パーマには死を、さもなくば死を!

※本記事は映画『桐島、部活やめるってよ』の核心的なネタバレを含みますので、まだ観てない人は絶対にこの記事を読まないこと。というか早く観ること!!

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 僕は映画『桐島、部活やめるってよ』が大好きだ。去年劇場で2回鑑賞した後、BDを買って3回観てフィードバックして原作小説も読み、去年のベスト10では総合2位、邦画1位に選んだ。

 映画の完成度とかそんなものはひとまず置いとくして、何故去年この映画があれだけ話題をさらったかというとやっぱりキャッチコピーの「全員他人事じゃない」に尽きる。「この作品の高校描写なんて表面的なことだ!もっと深い所をみろよ!」「そんなに傑作か?」なんていう人も周りでチラホラいたが、誰だろうと『桐島〜』を観て高校や中学時代の事を脳裏に浮かべなかったといえば嘘になるんじゃないでしょうか。それほど『桐島〜』の描写は生々しく、辛い。

 んで、『桐島〜』観た人の心がポッキリ折られたのはもちろん、前田くん(神木龍之介)が、思いを寄せるかすみちゃん(橋本愛)とクラスの人気者・竜汰(落合モトキ、以下パーマと記す)が付き合っているのが判明するシーン。「ゾンビ映画撮るぜ!」と意気揚々と絵コンテを取りに教室に戻った前田くんに、カメラをじわじわとトラックさせて焦らしながらスキャンダルを目撃させるこのオールタイム級トラウマシーンは、どんなホラー映画よりショッキングで、どんな戦争映画よりも残酷だ。だってこれが我々にとってのリアルなんだもん!

 当然このシーンは公開直後から話題になり、Twitterなどで全国の映画ファンから悲鳴が上がった。深夜に知人たちと『桐島〜』を一緒に観た時もこのシーンで「クッソオオオオ!パーマああああ!」と盛り上がる。

 しかし、悲劇は映画内だけの出来事では無かった。

 

橋本愛に年上俳優と熱愛報道、「あまちゃん」や「桐島」で共演。/ナリナリドットコム
NHK朝の連続テレビ小説あまちゃん」で、“ミス北鉄(きたてつ)”こと足立ユイ役を演じている女優の橋本愛(17歳)に熱愛報道が出た。現在発売中の写真週刊誌「フライデー」が伝えているもので、お相手は年上の俳優・落合モトキ(22歳)だという。
同誌に掲載された「あまちゃん』ヒロインスクープ連発 橋本愛『共演俳優と自宅で(ハート)(ハート)』」は、2人が寄り添うように歩く姿や、互いのマンションを行き来する様子をレポートした内容。2人は映画「桐島、部活やめるってよ」で共演しているほか、直接の絡みはないものの、「あまちゃん」でも回想シーンに落合が出演(※観光協会の菅原保会長=吹越満の青年時代)し、“共演”中だ。誌面には仲睦まじい2人を正面から捉えた写真など数枚が掲載されている。

 

俺は怒ったぞーーーー!!!!
パーマーーーーッ!!!!

(c)バードスタジオ

 

 ただでさえ観客の心をえぐる大傑作『桐島〜』が、現実世界でも我々に安息を許さず爆撃を続けるという、末恐ろしいメタ的な構造を持った作品となってしまった…。

 この事態が『桐島〜』ファンに与えた打撃は計り知れず、昨晩から今朝にかけて僕のTLが桐島が部活をやめてしまった高校並みにざわついていた。

 

https://twitter.com/galaxychan43/status/332153937270542336

 

 そういえば『桐島〜』公開直後もこんな感じの祭り状態だったことを思い出した。今回は祭りというより炎上に近いけど。(注1)何が一番の問題かって、橋本愛(17)って事実だよな!警察はこのフライデーを証拠に陰毛パーマ野郎を逮捕できるぞ!

 まあ、マジな話をすると、別に橋本愛はアイドルじゃないから熱愛報道が出ても問題はない。そもそもドルオタの処女崇拝ほど気持ち悪いものはないと思う。共演者の熱愛報道だって珍しいものじゃないしね。(二人は今話題の朝ドラ『あまちゃん』でも共演しているらしい。観てないけど)

 ただ、『桐島〜』の場合は内容が内容だけに、このスキャンダルはまさにトラウマのように我々にあのシーンを思い出させる。こうした映画と現実が交わり合う事象は『桐島〜』本編でも描かれていたことで面白い。もうそろそろ公開されて一年近く経とうとしているのに、まだこうして騒がれているのを見ると『桐島〜』という傑作のパワーを感じさせてくれて嬉しい。

 

 でも、チンカスクソパーマ、てめえは死ね!!!

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 (注1)この記事を書き終えてから知ったが、スキャンダル発覚後に実際パーマ野郎のブログは荒れたらしい。こんな記事書いておいてあれですが、可哀想ですね……。でも死ね!