いつものシェーン・ブラック映画、そしてそこが良い/『ザ・プレデター』★★☆

 『ザ・プレデター』を鑑賞。監督は1作目『プレデター』にも出演していた『アイアンマン3』『ナイスガイズ』のシェーン・ブラック、脚本は『ドラキュリアン』『ロボコップ3』のフレッド・デッカー、製作はシリーズを手掛けてきたジョン・デイヴィス。音楽はアラン・シルベストリが手掛けたテーマ曲を元にヘンリー・ジャックマンが担当。主演は『ローガン』のボイド・ホルブルック、共演に『ムーンライト』トレヴェンテ・ローズ、ジェイコブ・トレンブレー、キーガン・マイケル・キー、オリヴィア・マン、他。

f:id:HKtaiyaki:20180929052410p:plain

続きを読む

大麻売ってます!

 僕が映画を観る時は、自宅からのアクセスの都合と会員制度からよくタイムズスクエアにあるAMCエンパイアという劇場に行く。AMCはアメリカの大手シネコンチェーンで、タイムズスクエアは常に観光客でごった返しているから、日本で言うと渋谷のTOHOシネマズみたいな感じかな?

 

 んで、そのAMCエンパイアに行く道中でよくこんなトラックを見かけるんだけど、初めて見た時は大層驚いた。

f:id:HKtaiyaki:20180928040645j:image

 何かというと、大麻入りのお菓子を売っているフードトラックなのだ。アメリカでは大麻が合法化されている州が増えているとはいえ、NYでは未だ嗜好用大麻は違法*1だ。軽犯罪化は進んでいるものの、こんなに堂々と映画館のあるような人通りの多い繁華街で大麻入りお菓子を売っているとは俄かに信じがたかった。事実、このトラックの存在を友達に話しても中々信じてもらえないので、トトロを目撃したメイちゃんのような気分になる。

 

 この間アーカンソーから遊びに来てた友達を空港までのバス停に送り届ける際にこのトラックをまた見かけたもんで、興味半分で友達とどういう仕組みなのか売人 店員に聞いてみると「法律で規制されている量よりも大麻成分含有量が少ないから、合法なんだよ!」と得意げに話していた。どんなものがあるか聞いてみると大麻入り食品としてはベタなブラウニーやクッキー、キャンディーなどが売られていた。キャンディーは一個5ドルとそれっぽく高い値段。

 

 まあ、もちろん怪しかったし買わなかったんだけど*2、このトラックの謎を究明すべくGoogleで検索してみると、「ウィード・ワールド・キャンディーズ」という名の結構有名なフードトラックビジネスのようで全米6都市で展開していて、公式サイト*3も存在している。ただ販売されているどの州も嗜好用大麻は合法化されていないので、謎は深まるばかり。もう一つの謎はYelpやGoogleレビューなど軒並み評価が★5個中★1個と評判が悪いのだが、これらのレビューを読んでみると何故ウィード・ワールド・キャンディーズが堂々とのさばっているのかからくりが分かった。

 

 彼らは確かに大麻成分入りの食品を売っているが、所謂ハイな状態になる成分であるTHCは一切含まれておらず、合法成分であるCBDが含まれているだけだ。何も違法な成分が入ってないので堂々と道端で「大麻入り」食品を売ることが出来る、という仕組みだったのだが、ここで全く別の問題が浮かび上がる。

 

 

 

 

 単純にこれって詐欺じゃないの???

 

 実際に低評価を与えているレビューを読んでみると、「全然ハイにならない」「店員はTHC入りって言ってたのに騙された」と怒っている人が多い。やっぱりこいつら逮捕したほうが良いよ!

 

 

*1:医療用は合法

*2:って書くと、怪しくなかったら買ってたのか、と言われそうですが、そんなことは一言も書いてませんからね!

