ダダンダンダダン

 今ですね、知人のプロジェクトを手伝っていて今週の木曜日くらいまで忙しいです。最近更新がままならないのはその為です、すみません。

 

 その関係で今日は生まれて初めてトラックを運転しています。14フィート(4.2メートルくらい)のキューブトラックでNYの狭くて忙しい街中を運転するのは結構神経がすり減ります。ただですね、なんとなく『ターミネーター:新起動/ジェニシス』でトラックを運転してカイルを助けるサラ・コナーの視点に立てたのは新たな発見ですね。何事も経験が大事ですね。

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 『ターミネーター』といえば新作の『ニュー・フェイト』を観てきましたが、うーん…って感じでした。英語圏の予告などでは「『ターミネーター2』以来最高の『ターミネーター』」という評をコピーとして流用していましたが、『ターミネーター2』以来最高の続編の意味が『ターミネーター』と『ターミネーター2』がやってた事を繰り返すだけだったら、僕はもう『ターミネーター』シリーズを続ける必要なんか無いと思います。

 

 思い返してみると、『ターミネーター3』は結局人類は破滅するし、『ターミネーター4』は未来の話だし、『ターミネーター:新起動/ジェニシス』は思い切ってジョン・コナーを悪役に設定してたし、それぞれ金字塔であるオリジナル2作に果敢に挑戦していたという意味では評価に値すると思います。『ターミネーター/ニュー・フェイト』は邦題ですが、『セイム・フェイト』の方が似合ってるくらいです。

 

 『ターミネーター/ニュー・フェイト』はアメリカでは大コケしてしまって新三部作の構想が早くも暗礁に乗り上げてますが、やっぱり『ターミネーター2』は完璧な続編で、これ以上の続きはいらないとの証拠なのではないでしょうか。それでもリブートを続けるなら次またどうやって老いたT-800を出すべきか製作陣は頭を悩ませるんでしょうな!

 

 



ロリコンの巣

 

 き、気持ち悪い……。僕の同級生にも教員になった後未成年に手を出して捕まった奴がいたり、お世話になっていたはずの教員が卒業後生徒に手を出してクビになってりしてるんですけど、こういうニュースを見るたびに教員には小児愛者しかいないのかと絶望的な気分になります。もちろん真面目な教員だってたくさんいるので、風評被害になりかねないので注意したいところですが、それにしたってこの数の多さはなんでしょうか。あと、Yahoo!ニュースのコメント欄なんか一切期待してませんが、それでも女子生徒の方を攻めるコメントが少なくない数あったのも考えものです。

 

教師の不祥事は防げるか―教師のための不祥事防止マニュアル

教師の不祥事は防げるか―教師のための不祥事防止マニュアル

 

 

今後の更新予定

 今日これから『アイリッシュマン』を観に行く予定なんですが、これが3時間30分の超大作ということで、対策として昨日ぐっすり十分な睡眠を取ったので昨日は更新をしませんでした。

 

 僕はNYに戻ってからやることがないので毎日2本ペースくらいで映画を観に行ってるのですが、正直そこまで面白くないと途中で寝ちゃうんですよね。ぶっちゃけほぼ毎回寝てます。でも時間もあるし、お金もったいないから次の回が始まるまで待って、寝てた部分を観て補完して「あー、そういうことだったのね」と納得して次の映画を観てまた寝てまた居座って観直す、というサイクルを終えたら家に帰って、しかし帰り着くのが夜遅いので結局深夜過ぎまで作業して、すると翌日映画見るときまた眠くなる、という非常に堕落した生活ルーチンを送っています。こういう感想ブログで寝てしまった、と書いてしまうと僕の感想の信頼性が落ちてしまうので勇気のいる事ですが、それでも眠くなってしまうのだから仕方ないし、ちゃんと寝てた部分を見返してるのでここは自分を許してあげたい。よしよし。

 

 まあ、逆に言えばそれでも寝なかった『パラサイト』『The Hustlers』『ゾンビランド:ダブルタップ』は相当面白い映画だと思うので、日本で公開された際には是非とも楽しみにしていて下さい。

 

