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11月に観た映画の感想

感想 映画

  うわ、もう2月…。12月分と1月分もあるので、サクサクっといっちゃいましょう。


 今月は『ムトゥ 踊るマハラジャ』『トレイン・スポッティング』『ショーシャンクの空に』『キャリー(1976)』『ボウリング・フォー・コロンバイン』『清須会議』『サカサマのパテマ』『セデック・バレ 第一部 太陽旗』『セデック・バレ 第二部 虹の橋』『舟を編む』『横道世之助』『立候補』の13本について書きます。多いわ!

 『風立ちぬ』については後日ジブリのまとめた記事を考えているのでそちらで(本当にやんのかよ!)

 『地獄でなぜ悪い』については2013年ベストテン、『トゥモロー・ワールド』についてはSF映画ベストテンの当該個所を、『アメリカン・パイ』シリーズについてはこちらを参照ください。


 BD化を記念し、キネカ大森のマサラ上映にて鑑賞。朝10:00という早い回で、この日は4:00まで作業していて8:00に起きたので、まぁ寝ましたね。マサラ上映で寝るって我ながら驚いた。ラジニ様に申し訳なかったので、上映終了後ソッコーで劇場窓口で『ムトゥ』のBDを購入したんで、許してください。

 しかし家でも見返して思ったんですけどね、インド映画も確実に進歩しているなと。公開当時は斬新で日本にブームを巻き起こしたかもしれないけれど、例えるならばこんだけ特撮やらCGが発達した現代において今更ジョージ・パル版『宇宙戦争』に驚けるのかって感じで、僕はやっぱり断然『ロボット』の方が好きでした。

 

 もちろん、確実に重症人が出ているであろうチェイスシーン、恐らく映画史上最多数のエキストラがムトゥの元に駆け寄るシーンなど、見どころは多数。なんせジュラシック・パーク』が出た二年後に『ムトゥ』は作られてますからね、インド映画の金鉱は深い。

 ところで本編が始まる前にラジニ様がガンジーの写真に祈りを捧げなさるカットが挿入されており、初見では日本人に理解できないインディアンジョークかと思ったが、BDの特典である日本語版予告編によれば『ムトゥ』はインド独立50周年記念の作品であるらしい。本当かは知りませんが

 

ムトゥ 踊るマハラジャ[Blu-ray]

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 マシュー・ヴォーン、ガイ・リッチーエドガー・ライトと、こういうアップテンポな映画を撮る監督はイギリス人に多い印象。ブリティッシュ・ポップ!って感じでスタイリッシュでかっこいい。イギー・ポップのオープンングとか超最高。

 特に好きだったのはレントンが幻覚にうなされるシーン。70年代のアメリカ映画にありがちなサイケデリックな表現は用いてなくて、広角レンズにより狂った気色の悪い映像を作り出している。アメリカン・ニューシネマから『トレインスポッティング』が公開されるまでの間に公開された映画についてはそんなに詳しくないので分からないが、中々当時としては斬新な描写だったんじゃないだろうか。

 ちなみに以前Twitterで、

ジャッジ・ドレッド』は3Dを駆使したドラッグ描写が斬新だけど、撮影監督がダニー・ボイル組出身らしい。なるほど!といいたいところだが、実は『トレイン・スポッティング』観てないんですよ、すみません…。

 とツイートしたけれど、『トレインスポッティング』の撮影監督はブライアン・テュファーノ、『ジャッジ・ドレッド』はアンソニー・ドッド・マントルだったので、全く関係なかったです…。

トレインスポッティング [Blu-ray]

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 事あるごとに「え、なんで映画好きなのに観てないの?」と言われた作品。ようやく観たので許して下さい…。

 しかし昔から映画は好きだったつもりだったけど、そこまで必見の作品だと知ったのは大学入ってからだ。というか、なんで皆これを観てるんだろうか?自分や中高時代からの友人を基準に考えると、中学・高校生にとっての映画ってSFやアクションだけだと思ってたんだけどな。*1むしろ僕は大学生にもなってスター・ウォーズ』を観てない映画好きこそドン引きしてたけど、意外と多いんだよね、これも。 

 ってことでね、人の映画鑑賞歴についてはとやかく言うもんじゃないってことが言いたい。自分も含めてだけど、本当に映画好き(ってか映画サークル?)の悪い癖だと思う。

 肝心の内容としては、冒頭で「本当にアンディは妻を殺したのか?」と法廷劇のようなサスペンスを見せつつ、ムショでの様子は人間ドラマたっぷりにキリスト教的モチーフと共に描き、後半で脱獄モノとしてハラハラさせる縦横無尽な作りが面白かった。最後のシーンのカタルシスと感動は大きく、広く支持される作品として納得できた。

 

ショーシャンクの空に [Blu-ray]

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 こんな古い映画だったのか。ブライアン・デ・パルマって相当な歳なんじゃない?