*3:http://www.weedworldcandies.global/home.html

ウーピー・ゴールドバーグに話しかけた話

 会社の近くに「アコ」という和食屋がある。和食屋と言っても非日本人が経営しているなんちゃって和食屋で、オシャレな土地にあるので無駄に値段が高い。味も別にそこまで美味しくないのだが、アコには何故か1か月に一回くらい行きたくなる不思議な中毒性があり、しかし毎度行っては対して美味しくない和食に高いランチ代払うことに虚しい気持ちになる。だが、それでも何故かアコには足を運んでしまうので、同僚の あみん とアコに行くことを「傷付きに行く」と呼ぶ内輪受けジョークが生まれていた。

 

 さて、今日もアコへ傷つきに行った時の話である。アコはメニューだけカツ丼だの牛丼だのチラシだの蕎麦だの一丁前のことが書いてあるが、どうせどのメニューも想像していたものと全然違うものが出てくるか分かり切っているので、逆に何を頼もうかと二人で盛り上がっていた時である。僕らの席の隣に黒人女性が二人座ったのだ。僕が気付かずにメニューを見ていると、あみん が僕に日本語で囁く。「隣の人有名人じゃない?」ふと隣を見てみると、よく映画で見たことのある顔だった。脳内Google検索をする。

 

ウーピー・ゴールドバーグじゃん!!

f:id:HKtaiyaki:20180927040018p:plain

 すげえ、『ゴースト/ニューヨークの幻』のウーピー・ゴールドバーグじゃん!『天使にラブソングを…』じゃん!ウーピーが隣に座ってる!!

 

 しかし、なんというか、芸能人にしては全くオーラがない。いや芸能人どころか、ハリウッドのベテラン女優である。服装もブランド品など身に着けておらず、失礼だがあまりお金持ちにも見えなかった。そして背丈も映画で見る印象よりずっと小さく見えた。「でも実際のウーピー・ゴールドバーグも普段全然着飾らないし、あんまり背も高くないよ」というのは あみん の談で、彼は仕事でこの間ウーピー・ゴールドバーグを目撃したばかりだった。

 

 それにしても何故ウーピー・ゴールドバーグがアコなんかに…?と思ったが、ウーピーはNYに住んでいるらしいので可能性はなくもない。アコは不味い店だが、値段としては割高だし、といっても高級店でもないので、セレブが人目のつかない場所でランチを過ごしたい際は打ってつけなのかもしれない。

 

 失礼なので隣をあまり凝視することはできないが、スマホで検索するウーピー・ゴールドバーグの画像と横目でチラリと観るウーピー・ゴールドバーグを見比べる。多少、他人の空似ではないのか?という疑念はあったが、何よりも隣から見る彼女をウーピー・ゴールドバーグたらしめていたものは頬の膨らみであった。更に決定的なことに、この間 あみん が撮ったウーピーの写メと今隣に座っているウーピーは全く同じジージャンを着用していた。ウーピー・ゴールドバーグが隣にいる!というだけでアドレナリンが出て あみん と早口で、しかし彼女に悟られないように日本語で会話をする。

 

 ここはなんとしてでも話しかけたい、あわよくば一緒に写真を撮りたい。しかし、せっかくオフの日にゆっくり昼飯を食べているのに、ここで話しかけてしまったら気分を害してしまうだろう。僕たちはリスペクトを持ってウーピーに合わせてスローペースで昼飯を食べ、ウーピーが会計をする段階で話しかけることに決めた。はずだったが、僕は興奮していたのでむしろいつもより早く食べ終わってしまった。落ち着かねば!と普段なら高いアコでは絶対頼まない緑茶を飲んで、カテキンで精神を整えることにした。

 

 ちょうど隣のテーブルが皿を片付けたころだろうか、僕たちも会計を終えたのでいよいよ勇気を持って話しかけることにした。これを逃したら僕がハリウッドで成功するまで二度とウーピーと会話する機会などないだろう。まるで女の子に告白するときのように高鳴る心臓を必死に押さえつけ、意を決して話しかける。

 

「あの、すみません…!」

 

ウーピーがこちらを振り向く。正面から見たウーピーは、

 

 

 

 

 

 

 

ウーピー・ゴールドバーグではなかった。

 

