※本来この企画記事は数日おきか1週間おきに書こうと思っていたのですが、思ったよりも留学生活が忙しく書く機会が全然ありませんでした。日誌としては全く機能しなくなりましたが、まあこれからはこんな感じでやっていきたいと思いますので宜しくお願いします。「でも映画の感想は書いてたじゃねーか」ってツッコミはやめてください、うちは一応映画ブログです!
5月25日に旅立ったので、こっち来てから1ヶ月が経った。実際には時差の関係で正確には違うんだろうが、ともかく色々と生活に慣れてきた。そして色んな現実が見えてきた。
ジョーンズボロ
前も言ったが、アーカンソー州ジョーンズボロはあまりに何もないため地元の人からはジョーンズボーリングと呼ばれている。更に宗教上などの理由から酒の販売が禁じられている、全米でも2%しかないドライシティで、これが思った以上に精神的にキツい。まあ、ただ酒が飲めないなら良いんだけども、僕たち日本人学生は規則のため1年間は車の運転を禁じられている。ちなみに、一番近い映画館までは歩いて一時間以上で、酒よりもこれを聞いた瞬間に気が狂いそうになった。
ジョーンズボロ、というかアメリカの田舎は恐ろしくモータリゼーションが進んでいる。自転車に乗る人も歩く人もほとんどいないので道路は長いこと整備されておらず、路側帯もなく横断歩道は消えかかってる。店が一軒一軒バカみたいに離れており、どこに行くにも車が必要で、運動もしないから肉中心の食生活も相まってデブばっかり。まるで町山さんのアメリカコラムみたいな話だが、本当にその通りだった。
初めて映画館に行った日はタクシーを利用したがまたこれも最悪で、絶対に時間通りには来ないし態度は悪いし、一回初めてできたナイジェリア人の友達と映画館に行った日の帰り*1には2時間経ってもこなくて、ストレス溜まるわ19:00になっても太陽は沈まなくて暑ついわ会話はもたねーわで精神的に参り、相当色んな人に電話したり迷惑かけたりして結局免許を持った日本人の先輩に無理を言って迎えに来てもらうプチ騒動が起きた。*2二度とタクシーは信用しねー!!と散々懲りたので、翌日ウォルマートで即自転車を購入。以後毎週映画館まで命がけのデスロードを30分漕いで2本くらい見て帰る映画生活を送っている。
今日の戦利品 pic.twitter.com/pZgOsRSgHU
— Taiyaki (@HKtaiyaki) June 6, 2015
食料品もBDもチャリもライフルも取り扱ってる、これがウォルマート
— Taiyaki (@HKtaiyaki) June 6, 2015
ただ、アメリカの田舎(特にアーカンソー州が属するバイブルベルト)って保守的な人間ばかりで怖いかと思いきや、逆に優しい人が多くて驚く。例えば初めて映画館に行った日、本当はバスに乗ろうとしてバス停まで歩いてその道中雨が降り始めて困ってたところ、一台の車が停まって「大丈夫か?」と声をかけてくれた。それどころか「行きたいところがあったら乗せてあげるよ?」とまで言われたが、こっちは人数が多かった上バス停までは目と鼻の距離だったので断ってしまった。
さらにバス停に着いて近くのウェンディーズにバスの時間を聞こうとすると今度は「週末にバスは走ってない」と店員に言われてズッコケる。慌ててタクシーに電話をかけると「そこに着くまで1時間かかる」とのことでもうスケジュールがボロボロ。改めてウェンディーズにここで待って良いか聞いたら「もちろん」と答えてくれて、申し訳ないのでそこで昼飯を食べたらなんとコーヒーを人数分サービスしてくれた!これがキリスト教における「隣人愛」ってやつだろうか、とにかく助かった。
映画
まず何と言っても安い。なんと一本8ドル*3!!夜と3Dは追加料金がつくがそれでもそれぞれ9.15ドル、12ドルだ。しかし、天国じゃん!と喜んでいたら他国の留学生に驚かれる。例えば、メキシコはドル換算して3ドル、ナイジェリアはなんと2ドルくらいだそうで、彼らにとってこっちの映画館はかなり高く感じるらしい。もちろん地域によって値段が違うそうが、高い都市部でもやはりドル換算で8ドル程度。逆に日本の映画料金を教えてあげると「WHAT!!??」と驚愕される。世界一高い日本の映画料金の方が異常なのだ。ちなみにさっき「もちろん地域によって値段が違う」と書いたが、日本は都会だろうがど田舎だろうがシネコンだろうがミニシアターだろうが全部基本料金は一律¥1800。これって立派なカルテルじゃん!と思うが、長いことこんな感じなのにお咎めが一切無いのは不思議だ。そりゃ映画ファンも育ちにくいよな、鶏が先か卵が先かは分からないけど。
そして早い!というか産地直入だから当たり前だけど、ハリウッド映画が公開されたらすぐ見れるのは嬉しい。もちろんコメディ映画がDVDスルーや配給会社によるバイオレンス描写の勝手なカットなんて心配も、どこぞの国みたいに酷いセンスのプロモーションにイラつくストレスも一切なし!Twitterで公開の遅さやプロモーションに対する炎上騒ぎが起きるたびに高みの見物をしちゃう嫌らしい一面もあるのだが、でも不満は無いわけでは無い。
まず、映画館の選択肢がほぼ無いこと。やはり田舎なので話題作しか入っておらず、入れ替わりも激しい。なのでちょっと不入りだとすぐ打ち切りなんていうのもザラで、車が無いと他の映画館にもいけないから結構見逃してしまう作品も多い。そして外国映画も観れないし当然ながら話題の邦画が見れない。特に町山信者と細田守信者の僕としては『進撃の巨人』と『バケモノの子』が観れないのは痛すぎる。また留学期間中に公開が予想される話題作としては『ゴジラ』や『エヴァ』があるし…。こればかりは逆に「お前ら叩けるだけマシだろ!!」とツイッター越しに唇を噛むしか無い。
あとちょっと一回衝撃だったのは午前中に映画館が開いてないこと。『マッドマックス』がそろそろ終わっちゃうっていうんで、二回目を見に行こうとしてネットで時間を確認したら「10:00」って書いてあったからウキウキ早起きして出かけたら映画館に鍵がかかっていた。「はあ、なんで!?」と思ってもっかい映画館のウェブサイトをよく見たら「10:00pm」って書いてあった。こっちって12時間表記なのかよ!!というのも驚いたが、休日の朝に映画館やってないってのも二重に驚き。最初は日曜日でみんな教会行くからかと思ったけど、平日も土曜日も午後しか空いてないので関係なかった。それにしたって、休日なのにショッピングモールまで閉まってて、昼までの時間の潰し方に本当に困った。本当にジョーンズボーリングだよ!!
大学生活