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お騒がせして謝る文化

アメリカ 雑記

 昨日の話の続きね*1

 

 うちの大学のイメージキャラクターはレッドウルフで、例えばアメフトの試合なんかで得点が決まると学生たちは手をキツネの形にして(いや狼だけど)空に掲げて狼の鳴き声を真似する。これを「ウルヴス・アップ(Wolves Up)」といい、愛校心の強い学生なんかは写真を撮るときもその手の形を作る。

 

 で、本人たちが可哀想だから写真は載せられないが、昨日洞窟から無事保護された泥塗れの日本人学生たちを大学の広報が写真を撮って公式フェイスブックに載せた。その時彼らは助かった安堵の笑みを浮かべてその「ウルヴス・アップ」の狼の形を作っていた。あの騒動の後でなんとなくちょっと気の抜けちゃう微笑ましい写真で当然いいね!やシェアを集めまくってる写真なんだけど、とある日本人ユーザーが「色んな人に迷惑をかけてるんだからヘラヘラすんな」とコメントを残してるのを見つけた。彼だけでなくても、実際知ってる日本人学生が「迷惑かけといて何笑ってんの」って怒ってるのも聞いた。

 

 でもさあ、こんなの広報のフォトグラファーが写真撮るときにサイン作るように頼んだに決まってんじゃんね。無事を伝えるニュースなのに、世間にご迷惑をかけて大変申し訳ございません、なんて泣いてる写真を載せられるわけないでしょ!写真についた大学側からの説明文も「Greatest WOLVES UP ever(史上最高のウルヴス・アップ)」と褒め称えられたものだったし、アメリカ人のコメントも大半は彼らの無事を喜ぶものだった。別に彼らだって迷いたくて迷ったわけでもなかろうに。しかし、日本人にとっては「世間をお騒がせ」してる癖に笑ってるのはどうも癪に触るらしい。

 

 と彼らを擁護したいのも、僕も忍者の映画撮影をテロリストと間違われて通報された時*2に体験したが、僕のアメリカ人や留学生の友達は笑い話にしたり、からかう人や逆に心配してくれる人が多かった*3んだけど、一部日本人学生たちからは「多くの人に迷惑をかけるなんて恥ずかしい、もっとちゃんと考えてから行動しろ」と怒られた。そりゃ、ちょっと配慮はなかっただろうし、怖がらせたことは申し訳ないし反省もしてるけど、何度も主張しているように僕たちは学生規則は何一つとして破っていなかったし、武器(と間違われるようなものすらも)携帯していなかった。僕らは怒られてしかるべきだけど、じゃあよく確認せず通報した側はどうなのよ?散々警察や学部の教授に注意を受けた後にまたよく事情も知りもしない日本人学生から色々言われるのは正直言って鬱陶しかった。

 

 個人的な体験談に終始してしまったが、例えば今年に入ってから炎上している芸能人たちもそうだよね。ベッキーが「世間をお騒がせして申し訳ありません」って謝ってたけど、謝るのは相手方の奥さんだけで良いじゃん。極め付けは浮気報道の乙武さんの嫁で、彼女は被害者なのに旦那が「世間をお騒がせ」した事について謝罪していたけどここまでくると意味不明だ。今回に似た件で言うと、去年ヨットで遭難して救助された辛坊治郎も謝っていた*4。お騒がせって言ったって、事件やゴシップが起きる直前まで彼らのことなんか気にもかけてなかった人たちがギャーギャー騒いでるだけなのにね。部外者ほど声を大にしたがる。

 

 なんかとにかく波風が立つことを嫌うすごく日本人的な、よくいえば謙虚な、悪く言えば事なかれ主義みたいなものを感じる。逆に世間を騒がせなきゃ罰せられないのかっていうね。ちなみに例の男の子のFacebookを見たら英文で人々に感謝しつつも全く謝罪はしていなかったので、僅か留学2ヶ月目にしてアメリカナイズされてるなと感心した。え、僕の場合?超長文で謝罪ポストをしたよ!悪かったな日本人で!

 

 

*1: 

*2:何度も引用してるがこちらです。

*3:とはいうものの、まあ流石にこれは大学のフェイスブックのコメントを見ると怒ってたアメリカ人も幾分かいた。

*4:まあ、辛坊治郎の場合は自己責任論がブーメランで帰ってきたってのはあるけどね