横顔がありえないほど似ているだけで、正面から見るとまるでウーピー・ゴールドバーグと似ていなかった。ただ単にアコに昼飯を食べに来た黒人女性であった。

 

だ、誰だお前は!などとこちらから話しかけておきながら超失礼なことを思ってしまい、更にクソ失礼なことにウーピー(にちょっと似た別人)の顔を見るなり吹き出してしまった。ただ、ここまで話しかけて終わってしまったら、ただ知らない人に声かけて笑いだす超気持ちの悪くて失礼なアジア人になってしまうので、後には引けず、

 

「ま、間違ってたらすみませんが、ウーピー・ゴールドバーグさんですか?」

 

間違っていると分かり切っているのに聞いた。というか、聞くしかなかった。

 

もちろん、ウーピー(にちょっと似た別人)は

 

「え、違いますけど…。」

 

と神妙な面持ちで否定し、二度と味わいたくない気まずい雰囲気が辺りを漂った。必死に あみん と、あ、すみません、あまりにも似てたもので!ウーピー・ゴールドバーグのファンだったので少し舞い上がってしまいました、本当にごめんなさい、お邪魔して申し訳なかったです、良い一日をお過ごしください!と深く謝罪し顔を真っ赤に赤らめながらアコを出た。

 

やっぱりアコは傷つきに行く場所で間違いなかったね、と会社へのもどり道であみんと合意したのであった。

 

 

アレック・ボールドウィンとケヴィン・コスナーの区別がつかない問題

 今日はスパイク・リーの『Blackkklansman』を観に行った。これまた素晴らしい映画だったんだけど、映画の内容自体は後日またどこかで語るとして、冒頭にアレック・ボールドウィンが出ていて困った。なぜ困るかと言うと、僕にとってアレック・ボールドウィンケヴィン・コスナーの区別が難しいのだ。

f:id:HKtaiyaki:20180926230931p:plain

アレック・ボールドウィン

 

f:id:HKtaiyaki:20180926230956p:plain
ケヴィン・コスナー

 

 最近ではアレック・ボールドウィンが『ミッション:インポッシブル』に連続出演するようになってようやく顔認識ができるようになってきたが、今日も一瞬「あれ、これアレック・ボールドウィンだっけ?ケヴィン・コスナーだっけ?」と迷った。目の細さ、渋い雰囲気、また若い頃は2枚目俳優だったけど今は名脇役、というよく似たキャリアも混乱を呼ぶのだろう。

 

 『Blackkklansman』でもう一つ困ったのはブシェミ。あはは、この独特の顔と声はスティーブ・ブシェミだな、と思ってエンドクロールでマイケル・ブシェミという弟だと知って驚いた。まあこれは血の繋がった兄弟なので仕方がないけど、スティーブ・ブシェミに弟がいることをそもそも知らなかったので相当びっくりした。

 

 

f:id:HKtaiyaki:20180926231040p:plain

スティーブ・ブシェミ

 

f:id:HKtaiyaki:20180926231355p:plain

※マイケル・ブシェミ

 

 他にも顔が似ていて困らせたのは一時期のジェシー・アイゼンバーグとお笑いユニット ロンリー・アイランドのアンディ・サムバーグ。二人ともユダヤ系なので名前まで似ているが、アンディ・サムバーグは最近髪を切ったのでようやく見分けが簡単になった。

f:id:HKtaiyaki:20180926231429p:plain

※左:ジェシー・アイゼンバーグ、右:アンディ・サムバーグ

 

 ちょっと違うけど、コメディ映画ファンとしてよく見るジェイソン・ベイトマンジェイソン・サダイキスは名前の区別がつかなくて困ってた。二人はややこしいことに『モンスター上司』で共演もしているが、見分け方は巻き込まれて可哀想な目にあう役が多いのがベイトマン、意地悪い役が多いのがサダイキス。

f:id:HKtaiyaki:20180926231454p:plain

※左:ジェイソン・サダイキス、右:ジェイソン・ベイトマン

 

