初めて観たのは大学一年の時だからもう6年経つのか…。今年続編もやるし、なんとなく再見。
SF映画のベストテンを取ると必ず上位に来るSF映画の金字塔である。その評判だけが先行したためか、期待値に反して初鑑賞時はそこまで面白さが分からなかった、というのが正直な所。そして今回久しぶりに見返して観たのだけれども…やっぱりこの映画僕はあんまり好きじゃないかなぁ。わわ、言ってしまった、『ブレードランナー』はコアなファンが多いからこれ言うの結構勇気がいるんです…。
いや、やっぱりサイバーパンクの走りとなった退廃的な都市描写は素晴らしいし、フィルムノワールを再現した黒みとかも非凡な点はいっぱいある。ただ、物語としてはあまりにも淡々として盛り上がりに欠けていて、町山さんの名著『ブレードランナーの未来世紀』などのサブテクスト抜きに面白いというのは、僕にはちょっと無理。
なんでこの映画ここまで平坦なんだろう?と考えた時に、やっぱりデッカードの動機が伝わってこないため、感情移入しにくいからだと思う。ヴァンゲリスのサントラも鯨の鳴き声を繰り返しているみたい*1でちょっと退屈。前から言ってるけど同じリドリー・スコットなら『エイリアン』、フィリップ・K・ディック原作映画なら『トータル・リコール』の方が僕はずっと好き。そう、要するに僕はバカなんですよ!
ただ、このハリソン・フォードの省エネ演技については先述した町山さんの本でも指摘されており、実は『ブレードランナー』に隠されていたテーマとも密接に関わっていることが分かり、目から鱗がボロボロ落ちます。
〈映画の見方〉がわかる本80年代アメリカ映画カルトムービー篇 ブレードランナーの未来世紀 (映画秘宝コレクション)
- 作者: 町山智浩
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それにしても続編、どうなんでしょ…。わざわざ続編作る理由もわからないし、僕『ボーダーライン』も『メッセージ』もあまりハマらなかったもんで、ドゥニ・ヴィルヌーヴって苦手なんだよなぁ。あともう一つ『ブレラン』の中で好きなところは、デッカードがレプリカントなのか?と言う謎をあくまで答えを出さずに宙ぶらりんにしてる点があるので、この辺どうなるんだろうなぁと気になるばかりです。
*1:これね。プワ〜〜ンってやつ。
でもエンドロールでかかる曲は超かっちょいいと思う。打楽器って大事。