#LoveForLeslieJ

 また『ゴーストバスターズ』の話かよ!と思われそうで申し訳ないが、こんな状況になって黙ってられるかってんだ。

 記事を要約すると、『ゴーストバスターズ』に出演したレスリー・ジョーンズがTwitterで不特定多数のユーザーからヘイト攻撃を受け、レスリーがツイッター引退宣言をしてしまった、というもの。レスリーのツイートを見ると、これらの攻撃は本当におぞましいものだ。

 

 猿と呼ばれ、ケツの写真を送られ、私の顔に精液を合成した写真まで送られた。人間の意味を探ろうとしている。もう疲れたわ

 

 たった一本の映画のために、どうして人間はここまで酷くなれるのか、ただただ理解に苦しむ。

 

 このツイートの後も荒らしは加速し、レスリーに対して非人道的な差別ツイートを送り続けたが、レスリーはひたすらそれらのツイートをRTし続けた。一部のユーザーは「荒らしになんか反応したら火に油だよ」と自業自得だと非難したが、何もレスリー・ジョーンズが荒らしの被害にあっているのは今に始まったことではない。ゴーストバスターズ』の制作が発表されたときから彼女と監督のポール・フェイグは誹謗中傷され続け、それに堪えてきたのだ*1。もう我慢の限界だったのだろう。

 

 中には、レスリーのツイートをPhotoshop加工し、あたかも彼女が差別主義者であるかのように模した、手の込んだ非道極まりないツイートまであった。

  心ないユーザーはこのコラ画像を根拠に「この差別主義者が!説明しろ!」なんて叩いていて、冗談にも皮肉にもなっていなくてただただ寒気しかしてこない。

 

 こうした手に追いきれないほど膨大な悪意あるツイートについにレスリーは折れてしまって、Twitterを引退宣言してしまったのだ。

私は今夜涙と傷ついた心をもってツイッターを離れます。これも全て私が映画に出たから始まった。映画は嫌いになっても構わないけど、私が今日受けた仕打ちは…間違っている。

 

 人を笑わせることを生き甲斐とするコメディエンヌを泣かせることほど惨いことがあるだろうか。この世のどこにでもいるバカの多さには本当に落胆させられるし、怒りすら覚える。

 

 「今回の『ゴーストバスターズ』騒動をミソジニーに結び付けられるのはうんざりだ!俺たちは幼少期を汚されたから怒っているんだ!」というのは本作叩きの人間がよくする主張である。だが、これを差別と言わずしてなんと言おう。*2こんな理不尽な叩き方をしているのに「予告編のジョークがつまらないから」なんて笑わせてくれる。*3

 

 僕は今まで散々新『ゴーストバスターズ』を擁護してきた。その理由を考えると、僕は『ゴーストバスターズ』が好きというよりも、ポール・フェイグやメリッサ・マッカーシーら、本作に関わっている人たちの仕事を愛しているからだと思う。結果を必ず出せる才能ある人間が不当な仕打ちを受けるのは見ていられないのだ。だからポールや彼女たちが悲しい目にあうと自分のことのように辛くなってくる。

 

 さて、今回の騒動を受けてポール・フェイグはこんなツイート*4をしている。

レスリー・ジョーンズは私が知っているの中で最も素晴らしい人の一人だ。彼女への攻撃は私たち全員への攻撃だ。 

 まさにそうだ。レスリーのために、ポール・フェイグのために、『ゴーストバスターズ』のために、誰の耳に入ろうとなかろうと僕はこれからも支持を表明していく。

 

Who you gonna call?

(THE NEW) GHOSTBUSTERS!!! 

*1:他のキャストはSNSを活用していなかったので、特にこの二人がはけ口として叩かれ続けてきた

*2:ゴーストバスターズ』に限らず、『マッドマックス』がフェミニズムに寄りすぎているだとか『フォースの覚醒』の主役が黒人なのは許せないだとか、映画ファンにはきっと差別主義者が多いのだろう。悲しいことに。

*3:作品が好きすぎるあまり嫌悪を抱く、というのは実は誰にだってあると思う。僕も『SW』や『ゴジラ』が大好きだからこそ予告編が出るたびにギャーギャー騒いでいる。でもそこには必ず線引きがあり、本編観ずにレビューサイトに低い点数つけたり関係者に不快なツイートやメッセージを送るなんてもってのほか。そして今回の騒動ではそもそも叩いてる連中にオリジナルの『ゴーストバスターズ』ファンはいるのか?とすら思う。

*4:ポール・フェイグのツイートを契機に#LoveForLeslieJが今Twitterで大きなムーブメントとなっている。