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大統領選挙と僕の1日

アメリカ ニュース ファックユー 日常 政治
  • ここ最近撮影と課題で忙しかったが、どうしても今日までに読んでおきたかった町山さんの『さらば白人国家アメリカ』をずっとKindleで読み進めていた。
    さらば白人国家アメリカ

    さらば白人国家アメリカ

     

     

  • 僕は熱心な町山信者であるので、町山さんの本はほとんど読破しているし、割と町山さんがいうことは全て鵜呑みにしていた。これまでの「言霊USA」シリーズやラジオ、アメリカ特電などでもトランプの人気の秘密は幾度も説明されてきていたが、あくまで「本選で勝つのはヒラリー」というのが町山さんが繰り返し述べて来た予想だった。
  • 実際に所謂バイブルベルトであるアーカンソーのド田舎に住んでみると、まさに町山さんが著書の中でこれまで述べて来たことを肌で実感する。1年も住めばキリスト教原理主義者や白人至上主義者の偏狭な思想や差別意識を日常風景として捉えるくらい慣れてしまった。実際、彼らはほとんどドナルド・トランプ主義者であった。
  • ただ、僕の大学とその市が面白いのは留学生の多さが特徴的な大学でもあるので、白人しか住んでいない地域にポツンと多様性を帯びたジョーンズボロ市がある。そんな場所では案外とリベラルな学生も多く、「トランプなんかクソ食らえ!」と中指を立てる白人学生もいたので別にフラタニティのパーティーで「トランプは私のパパ♡」なんて着てるバカ学生が居ても気にもとめて居なかった。*1
  • 朝登校すると、駐車した車から出て着た学生が車窓に「America deserves better than Hillary!(ヒラリーより相応しい人をアメリカに!)」とプラカードを貼り付けて居て「ははは、本当にこれだから南部の人間は」と正直バカにしていた。
  • 授業のない時間はひたすら『さらば白人国家アメリカ』を読書。いつものように主に共和党の問題点を批判し、そしてドナルド・トランプが生まれた背景を前回の選挙直後から仔細に書かれている。
  • しかし結局開票までに読み切れず、友達の撮影をお手伝い。17:00集合で、監督の女の子(アイルランド人)が部屋で始まったばかりの開票特番を見ていた。「アメリカ人じゃないけど、いてもたってもいられないの!」彼女はソワソワしてそう言っていたが、その気持ちはよくわかるし、実際にTwitterを見ると日本人の大半もそんな気持ちだったろう。
  • 東部州から順番に開票していき、最初はトランプが圧勝。唖然としている女の子に対して「本当に大事なのは激戦州の結果だから」「子供選挙の結果ではヒラリーがかってるから大丈夫」などとまんま町山さんからの受け入りを得意げに話していた。実際、不思議なことに僕は全く心配していなかった。
  • 撮影が終わり、晩飯を食べに食堂へ向かう道中でドナルド・トランプの話をしていたらトランプ支持者だと思われてしまったのか、通りすがりの黒人の女の子に「FUCK TRUMP!!」と叫ばれてビックリした。よほど嫌われているのだなぁ…。こちらもトランプ支持者と思われるなんてまっぴらだ!と「Yeah, fuck him!」と返答したらその子は満足げにニンマリとしていた。…いやあ、それもそれで怖いんじゃなかろうか!ある意味でファシズムじゃん!*2

     

  • 食堂でテレビ見てるとヒラリーが逆転したりトランプが再逆転したりだったが、晩飯から帰って来るとトランプの票数が圧倒的で呆然とした。せめて結果が出るまでなんとか読み切らねば!と『さらば、白人国家アメリカ』を再開。同時に町山さんがニコニコで中継をしているのを見つけたのでながらで聞いていた。
  • 『さらば、白人国家アメリカ』でもトランプが「本選で勝つことはないだろう」と度々述べられていたし、実際執筆時のアメリカの空気感はそんな感じだったはずだ。僕も授業で先生がトランプの名前を出すと誰もが鼻で笑う声が聞こえた。ところが、僕が本を読みきるとトランプの勝利は確実なものになっていて町山さんも熱狂的なトランプ支持者に囲まれて困惑していた。それくらい今回の選挙は誰にも読めずショッキングな結末であった。
  • 僕が怖いのはドナルド・トランプが大統領になる、ということよりもこんな人たちが今のアメリカの大多数、という事実の方だ。

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  • しかし、考えても見れば今年の参院選、フィリピンのドゥテルテ大統領、ブリグジットなど、横の線で見れば世界がどんどん保守化してきていて、そこでドナルド・トランプが大統領に選ばれるのはある意味当然のことであったのかもしれない。多様性を象徴にした国でグローバリゼーションはピリオドを打たれた。
  • その一方で円高のためAmazonで洋盤DVDを買い求む映画ファンはトレーダーよりもつくづく業深い生き物なのだなぁとTLを見ながら改めて実感したのであった。*3

*1:

*2:

 少なくともオバマは嫌いな態度だよね。

*3: