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殺人紳士養成ホグワーツ!/『キングスマン』★★★

感想 映画

 渡米するときに乗った飛行機内で鑑賞。皆大好き『キック・アス』でお馴染みの原作マーク・ミラー×監督マシュー・ヴォーンの布陣。新人の主演タロン・エガートンコリン・ファレルマーク・ストロングサミュエル・L・ジャクソンマイケル・ケインら豪華俳優陣がサポート。

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 イグジーはロンドンに暮らすDQN。幼少期に父を亡くしてから貧乏で、母の再婚相手にDVを受ける日々を過ごしていた。ある日、仲間をかばって留置所にぶち込まれたが、謎の紳士ハリー・ハートによって釈放される。「イグジー、君のお父さんはスパイだったんだ。」とハリーから父親の秘密を聞かされたイグジーは、父とハリーが所属した諜報組織「キングスマン」(表の顔は仕立て屋さん)の「世界一危険な採用面接」に挑戦するためにスパイ養成学校に通うことになる。

 一方、過激派環境保護論者であるIT企業の社長リッチモンド・バレンタイン(サミュエル・L・ジャクソン)はとある恐ろしい計画を企んでいるのであった…。

 

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 あらすじを読めばわかるが、このフォーマットはハリー・ポッターだ。不幸な家庭で育った少年が、「君のお父さんは実は偉大な魔法使いだった」とハグリッドが迎えに来てホグワーツに入学する展開と同じ。ただしひとつ違うのは、『キングスマン』のスパイ養成学校は初日から死者が出るほどスパルタ式だということ。もはや教官自身が殺しにかかってきており、この地獄の訓練を勝ち抜いたものこそがキングスマンになれるのだ。ちなみにキングスマンを率いるリーダーの名前はアーサー(マイケル・ケイン)で、その部下のコードネームはそれぞれギャラハッド、ランスロットなど『アーサー王物語』の円卓の騎士団を下敷きにしている。

 

 マシュー・ヴォーンは『キック・アス』や『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』でも『007』へのオマージュが見られたが、本作はもろにスパイ映画ということでボンド映画愛が爆発。ナイフが飛び出す靴やジェットパックなどボンド映画にお馴染みの小道具だけでなく、冒頭の演出やバカ丸出し(※褒めてます)の敵組織まで徹底的にボンドらしさを追究。なんなら、昨今のシリアス路線のダニエル・クレイグ版よりもずっと一時期のボンド映画っぽくてファンなら思わずニヤニヤしてしまうこと間違い無し。

f:id:HKtaiyaki:20150605103844j:plain義足がブレードになってる暗殺者・ガゼルちゃん(ソフィア・ブテラ)。こういうバカらしさが一々最高である!

 

 さっきプロットが『ハリー・ポッター』みたいだと書いたが、実はこれスター・ウォーズ』のプロットとも似ている。しがない人生を送っているルーク・スカイウォーカーが師匠となるオビ=ワンに「君のお父さんはジェダイだった」と言われ、一人前のジェダイを目指すのは『ハリー・ポッター』も『キングスマン』も同じ。しかし途中のある出来事によりイグジーがスパイとしての覚悟を決める展開からはむしろグッと『スター・ウォーズ』らしさが増してくる。なんなら後半では宇宙も舞台になるし、何よりマーク・ハミルが出てるんだから絶対にマシュー・ヴォーンは意識してるはず!最近マシュー・ヴォーンが『スター・ウォーズ』のスピンオフ第二弾の監督候補として名前が挙がっているが、これも偶然じゃないだろう。

 

 このように『キングスマン』は、いわば『ハリー・ポッター』×『アーサー王物語』×『007』×『スター・ウォーズ』といった具合の作品で話自体は珍しいものではないが、そこにマシュー・ヴォーンお得意の軽快なリズム&バイオレンスが乗ることで唯一無二の個性が発揮されている。『キック・アス』で殺人少女萌えという新ジャンルを確立したマシュー・ヴォーン×マーク・ミラーは、今回は殺人紳士萌えというまた新たな境地を開拓している。ネタバレになるから詳しくは言えないが、特に教会でのアクションシークエンスとクライマックスの花火には狭い飛行機内だというのに思わず爆笑してしまったほど。

 

 ただ一つ残念だったのはこれを座席に取り付けられたちっちゃな画面でしか見れなかったことで、これから日本で劇場公開されるのが羨ましくてならない。日本にいる皆さんには是非僕の分まで大スクリーンで堪能していただきたい!


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