 モダンホラーの古典として楽しめたけど、まず思ったのは変な映画だなぁってこと。校長が三回もわざとらしくキャリーの名前を間違えたり、男の子たちがプロムの服を買いに行く時に不自然に早回しになったり、いじめっ子の女の子がフェラしてる時に普通に会話できてたり。これがデ・パルマ印ってやつ?

 

 ネタバレになるけど、スーの目的も不明瞭だった。いや、キャリーに花を持たせたかったことが分かるんだけど、途中までスーも計画に携わってるのかと思ったよ*2。それだけじゃなく、豚の血を被る悲劇が起きなかったとしても、一晩だけの関係だから結局キャリーが辛いだけじゃんね。トミーも折角のプロムなのに可哀想だよ。つまりこの映画で一番の極悪人はスーだ!!

 

 

 またフロリダで『ローン・サバイバー』上映前の予告編上映中に銃殺事件があったらしい。しかも犯人は元警察官。オバマは2012年に銃規制を掲げたものの失敗、まだまだ銃による悲劇はへらなさそう。

 銃社会を批判するドキュメンタリーなのでもっと重いトーンなのかと思ったけど、娯楽精神溢れる作風が素晴らしい。世のつまらない大半のドキュメンタリー*3には見習ってもらいたいですな。

 単に面白いだけに留まらず、実際に行動して世の中を動かしているのが感動的。マイケル・ムーアに突入される側からしたら傍迷惑な話だろうが、映画の力というものを実感させられた。そしてチャールズ・へストンは猿に食われろ!!

 

ボウリング・フォー・コロンバイン [DVD]

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 豪華出演者人の演技で何とか見れた*4ものの、あとは退屈な会議を延々と見させられるだけ。あの三谷幸喜登場人物が走る→滑って転ぶだけでウケを狙うなんて……。


「清須会議」予告 - YouTube

 「重力表現は素晴らしかった」なんてツイートしてましたけど、ゼロ・グラビティを観た今となっては月とスッポンですな。

 空へ憧れを持つ主人公、地下から地上へ落ちてくるヒロイン、という事で本作は『天空の城ラピュタ』の換骨奪胎版とも言える。典型的なボーイミーツガール。父親が世間では異端扱いされており、その父を亡くして主人公が一人暮らししているのも一緒。

 しかし、『ラピュタ』と比べて問題なのは、敵に魅力が皆無なのだ。独裁監視国家アイガが舞台なんだけど、その描写も極端で、一昔前の(シュワルツェネッガー主演の)SFみたいで古くさい。展開もテンプレみたいなもので新鮮味がなく、クライマックスで敵側の[部下]が[裏切っ]てピンチを乗り越えるのはガッカリした。なんの前触れも無いんだもの。


 ちなみに未見だが、未見だが、『サカサマのパテマ』の設定は今年公開された『アップサイドダウン』に酷似してる。製作時期一緒だしどっちがパクったとかは無いだろうけど。

映画『サカサマのパテマ』予告編 - YouTube


映画『アップサイドダウン 重力の恋人』予告編 - YouTube



 青くない『アバター早稲田松竹で連続鑑賞、すっげー疲れた。(合計276分)しかし満足感は高い。

 とにかくモーナ・ルダオのカッコ良さよ!黙っててもカッコいい、口を開けば名言と、その漢気に鑑賞中はビショビショでしたよ。モーナに死ねと言われれば喜んでこの身を捧げます!

 描写の容赦なさがいい。セデック族は女、子ども関係なく殺す。しかも首を刈って殺す。しかし、それは野蛮だからという訳でなくて、彼らにとって敵の命を狩ることは魂の解放を意味する誇り高いことなのだ。

 

 

 多摩映画祭にて鑑賞。僕が待ち合わせに遅刻した事により、冒頭10分が観れなかった。*5よって☆一つ分は保留で。

 去年は「でも、やるんだよ!」精神に溢れる映画が多かった。他人からしたら無意味かもしれない。理解されないかもしれない。批判もされるかもしれない。でも、俺がやらなきゃ誰がやるんだよ!?そういうひたむきな主人公には無条件で感動してしまう。*6舟を編む』の他、『風立ちぬ』もそうだった。