 顔の区別がつかない、ってほどではないけど、イギリス出身の女優はみんな顔の系統が似ているなぁとは思う。例えば、『スター・ウォーズ』新三部作のレイでお馴染みのデイジー・リドリーと『ミッション:インポッシブル』でブレイクしたレベッカ・ファーガソンを見比べるとなんかこう、キリッとした美しさが似ている。

 

f:id:HKtaiyaki:20180926231518p:plain

 ※デイジー・リドリー

 

f:id:HKtaiyaki:20180926231555p:plain

レベッカ・ファーガソン

 

 出身でまとめると、不思議なことにテキサス出身の俳優も皆顔が似ていると思う。テキサス出身のオーウェン・ウィルソンイーサン・ホークマシュー・マコノヒーウディ・ハレルソンの写真を並べて見るとわかってもらえるかもしれないが、鼻立ちがすごく似てるんだよね。他三人とウディ・ハレルソンは辛うじて頭皮で区別がつきます。

f:id:HKtaiyaki:20180926231627p:plain

オーウェン・ウィルソン

 

f:id:HKtaiyaki:20180926231644p:plain

イーサン・ホーク

 

f:id:HKtaiyaki:20180926231658p:plain

マシュー・マコノヒー

 

f:id:HKtaiyaki:20180926231713p:plain

ウディ・ハレルソン

 

 という、『Blackkklansman』でアレック・ボールドウィンを見たことをきっかけに前から思っていたことを書いて見たのでありました。そういえばこの人たちも似てる!と思い出したら第二弾があるかもしれません。

 

 

[新版]日本で一番わかりやすい人相診断の本 (PHPビジュアル実用BOOKS)

[新版]日本で一番わかりやすい人相診断の本 (PHPビジュアル実用BOOKS)

 

 

重い腰を上げて映画館へ行く

 僕はマメなのでIMDbに自分が鑑賞した作品のログを付けているのですが、久々に更新しようと今年観た新作映画の本数を数えてみると44本しかなくて驚愕しました。

 

 まあ、上半期ベストテン選出時にカウントしていた2017年度末公開作品は入れてないのですが、それにしたって例年ベストテンを選出時には95本近く見ているので、年末まで残り三ヶ月しか無い現時点でこのスローペースは映画ファンになって以来の由々しき事態であります。

 

 仕事のせいにしようと思えばできるのですが、一番自分で責めたいのは出不精な自分の性格ですね。休日朝起きたら取り敢えずゲーム、観に行く予定だった映画の時間になっても「次の回に行けばいいでしょ」なんて言い聞かせてゲームをやっているうちに休日も夜になってしまい、平日の上映スケジュールを調べては「まあ仕事終わりに観に行けば大丈夫」なんて無責任なことを自分に言い聞かせて、結局平日は仕事で疲れているので「まだ今週末も上映しているから週末に行こう…」と負のサイクルを延々と繰り返しているのです。こないだ「映画は映画館で観て当たり前!」みたいな記事を書きましたが、本当に一体どの口で言ってんだって我ながら呆れます。

 

 やはり映画は興行なので、観に行くと決めた時に観に行かないと後々後悔することになるという、当たり前だったことを自分に言い聞かせて残りの三ヶ月は猛スピードで映画を観ていきたいですね。

 

 ということで、今日も仕事終わりに自分を奮い立たせて『ルイスと不思議の時計』を観に行きました。今アメリカでは本作をIMAX版で鑑賞するとIMAX 3Dにリマスターしたマイケル・ジャクソンの『スリラー』が同時上映されており、ぶっちゃけこっちを目当てで観に行った節もあって『スリラー』終わったら満足感で帰ろうかなんて失礼なことを考えていたんですが、イーライ・ロスに全力で土下座したいくらい『ルイスと不思議の時計』も超楽しい作品でした!PG指定に収めれば何やってもいいんだと暴走したイーライ・ロスの悪趣味演出が子どもにトラウマを植え付けること必至で、いやーやっぱり映画は映画館で観るに限るねと、帰り道のガラガラの地下鉄で揺られながら思うのでありました。

 

スリラー

スリラー