ロッキー・ステップスにリベンジ!?

 えー、予告通りアーカンソーから遊びに来た友人と首都ワシントンDCに旅行に来ています。人生初のワシントンDCでございます。DCに着いたのは夕方で、フォーを食べた後に『パラサイト』を観るという、一体何しに旅行しているんだか分からない呆れた状態ですが、スマホの充電が終わったら夜のDCに繰り出したいと思います。『パラサイト』2回目でとある小道具の劇中での小さな変化に気付き、ポン・ジュノの神経質までな画作りに震え上がりました。も、もう一回観たい……!

 

 NY〜DC間は車で4〜5時間ほどですが、どうしても道中のフィラデルフィアで寄りたいところがありました。フィラデルフィア美術館、所謂ロッキー・ステップスです。『ロッキー』でスライが駆け上った階段です。

 

 実はこの階段には2年前にも訪れた事がありました。アーカンソーからNYまで18時間の引越しドライブの道中、今回遊びに来ている友人と一緒に寄り道しました。ロッキー・ステップスを上ることを心から楽しみにしていましたのですが、当時はジェイ・Zがフィラデルフィア美術館前で屋外ライブをするというのでロッキー・ステップスは封鎖されていました。ジェイ・Zの音楽は全く聞いたことがありませんでしたが、ジェイ・Zをあれほど憎んだことはありません。

 

 さあ、今回の旅で丁度フィラデルフィアを通ることを発見したので、是非ともリベンジを果たしたかったのです。ちゃんとグレーのパーカーとニットキャップまで用意し、あの名シーンを再現すべく埃かぶっていた一眼レフまで久々に持ち出してウキウキしていました。その期待をガソリンにして2時間半ノンストップでフィラデルフィアまで運転し、車を停めて2年ぶりにロッキー・ステップを訪れてみるとどうでしょう。クリスマスに向けてクリスマスツリーを設置中でクレーンやら工事用具やらでゴチャゴチャしているではありませんか。ファック!

 

 とはいえ、2年前と違って階段自体には登れますので、せっかくなので再現映像を撮ることにしました。僕の友人は映像系とは全くの無縁のド素人ですが、徹底的に指導したので中々再現度の高い映像が仕上がりました。NYに戻ったら編集して公開したいと思います。スマホで撮ったものはインスタで上げましたが、このツリーの邪魔さ加減がわかるかと思います。

https://www.instagram.com/p/B5JVwb-jIIZ/

Rocky #moviemomentsinlife #DamnYouChristmasTree



 

 なお、僕達が映像を仕込んでいると、「違う、もっと映画みたいにちゃんと走れ!」とやたらと演技指導してくる人がいたのですが、話を聞くと彼はロッキー・ステップスを縄張りにしているホームレスで、13年近く観光客の写真を撮ってあげてはそのチップで生計を立てているとのことです。『ロッキー』が映画界やアメリカ文化に与えた影響は言わずもがな計り知れませんが、ホームレスの生活の糧にまでなっているのは中々思う所が色々ありました。

 

 さてさて、二泊三日と短いですが、明日は観光と八村塁の試合を楽しみたいと思います。

 

ロッキー (字幕版)

ロッキー (字幕版)

 

 

追記:さっきスライのTwitterで知ってビックリしたんですが、ロッキー・ステップスに足を運んだ11/21は『ロッキー』の公開日だったらしいです。クリスマスツリー如きで文句を言ってごめんなさい、今日行けたのは運命としか言いようがありません。

アメリカのシネコンは店長を日本に派遣しろ!

 ツイッターにも書きましたが、本日『ドクター・スリープ』をタイムズスクエアのAMCシアターに見に言った時の話なんですが……、あ、ツイッターにも今度書きますが、『ドクター・スリープ』自体は『シャイニング』をリスペクトしつつ、ファンサービスに止まらないで新しいこともちゃんとやってて良かったです。映画そのものはとても良かったのですが…。

 

 日本は映画が始まる前にCMが延々流れることが批判されがちですが、アメリカの劇場も大概酷く、20〜25分ほど新作映画の予告が恐ろしいほど長く流れるんですよ。なので、僕はいつも映画の開始時間の15分遅れで入るのが習慣づいているのですが、今日入って見たら予告編が流れていると言うのに場内の電気が明るいままでした。でも誰もクレームを入れそうにないので急いでスタッフを探しに行って「もうすぐ上映が始まるのに電気ついてますよ!」と伝えたら「すぐに上に行きます」と言われて安心して席に戻ったんです。特に僕は遅れて入ってる分かなり急いでスタッフを探しに行ってたのはご想像いただけるかと思いますが、ワーナーのロゴが見えたと言うのに一向に電気が消える気配はありません。

 

 『ドクター・スリープ』は当然ホラーなので暗いシーンが続きます。それなのに劇場が明るいままで全く雰囲気が台無しどころか、そもそも何が起きているのかまるで見えません。「流石にまた文句を言いに行こうかな〜でも大事なシーン見逃したくないしな〜」なんて逡巡していたところ、ようやく電気が消えました。しかし冒頭5分はゆうに過ぎていたと思います。