 

 『風立ちぬ』は本作との類似点は多い。「でも、やるんだよ!」気質の主人公であることはもう述べたが、どちらも寡黙な主人公であり、ひたすら作業に没頭する彼らを横で唯一の理解者である妻が温かく見守る。そして何より、本作では辞書作りが映画作り、『風立ちぬ』では零戦設計がアニメーション制作の代替行為になっている。つまり作り手たちの反映なのだ。だからその懸命な姿に感動を覚えるのだ。

 そして石井裕也松田龍平であるならば、満島ひかり宮崎あおいであり、映画内では仲良く暮らしてて…ってなんだか腹が立ってきた。

 

 

 アジカンが流れる予告編はキモいし、大嫌いな吉高由里子出てるわで、当初観る気が全く起きなかったのだけれども、これがなかなかどうして面白かった。

 表題にもなっている主人公 横道世之介がとにかく魅力的で、彼と関わった多くの人たちが数十年後「あいつどうしてるかなぁ」なんて気になってしまう。観客も見終わった後「あいついい奴だったなぁ」とジワーッと思い返してしまう、誰からも愛されるキャラクターとなっている。

 ところで、父が転勤族だったこともあり、僕は4つの小学校に通った。その度に親友と呼べる人は変わって行った。しかし転校する度に「連絡するよ」なんて可愛らしい約束をしたけれども、新しい家に住んでから手紙なりメールなりを書いたことは無かった

 また、二回目の転校くらいまではお別れ会でウォンウォン泣いてたりしたものの、三回目の転校では全く泣かなかった。三校目の学校は一番中のいい奴も多く、これまでで一番楽しかった学校なのに、泣けなかった。転校のしすぎで、友人との別れに慣れてしまったのだ。

 中高一貫校を卒業しても、あれだけいた友人たちの中で今でも遊ぶ奴は少ないし、浪人時代にできた友人とも合否発表の次の日から連絡はとっていない*7。よくよく考えると友人関係においては僕はドライな人間なんだなぁ。

 いやまあ、僕はそんなクールな人間では断じてなく、どちらかと言うとものすごい寂しがり屋で、今でも大学に友達がいないもんでサークルとバイトだけが心の拠り所になっているのだが、そんなサークルやバイトも卒業してやめてしまえば自然と連絡を取らなくなるのだろうか。

 しかし、例え連絡を取らなくなっても「あいつ面白かったなぁ。今頃どうしてるんだろ?」と世之介くんみたいに思い返してもらえるような人間になりたいなぁ。小学校のあいつらは今何してるんだろうか。

 

 

 これも「でも、やるんだよ!」系列の映画に分類できる。当選する見込みがほぼ無い泡沫候補を主題としつつ、「選挙」というコインゲームに挑む候補者の生き様を描いている。一番の号泣ポイントはやはりクライマックスでのマック赤坂の息子。中盤であんなこと言ってたのにね、これはズルイよ…。

 ぶっちゃけ今までマック赤坂をバカにしてたけれど、『立候補』を観ると心底応援したくなる。大体、毎回供託金300万円払って出馬してる訳だし、冒頭で選挙管理委員会に、メディアでの扱われ方に偏りがあり、選挙に影響するから不平等だと訴えるシーンにはハッとさせられた。新しい政見放送が流れる度に皆「また頭おかしいのが出てきたぞ!」って笑ってるけど、そのマック赤坂自身がそれを見て「俺が見てて面白いんだもん、絶対面白いだろ!」なんて爆笑してるシーンに好感度上がりまくり。

 まあ、こんな僕にも一応信条や思想というのがあるので、今後もマック赤坂に投票することは無いだろうけど、これからはある程度は敬意をもって活動を見守りたい。


映画『映画「立候補」』予告編 - YouTube 


 今月分は以上になります。年始に今年は更新ペースを上げたいと言っていたのに、とんだ体たらくですね。ただ、ちょっと実生活の方が忙しく、どうしても暫くは更新に時間がかかりそうです、申し訳ないです…。

*1:ホラーは怖いから観なかったけど。

*2:単に自分にストーリーを読み取る力が無かっただけかもしれないが

*3:『アース』とか、『アース』とか、『アース』とか

*4:もう少し触れると、ラストシーンの清涼感は好きです。

*5:一緒に行った後輩二人は本当にごめんね…。

*6:もちろん、時には畏怖を覚える。キャサリン・ビグロー作品の主人公とかがそう。

*7:だって僕が落ちたから気まずかったんだもん…。