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80'sとの遭遇/『ストレンジャー・シングス 未知の世界』感想

感想 テレビ ドラマ

 冬休みを利用してNetflixのオリジナルドラマシリーズ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』を鑑賞。監督・原案・脚本はダファー兄弟、製作は『リアル・スティール』『ナイト・ミュージアム』シリーズのショーン・レヴィ。主演はウィノナ・ライダー、デヴィッド・ハーパー。

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  1983年11月6日。インディアナ州の平和な田舎町ホーキンスで、12歳の少年ウィル・バイヤース(ノア・シュナップ)が失踪する。狼狽したウィルの母親ジョイス(ウィノナ・ライダー)はアルコール中毒のホッパー保安官(デヴィッド・ハーパー)に捜査を依頼する一方で、ウィルの遊び仲間マイク(フィン・ウルファード)、ダスティン(ゲーテン・マタラーゾ)、ルーカス(ケイレヴ・マクラフリン)もウィルの行方を独自に探索する。ある晩、ウィルたちは超能力を持つ謎の少女11(イレブン;ミリー・ボビー・ブラウン)と遭遇するが、彼女はウィルの居場所をほのめかす。その頃、謎の組織が街で暗躍するのであった…。

 

 昨年何度「Netflix入ってる?だったら『ストレンジャー・シングス』を絶対に観た方がいいよ!」と言われたか分からない。それほどアメリカでは話題になったシリーズであったが、実際に鑑賞すると面白いどころか僕の趣味にドハマりした傑作SFシリーズであった。

 

 流行は30年周期を繰り返すという。例えば『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に代表されるように、80年代は50年代のリバイバルであった。同様にJJエイブラムスの『スーパー8』、スウェーデン発のおバカ短編『カン・フューリー』など、昨今の映画も80年代にオマージュを捧げたものが多い。『ストレンジャー・シングス』も80'sリバイバルの潮流に乗った真打といった作品になっている。

 

 ストーリーの骨格は美少女版『E.T.』であり、光を使った演出はスピルバーグのようで、音楽はまるでカーペンター作品のようにシンセイザーが鳴り響き、モンスターのデザインはH.R.ギーガーみたい。子供たちの掛け合いは『グーニーズ』のように楽しい一方で、全体的な雰囲気はスティーブン・キング作品のようで、ジョン・ヒューズ作品のような青春模様も出てくるし…と本作には80年代の傑作たちのDNAが巧妙に織り込まれていて指摘し出すときりがない。そのオマージュに溢れた画面設計はこちらの動画を見れば分かりやすいだろう。

 

 しかしただのオマージュの羅列にはなっていなくてタランティーノ作品のようにサンプリングにより新たな作品を確立しているため、それらの作品に馴染みがない視聴者でも存分に楽しめる作りとなっている。

 

 また、JJエイブラムスの作品が謎を引っ張ったまま解決を雑に終わらせることを批判されることが多い*1一方で、『ストレンジャー・シングス』はドラマシリーズである利点を巧みに利用し、複線の構築と回収が丁寧かつ見事である。さらにまるで週刊連載マンガのように毎話の引き際もしっかりと見極めており、次のエピソードが自動的に再生されるNetflixの機能により止めどころが分からなくなる。こちらの視聴欲まで完璧にコントロールされてしまう、それはまるで80年代に流行したディストピアSFのようで…ってそれは流石に言い過ぎか!

 

 ということで、80年代の映画をVHSで楽しんだ世代には必見のシリーズです! 

Stranger Things V.1

Stranger Things V.1

 

 

*1:とはいうものの僕は『スーパー8』好きですよ。