアナログな手法で世界観を広げていたと考えると胸熱ですね。

 

 個人的に一番好きなマット・ペインティングは『レイダース/失われたアーク』の一番最後のショット。

 

 最後の引き画に映る木箱、全部絵なんですって!ひょえ〜!ちなみに僕このシーンを大学時代に撮った怪獣映画で再現したんですけど、その際は大量の段ボールを仕入れて並べました。

 

 もしこの映画撮った時にマット・ペインティングを知っていたら、多分あの引き画も再現しようとしていたに違いませんが、合成を担当していた同期と後輩には多大な迷惑をかけていただろうなぁ。

 

マットペインティング ハンドブック - The Digital Matte Painting Handbook 日本語版 -

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  • 作者: David B. Mattingly (デヴィッド B.マッティングリー),高木了,序文:Harrison Ellenshaw (ハリソン・エレンショウ),株式会社Bスプラウト
  • 出版社/メーカー: ボーンデジタル
  • 発売日: 2012/02/22
  • メディア: 大型本
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『クレイジー・リッチ!』に泣く

 仕事終わりに急いで『クレイジー・リッチ!』を観に行く。詳細はツイッターに短評を呟いてからにしたいが(とここで他にも6本くらいまだ呟いてない映画があると気付いて頭が痛くなってしますが)、そんなことはさておきもうギャン泣きするくらい最高の映画体験だったことをここに報告しておきたい。平日夜の回にも関わらずAMCエンパイアの大スクリーンのハコがほぼ満員。

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 AMCでは火曜は$5の日とはいえ、口コミが広がってるんだろうなぁ。だって面白いんだもの。満席の観客が(特にオークワフィーナが出てる全てのシーンで)爆笑して、スカッとする瞬間には拍手が起こり、当然エンドロールも拍手。なんかもう映画の出来そのものというより、こんなにウケてる!と思うだけで泣いてしまった。丁度この感覚は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』イヤーに3部作を観に行って六時間泣きっぱなしだった時と似ている。

 

 

いやあ、ええ体験した!

 

クレイジー・リッチ・アジアンズ 【上下合本版】

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