 

 それだけで収まったら良かったものの、電気が点いている間小さな生き物が僕を見ていることに気がつきました。そう、僕は奴を知っている。

 

ネズミです。

※憎きネズミとの闘いを記録した記事はこちら 

taiyaki.hatenadiary.com

taiyaki.hatenadiary.com

 

 我が家でネズミが淘汰されてから暫くぶりの邂逅でしたので、ギャッと飛び跳ねてしまいました。 『ドクター・スリープ』の怖いシーンがまだ流れてもいないのに。そのままネズミは逃げて行きましたが、上映中触られないようにずっと足を上げて見ていました。オーバールック・ホテルよかよっぼど怖い。

 

 ちなみにタイムズスクエアのAMCはベッドバグ(南京虫)が発生してニュースになったこともあり、今度はネズミとあればこの劇場の衛生面が心配でなりません(実際、各階のトイレも超汚いですし)。仕事に関わっていない限りあまりアメリカでは面と向かってクレームを入れたことがなかった(だって怖いし)のですが、一映画ファンとして流石にこれは改善してもらわないと思い、上映が終わったらチケット売り場に行ってマネージャーを呼んでもらいました。

 

マネージャー「どうされました?」

Taiyaki「えっと、『ドクター・スリープ』を25番スクリーンで鑑賞していたんですけど、ネズミを見かけました」

マネージャー「ああ、そうですか〜。う〜ん…。次回タダ券になるチケットをお渡しする以外こちらでできる事がないですね…

Taiyaki「(はあ、こいつ何言ってんだ??)あ、いや、別に問題にしようと言うわけではなくてですね、単純にネズミがいますよ、と言うことを知らせたかったんですけど

マネージャー「ええ、分かってます、知らせてくれてありがとうございます〜。とりあえず、こちら次回鑑賞がタダになるチケットなので、是非お使いください〜」

 

 と、チケットだけ渡してマネージャーはどこかへ行ってしまいました。どこのスクリーンにネズミが出たかなんて一切メモもしてません。目の前のクレームを言う客を対処することが優先で、根本的な問題を解決しようと言う気がない!タダ券は使わせてもらうけどな!

 

 日本とアメリカ、それぞれに優れた所やそうでない所があるので単純な比較はできませんが、諸々のサービスのクオリティに関しては日本の方が圧倒的に優れていると言わざるを得ません。とりあえず、AMCは全店舗のマネージャーをTOHOシネマズとか109に派遣して研修に行かせるべきです。日本の劇場でネズミなんか出たら即営業停止だよ!

 

 

トミー・ウィゾーから返事が返ってきた!

 えー、今日はこちらの記事の続きになりますが……

 

 

 省略すると、史上最高の駄作『The Room』を作ったトミー・ウィゾーがNYの映画館に来ているって言うんで会いに行き「日本で『The Room』を上映したいんです!」と伝えたら「俺も日本でやりたかった、メール送って」と言われたのですが、流石にリップサービスだろうと思いつつダメ元でメールをホームページに乗っていたメールアドレスに送ったんです。そうしたらですね、

 

 本当にトミー(のスタッフ)から返事が返ってきました。

 

 しかも日本での上映に興味あり、とのことです。たった一回返事が来ただけだとはいえ、全くここまで話が進むと思ってもいませんでしたから、前回の終わりには「『The Room』日本上陸の鍵は僕が握っている!?」なんて調子に乗って書きましたけども、まさか本当にそんな展開になるとは心底驚いています。金もコネも配給・上映の知識も何もないのですが、ここまで来たなら実現できるように全力でやってみようかと思います。

 

 続報を待たれい!これは大変なことになるぞ……。

 

 

『サウスパーク』S23E4「Let Them Eat Goo」感想

 今回の『サウスパーク』は全米で話題の植物性の人工肉インポッシブル・バーガーをフィーチャーしている。『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』のパロディも登場!

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 前回*1の終わりに中国と手を切ることでタオリーと仲直りしたランディだったが、チャイナマネーを失ったことでテグリディー・ファームの売り上げは落ちていた。誰もやる気を出さない家族会議で「大麻の収穫過程で通常捨てる部分も敷き藁として売れば利益が上がるのでは?」というタオリーの案に乗る。

 

 その道中、バーガーキングで昼飯を食うことにするが、ふと「インポッシブル・ワッパー」というメニューを目にする。植物由来の人工肉であることを店員から聞いたランディはひとつ食べて見ることに。「クソみたいな味だな!君たちこれで儲けてるの?」「人気のメニューなんですよ。多くの人が環境問題や資源の持続可能性に気を使ってるので」「これ本当に犬のウンコの味がするのに、人々がこれを買い求めてるの?それは素晴らしいな!……んちょっと待てよ、植物由来?閃いた!」

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 さて、サウスパーク小学校ではランチにスロッピージョー*2が出るということで、非常に楽しみにしていたカートマンとバターズ。しかし健康と環境問題を気にかける生徒達のせいでメニューが魚に変更されてしまった。激昂したカートマンはそのまま心臓発作で倒れ、救急車で運ばれる。

