アメリカの映画館で『バック・トゥ・ザ・フューチャー』30周年記念上映を観てきた。/『BTTF』3部作★★★

 映画ファンにとって2015年10月21日は大変ヘヴィな日だ。もちろん、マーティとドクが30年前からタイムトリップしてきた日だからだ。30周年記念BDBOXが発売された他、アメリカの映画館では1日限定で『バック・トゥ・ザ・フューチャー』3部作上映が行われた。『スター・ウォーズ』『インディ・ジョーンズ』『ジュラシック・パーク』と並んで幼少期の僕を育ててくれた作品の記念日に立ち会うべく、地元の劇場に足を運んだ。

f:id:HKtaiyaki:20151022143559j:image

  『BTTF』3部作は家にVHSセットもDVDセットもあり、留学してからはBDセットを買い直すくらい大好きなシリーズで、もはや何回観たかを数えるの不可能である。しかし、劇場の大スクリーンで見るのはどの作品も今回が初めてだ。平日のど真ん中ということもあるだろうが、近所のシネコンは一番でかいスクリーンをこの特別上映に当てるという粋なことをしてくれた。

 

 もうTwitterでもこのブログでも何度書いてきたか分からないことだが、どんな大型のテレビだろうと家で映画を観るのと、どんな小さなスクリーンだろうと劇場で映画を観るのでは、もはや別次元の映画体験である。ということを改めて確認させてくれたのが今回の特別上映だ。そういった意味では僕は今まで一度も『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を観たことがなかったと言っても過言ではないだろう。

 

 もちろん、大きな画面でこそ気付いた細かい発見などもある。しかしそれ以上に素晴らしかったのは、観客の、それもアメリカの観客の反応である。当然ファンばかりなのでほとんどの客がセリフも暗記するくらい観ているだろうが、ギャグの場面で爆笑し、歌が流れれば歌詞を口ずさみ、いい場面では歓声が上がり、エンドロールに入ったら拍手が起きる。各作品間の休憩時間ではどこのシーンが良かったかで盛り上がり、ロビーにはコスプレした客もいる。そして旧来のファンだけではなく、親に連れられた子ども達が心の底から楽しんでる反応も上映中に聞こえた。 f:id:HKtaiyaki:20151022150928j:image

▲劇場で見かけて「最高!ブログに載せていい?」と聞いたら「もちろん!」と答えてくれたオーサムな三人組。

 

 バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズがどれだけ人々に愛され、映画を超えてポップアイコンと化しているかを実感し、あまりの多幸感に最初から最後まで涙が止まらず、6時間ずっと泣きっぱなしだった。下手に3D化されてもいないし、新作でもない。4DXやIMAXという鑑賞環境でもない。しかし現時点で人生最高の映画体験だったと断言できる。秀れたシリーズが傑作たり得るのは、金を集める為に無駄に話を作り続けるからではなく、完結した物語と世界観を作り手と受け手が双方愛を持って接し、次世代に受け継いでいるからだ。ということを、どこぞの宇宙活劇の権利を所有する映画会社に伝えたい。*1

 

 『part II』の上映前にはカルバン・クラインの記念CM、ホバーボードと『ジョーズ19』の嘘CM、30周年記念BDBOXのCM、そしてドク・ブラウンからのメッセージが特別上映され、これも大変盛り上がった。特にドクからのメッセージは既にYouTubeで公開されたものと同じ*2でもうアホかってくらい観てたのに、やっぱり劇場で拍手が起きてそれだけで号泣してしまった。というわけで、ただの映画鑑賞を超えた歴史的瞬間を目撃できたことを誇りに思うし、これから何十年先も自慢していきたいと思う。惜しむらくは、標準時刻の関係で、実際の劇中時間からは2時間の時差があったことかな!