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まるで彫刻のような美しさ/『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』★★☆

感想 映画

 先日感想を書いた『マッド・マックス 怒りのデス・ロード』*1と同日に鑑賞。監督は前作に引き続きジョス・ウェドン。ロバート・ダウニーJr.、クリス・エヴァンス、クリス・ヘムズワーズ、マーク・ラファロ、ジェレミー・レナー、スカーレット・ヨハンソンサミュエル・L・ジャクソンといったお馴染みのオールスターキャストに加え、アーロン・テイラー=ジョンソンエリザベス・オルセンら新キャストが参入する。

※いかんせん渡米したばかりの時期に英語で観たので100%理解できてるかは分かりませんが、大筋は分かったつもりでいます。なおネタバレはありません。

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  東欧で人体実験を行うヒドラ残党からロキの杖を奪還することに成功したアベンジャーズの面々。しかしその杖に埋められていたインフィニティ・ストーンの中に人工知能を発見したトニー・スターク(ロバート・ダウニーJr.)は、世界規模の防衛システムである「ウルトロン計画」を開発するが、「地球を救う」ことをプログラムされたウルトロンは人類を根絶するのが最も適した解決案だとたどり着き、ついにスタークの手を離れ暴走する。その是非をめぐり、アベンジャーズの面々の間に亀裂が入るのであった。

 

 まず思ったのは、ジョス・ウェドンは相当苦労したんだろうなぁ…ということ。前作『アベンジャーズ』の面白さは『七人の侍』的に決して交わるはずのないヒーロー達が反目しながらも徐々に集結していき、次第に仲間意識に芽生えて巨悪と戦う熱さにあった。しかしせっかく前作で団結してみせたのに、『エイジ・オブ・ウルトロン』でのアベンジャーズはごちゃごちゃと揉めてまとまりを欠き、もどかしさを覚える。

 

 もちろん、ここでジョス・ウェドン、というよりはマーベルの念頭にあるのは来年5月公開の『キャプテン・アメリカ シビル・ウォー』である。来るキャプテン・アメリカVSアイアンマンという胸熱な対戦カードに向けて布石を置こうというわけだが、本作は1本の作品というより「続編のための続編」という印象を与えてしまってどこか窮屈に感じてしまった。この窮屈さはクロスオーバー要素を前面に出した『アイアンマン2』によく似ている。この時スタジオからの注文と作家性との板挟みジョン・ファヴローがどれだけ悩まされたかは『シェフ 三ツ星フードトラック』を見ればよくわかる。そういえば、エドガー・ライトが去年『アントマン』から降板したことも話題になった。世界観を大切にするが故の、マーベルスタジオが抱える問題点というべきか。

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 とはいえ、ハルクVSハルクバスターなど視覚的には楽しい仕掛けが次々と続き飽きる暇は一切与えず、再び巨大すぎる力が一同に集結するクライマックスはとても熱い。今回アベンジャーズが人命救助を優先するのもまさにヒーローたるものを体現しているし、その点について『キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー』から改善しているのは素晴らしい。前作では長回しによりアベンジャーズのまとまりを表現していたが、今作のクライマックスでスローモーションを駆使した見せ方はまるで彫刻や絵画を見ているような美しさがあった。見せ方についてこだわる監督ほどアメコミ映画とは相性がいいのに、そのウェドンが本作で降板するのは実に惜しい…。なにはともあれ、お疲れさまでした。

*1:

taiyaki.hatenadiary.com