イギリスのEU離脱で本当に喜んでいるのは映画ファン

 まさかの事態になりました。

 こんな歴史的な転換点に立ち会うことになったとは。ドナルド・トランプの台頭と同じく、世界の保守化の波に乗った出来事であり、これからこういった事例はどんどん増えていくでしょう。

 

 さてさて、イギリスのEU離脱で喜んでいるのは右派や労働者階級だけではありません。この状況を喜ぶ日本の映画ファンは少なくないはずで、事実早速TwitterのTLでも何名か歓喜している方を見かけました。いえいえ、何も彼らに政治的な思想があるわけではありません。何故なら円高により洋盤のDVD・BDが安くなるからです。

 

 

 例えば、先月のドル円の平均相場は1ドル=109.0622円でした。それが今回の投票を受けて一時期急騰して1ドル=99円にもなりました。一ヶ月の間で1ドルあたり10円もの差があります。(現在は落ち着いて102円台)

 

 日本でソフトを買うよりもアメリカで買ったほうが遥かに安い作品があります。特にアニメ作品に多いです。具体例を挙げると、細田守の『おおかみこどもの雨と雪』。日本盤だとプライム割引でも4260円のところ、

おおかみこどもの雨と雪 BD(本編1枚+特典ディスク1枚) [Blu-ray]

おおかみこどもの雨と雪 BD(本編1枚+特典ディスク1枚) [Blu-ray]

 

  洋盤だと$20.19(約2034円)!2000円以上もお得になっています。

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 僕自身、こちらのブログ記事を参考に、5年前1ドル=約80円(すげーな)だった時代にヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』のBDを930円で買ったこともありました。日本だと4000近くするのに!

 

 また、洋盤を買うメリットはアニメだけではありません。日本版には収録されていない特典が洋盤にはついている可能性があります。例えば日本では不当な扱いを受けているコメディ作品は、洋盤のほうが仕様が豪華だったりします。『21ジャンプストリート』の日本盤には一切特典が収録されていませんが、洋盤には音声解説や未公開シーン集も収録されています。値段も日本版だと1500円、洋盤だと$8.82(約901円)と段違いです。

 

 更に、洋盤の世界は奥深く、日本では絶版になっていたり未発売の作品もあります。石井輝男のカルト映画『江戸川乱歩全集 恐怖怪奇人間』は何故か米盤でしか手に入ることができません。また、本作には英語ですが町山智浩さんの解説がついています。

 

 世界中で話題を呼んだ北朝鮮映画『The Interview』も洋盤なら$8ドル以下で手に入ります。

 

 日本で発売されているソフトでも、海外盤ジャケットのほうがかっこいい作品もあります。特にクライテリオン社のジャケットはどれも秀逸です。

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▲『修羅雪姫

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▲『7人の侍』

 

 ということで、世界状況的には今後も波紋を呼びそうなEU離脱ですが、洋盤狙いの映画ファンは今がお買い時ではないでしょうか。