宗教ポルノ

 先週末始まったばかりのスコセッシの『沈黙 -サイレンス-』が明日で終わっちゃう!と慌てて観に行く。3時間のドッシリとした骨太さに満足していたが、一緒に見に行った友人(アイルランド人とメキシコ人というカトリック系)からどれほど聖書になぞらえて話が展開されていたかを聞いて目から鱗がボロボロ落ちる。「なんで1週間で終わるんだよ!」と思ったけど、むしろ南部で真っ向から信仰心を問うこの映画が客を集めるはずがない*1ね、上映されただけで奇跡だな。感想は近いうちに書きたい。

 

 しかし宗教を題材にした映画は月に何本か上映されるんだけど、この間も『The Resurrection of Gavin Stone』というクリスチャン・コメディが公開されていた。クリスチャン・コメディって字面だけでヤバ味が半端ないが予告編はもっと濃い…。何気に主演が『エージェント・オブ・シールズ』でウォードを演じてたブレット・ダルトン

 

 他にも嫌になっちゃうくらい予告編を見かけるのが3月公開のサム・ワーシントン主演『The Shack(小屋)』。初めて予告編を観たときは「お、ホラーかサスペンスかな?」とワクワクしたら、後半の胡散臭さに戦慄した…。

 

 こういう映画はまあキリスト系団体から資金をもらって製作されて、宗教の気持ちい部分ばかり観せているいわば幸福の科学が作る映画となんら変わりがないのですが、そういった点で宗教ポルノと名付けたい。

 

沈黙 (新潮文庫)

沈黙 (新潮文庫)

 

 

*1:南部だけでなく、実は全米で興行的にちょっと苦戦している