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気持ちいほどハイテンションな犯罪映画

 告知しているように、現在発売中の『東京グラフィティ』12月号に「狂気が気持ちいコメディ映画」というテーマで原稿を書いた。

Tokyo graffti(トウキョウグラフィティ) 2016年 12 月号 [雑誌]

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  しかし実はこの前に別のテーマで原稿を提出したのだが、他の方とテーマが似通ってしまいボツとなって新しく描き直したのだった。でもせっかくなのでそのボツ原稿もこちらに載せておこうと思う。(『東京グラフィティ』編集部さんから許可はいただきました)

 

太陽を盗んだ男

太陽を盗んだ男 [DVD]

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 昨今不祥事を起こした著名人に対する炎上が顕著である。人がそれほどまでに悪事を嫌うなら何故犯罪映画というジャンルが成立し人気を持つのだろうか。それは一般人がまず関わることのない「犯罪」という「非日常性」に魔の魅惑があるからではなかろうか。特に自主製の原爆で日本政府を脅迫するジュリーほど日常を逸脱してしまった男として格好いいものはなく、彼の思うままに日本が変えられていく様に観客は快哉を叫ぶのである。

 

『新仁義なき戦い 組長の首』

  深作欣二×菅原文太の『仁義なき戦い』シリーズは邦画を代表する傑作であることは言わずもがなだが、同コンビの『新仁義なき戦い』シリーズは知名度が低い。特に2作目に当たる本作は完全に創作であり、実録路線を期待する従来のファンには確かに肩透かしだったかもしれない。しかし、完全創作だからこそ振り切っている深作演出はシリーズでも屈指の躍動感で、菅原文太の脂が乗った演技と相まってアドレナリンを高めてくる。

 

冷たい熱帯魚

冷たい熱帯魚

冷たい熱帯魚

 

  実在の連続殺人事件を映画化するとなると、殺人者を演じる役者にも異常性が求められる。本作で連続殺人鬼の熱帯魚店経営者を演じたでんでんはタガが外れて明るい。眼前に起きていることは凄惨なのに、でんでんの壊れたパワフルさに思わず笑ってしまう。しかし、実在した事件や被害者の死無しにはこの映画は存在できず、そう言った意味では不謹慎や背徳感へのゾクゾクとした気持ちよさもまた犯罪映画が持つ魅力の一つなのであろう。

 


 洋画だったら『フレンチ・コネクション』『ミニミニ大作戦』『グッド・フェローズ』『カジノ』『スカーフェイス』『ワイルド・スピード MEGA MAX』『ウルフ・オブ・ウォールストリート』『ナイトクローラー』あたりを選んでたと思う。