お笑い芸人は何ができる?

 ENGEI グランドスラムウーマンラッシュアワーの漫才が素晴らしかった。動画は各自で見つけてもらうとして、昨今の不祥事叩きや偉そうなコメンテーター、清水富美加問題、今村元復興相などをネタにした、完璧に茂木健一郎へのアンサーとなっているエッジの効いた漫才だった。

 

 全体的にもかなり早いテンポでボケ、というかもはや世の中へのツッコミが畳み掛けられており、特に感動してしまったのはラストの掛け合い。

村本:俺の仕事は?

中川:お笑い芸人

村本:お笑い芸人は何ができる?

中川:漫才を使って主張ができる

村本:だから不倫についてワイドショーで熱く語る芸人は?

中川:ただのコメンテーター

村本:お笑いについてブログで熱く語る芸人は?

中川:ただのブロガー

村本:売れてるくせにネタをしない芸人は?

中川:芸がないタレント

村本:芸人だったら何をするべき?

中川:漫才で主張するべき

村本:どこでするべき?

中川:センターマイクの前で主張するべき

村本:何に向かってするべき?

中川:この腐った世の中に向かって主張するべき

村本:何を漫才にするべき?

中川:この世の中の不満を漫才にするべき

村本:誰のように?

中川:今日の村本さんのように!

村本:テレビに出ているタレント芸人もっと面白いネタしてこいよぉぉぉ!!!

 か、かっこいい!自身が抱いている不満を表現する漫才はもはやラップでありアートだ*1。時事ネタを扱った漫才はきっと村本がAbema TVで土曜THE NIGHTのパーソナリティを務めてることも少なからず影響しているんだろう。また、この漫才の真に凄いところは松本人志雨上がり決死隊などのワイドショーでコメンテーターをしている先輩芸人を批判しかねない内容になっていて、ウーマンラッシュアワー自体がある程度リスクを背負っていることだ。

 

 「日本のお笑いには政治・社会風刺が足りない」と文句を言っていた茂木健一郎を番組に呼んで激論を交わした村本がこういった漫才を作ってきたことは面白いし、これからも世の中に対する不満を熱い形でぶつけていくウーマンラッシュアワーの漫才が見たい。やはり日本のお笑いはオワコンなんかではないのだ。

 

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*1:更に書き起こして驚いたが、この間わずか30秒しかない!