ヤケ酒

 更新が乱れていることからも分かるように、最近精神的におかしい。男には酒を飲まずにはやってられない日がある、ということで、昨日書いたように親友の大学卒業祝いパーティにかこつけて酒を浴びるように飲んだ。

 

 問題だったのは、親友はメキシカンだということで、ガンガン度数の高い酒(主にテキーラ)が出てくる。杯が乾くたびに酒好きの親友の親父さんがテキーラを注いできて、周りから煽られて一気飲み。

 

 一次会は親友の家族が経営するレストランで行われたが、二次会はダンスクラブへ。そこにまた酒の強いロシア人の友達がいたりして、またもやテキーラ気がつけばステージで人前で踊っていた。 30分くらいしたら親友が「たいやき、次行くぞ」という。「どこへ?」「メンフィスにストリップクラブに行くぞ!

 

 日本でもいわゆる風俗店へ行ったことがなかったので素面だったら躊躇したろうが、昨晩はヤケで飲んでいたのでどうにでもなれと意気揚々と深夜のハイウェイに乗る。映画みたいにちゃんねーにドル札ばら撒くのかぁ、とワクワクしてお金もおろし、2時間かけて一番近くの都会であるテネシー州メンフィスへ行く。

 

 ピンクの看板が立つストリップクラブへ到着。ワクワクして中に入ろうとすると黒人のデカイボディーガードにIDの提示を求められる。唯一持っていた仮免許証を見せると、「なんだその紙きれは」と入店を断られる。「ハア?」と酒が入っていたこともあって頭にきて、「これ立派なアーカンソー州政府発行のID書類なんですけど!」と詰め寄ると、「ダメなもんはダメ」と聞いてくれない。「他にIDはないのか?」と聞かれたので釣りの免許証*1を見せても鼻で笑われる。

 

 一緒に行ったサウジアラビア人はパスポートを持っていて、「こいつみたいにパスポートを持ち歩く脳はねーのか」とか言われて、「あのなぁ、普通パスポートは持ち歩かないでしょ!この仮免許書でいつもバーに入って飲んでるっつーの!」と言ってもてんでダメ。車で2時間かけて入れないのは仲間に申し訳なかったので、「もういいよ、俺一人で車の中でえてるから楽しんできなよ」と言うと「いやあ、ここはメンフィスだからそうもさせられないよ」と親友は言う。テネシー州メンフィスは全米でも五本の指に入る治安の悪い地域なのだ。

 

 結局どうしたかというと、近くの深夜営業のメキシコ料理屋でタコスを食べて帰った。仲間から「No tities tonight...(今夜はおっぱいなしか…)」と落胆の声が聞こえてきたので「本当に申し訳ない…」というと親友は「気にするなよ、日本人みたいな態度やめろよ」と笑ってくれた。

 

 そんなこんなで今日は半二日酔いみたいな気分で過ごしている。

*1:動物保護の観点からアーカンソー州では釣りをするのに免許がいる。しかしよくよく考えるとメンフィスはテネシー州なので、免許が効かないのもわからなくもない。