 で、今後このブログで待機している記事は以下の通りです。

こうやって書いておくことで、「更新明日でいいや…」と逃げる自分を予め追い込んでおきます。偉い!と言っても、今晩また飲む予定なので、更新できるか既に暗雲が立ち込めていますが…。

 

 ということで、『アイリッシュマン』一足先に観てきます。楽しみです。

 

アイリッシュマン(上) (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

アイリッシュマン(上) (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

 
アイリッシュマン(下) (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

アイリッシュマン(下) (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

 

 

 

悲しいなぁ……。

 元「歌のおにいさん」が大麻所持容疑で逮捕された件について

 

 こういう事件が起きると巷で起きがちな大麻の是非論はひとまずは置いておくとして((といっても沢田容疑者は今回覚せい剤取締法も違反してるので全くの別問題だと思いますが。)ですね、僕は「NHKの番組に『歌のおにいさん』として出演していた清掃作業員の沢田憲一容疑者」の一文だけにこの人の人生が見えてなんだか辛くなりましたよ。

 

 

コリアン・ハイランド/『パラサイト 半地下の住人』★★★

 今年のカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した『パラサイト 半地下の住人』を鑑賞。監督・脚本は『殺人の追憶』『オクジャ/okja』のポン・ジュノ。『タクシー運転手/約束は海を越えて』のソン・ガンホ主演。

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 高校の地理だったか世界史の授業だったか、「ホワイト・ハイランド」という言葉を習った。ケニアがイギリスの植民地だった時代、冷涼な高原地帯に白人たちの入植が進んで白人の居住区となった。もちろん、高級住宅街が形成されたことは言うまでもなく、首都ナイロビのベースとなった。

 

 世界中どこでもそうだが、富裕層は高所に住むことを好む。東京のタワーマンションだってそうだし、ハリウッドでもセレブはビバリーヒルズの丘の頂上に住んでいる。ギリシア神話だって神々はオリンポス山に住んでいて、日本神話の神々が住む場所は高天原だ。地上で必死に働く人間どものことはつゆしらず、高いところで優雅に暮らしている。

 

 一方で、低地には貧困層が暮らしていることが多い。土地の高低差はそのまま貧富の格差を表しており、今年公開されたジョーダン・ピールの『アス』は金持ち一家を貧しい地底人間が襲いにくる話であった。『パラサイト』では格差社会をさらに映画的に見せている。

 

 携帯代も払えないキム一家は地下の部屋に暮らしている。彼らの住む貧困街自体が丘の麓に位置しているので、文字通りキム一家は最下層だ。ひょんなことから長男のギウが金持ちのパク家の長女の英語家庭教師となったことを皮切りに、キム一家全員がパク家の豪邸に一人、また一人と住みついていく。このパク家の豪華な家は丘の上にあり、玄関すら階段を登らないと入れない。

 

 僕が本作で本当に惚れ惚れとしたのは「雨」の使い方だ。キム一家はパク家の豪邸に「寄生」していくことで、金持ちが見ている風景を目撃する。庭に降る趣深い雨を楽しむキム一家だが、しかし同じ雨は貧困層の生活を脅かす。キム一家が栄光から転落する瞬間が分かる象徴的なショットがあるのだが、この雨は滝のように階段を流れ落ちる。言葉ではなく画で全てを説明してみせる、とても詩的で映画的な表現だ。これは例の一つで、『パラサイト』は全てショットの構図・美術・設定に重層的に意味が含まれていて、完璧なまでに美しい調和を見せている。

 

 僕はポン・ジュノのファンであったけれど、『スノーピアサー』『オクジャ/okja』にはイマイチノレなかったクチで、もうポン・ジュノの全盛期は過ぎてしまったか、なんて失礼な事も考えていた。そんな杞憂を吹っ飛ばすくらい『パラサイト』はポン・ジュノのキャリアハイの大傑作だった。しかし考えてみると、この3本はずっと格差社会を描いている作品で、ポン・ジュノの積み重ねがこの一作で昇華したような印象を受けた。必見。


『パラサイト 半地下の家族』予告編

母なる証明(字幕版)

母なる証明(字幕版)