 

 翌日死にかけたカートマンが登校すると「健康なんかを気にする女子生徒達にオイラ達のランチを荒らされる訳にはいかない!」と男子生徒達を煽る。「なによ、女の子だけじゃないわ!ヴィーガンの生徒だっているのよ!多くの生徒達が抗議しているのよ!」とニコールが返すと、「その抗議がオイラのランチを台無しにしているんだ!」と怒るカートマン。ヴィーガンの生徒が「僕たちには表現の自由があるんだ!」と抗議すると、「確かに表現の自由はあるが、他人ではなく自分のことだけを考えてると、それによって引き起こされる問題もあるの!」とまた動悸が高まってきたのでマッケイ先生が止めに入る。「エリック、落ち着いて!もうランチメニューは変えないから!」「そんなの不公平よ!」と女子達が抗議すると、「ごめんなさいね、でも生徒の健康が最優先事項だから」とマッケイ先生。

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 さて、大麻製植物を利用した人工肉「テグリディー・バーガー」を開発したランディ。ジェラルドに試食させるととんでもなくハイになり好評だったので、バーガーキングの外に店舗を構えることに。ランディのテグリディー・バーガーは大成功で、さらに市議会でも人工肉は環境問題にも良いと説得した甲斐もあり、牛肉よりもテグリディー・バーガーが好まれてしまう。そうなると怒るのは大量の牛を飼育している牧場主で、ランディの元へ訪れる。「お前のせいでわしの商売は上がったりだ!世間が突然いらなくなってしまったこの300頭もの牛をどうしてくれるんじゃ!お前が責任もって飼え!」為すがままにテグリディー・ファームに大量の牛が放置され、ランディとタオリーは困り果てる。

 

 さあ、学校で肉メニューを取り戻したカートマンはバーベキューリブを貪り食っていたが、女子生徒達がランチ中に環境問題と地球温暖化について抗議しているのを見てまた心臓発作で倒れてしまう。この事態を見かねたPC校長は妥協点を探し、人工肉会社インクレディブル・フードの創業者グー・マンを招いて食堂の食材を提供してもらうことになった。しかし、グー・マンはサウスパーク中の人工肉市場を牛耳、競争相手を潰すことを目的としていたのであった……。

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 グー・マンは明らかに『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』でダニエル・デイ=ルイスが演じたダニエル・プレインビューをパロディにしていて、喋り方もダニエル・デイ=ルイスに似ていて最高。途中、ランディのせいで困窮したバーガーキングの店員も射程に迎えるんだけど、その店員をH・Wと呼ぶのも笑う。H・Wはダニエル・プレインビューの息子のこと。

 

 環境問題について声高に主張する女生徒達は明らかにスウェーデンの16歳の環境活動家グレタ・トゥンベリをはじめとして、環境問題に積極的に取り組むミレニアル世代を代表している。それに自分の都合でわがままに怒鳴りつけ大げさに心臓発作まで起こすカートマンは、グレタを小馬鹿にして怒る大人達か。ただ、『サウスパーク』のスタンスは一貫して「右も左もバカにする」なので、どちら側の立場にも寄ってないし、究極はどちらの勢力も同じなんだと本作のエピソードでカートマンが説くのはクレバー。

 

 トレイとマットは中国ネタを今回も引っ張っており、カートマンが「確かに表現の自由はあるが、他人ではなく自分のことだけを考えてると、それによって引き起こされる問題もあるの!」と怒鳴った台詞は実はまんまNBAのスター選手レブロン・ジェームズが中国政府とヒューストン・ロケッツの間で生じた軋轢に対して放った言葉をそのまま引用している。レブロンは社会問題意識が高く、これまでもトランプを批判したり、様々なチャリティーに参加したりしていたが、今回はNBA同様中国の擁護に回ったことでダブルスタンダードだと批判を受けている。本当、トレイとマットの謝罪文通りになっちゃってるよ!*3

 

 

*1:

*2:ひき肉とミートソースを使ったサンドイッチ。アメリカ発祥。https://ja.wikipedia.org/wiki/スラッピー・ジョー

*3:

舐めんな!

mainichi.jp

 

 いやいやいやいや、いやいやいやいやいや!マジ舐めてんのかよ!僕が勤めていたクソブラック企業でさえ最低でも過去5年分は領収書保存してるよ!本当に現政権になってから公文書が改竄だとか領収書がねえだとか、新人サラリーマンがやるような不正がまかり通ってるのおかしいだろ!嘘をついてはいけないことは小学生でも習うが、政治家なんてどうせ汚いから期待してないけど仮に嘘をつくとしてでもだな、100人中100人が分かる嘘を平然とつくのは国民を舐めてる証拠だろ!モリカケ問題を逃げ切ったのが調子を乗らせてしまったんだな、全くフザケやがって。どうせ今回も飄々と有耶無耶にするんだろうなと半分諦めてるよ。現政権が続く限り無理。選挙に行かなかった奴らが一番悪いよ。

 

独裁の政治思想 (角川ソフィア文庫)

独裁の政治思想 (角川ソフィア文庫)