スピルバーグはやはり天才だった

 3月2日に朝日新聞財務省による公文書の書き換えをスクープしたことを切っ掛けに再び論議の的となったモリカケ問題。

 

 昨年の問題発覚時に安倍首相は「私や妻が関係していたら間違いなく総理大臣も国会議員も辞める」と述べていましたが、今日の報道では安倍昭恵夫人や安倍総理に関する記述が文書から書き換えられていたことが発覚し、財務省も遂に書き換えがあったことを認め安倍首相が陳謝する運びとなりました。

 

 これが報じられた際、またまた朝日は「いつものお得意のフェイクニュースだ」などとネットのウヨや愛国議員の方々から叩かれていましたが、3月8日に毎日新聞が別のソースを元に後追いスクープを出してアシストしたことで大きく流れは変わりました。

 

 僕はこの展開に『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』を思い出さずに入られませんでした。実話を元にした『ペンタゴン・ペーパーズ』では、ベトナム戦争の実態をニューヨーク・タイムズが暴いたもののニクソン政権による記事の差し止め命令などといった言論弾圧に晒されましたが、ワシントン・ポスト紙も「ペンタゴン・ペーパーズ」を報道したことでニクソン政権に大きく打撃を与えました。

 

 上記の感想記事にも書きましたが、スピルバーグがわずか9ヶ月でこの作品を取り上げたことはメディアを罵るトランプへの明確なメッセージでありました。ところが日本公開に合わせてまさか映画と全く同じ状況が日本で起きるなんて、スピルバーグの時代を読み取る嗅覚は心底恐ろしいなと改めて思うのでありました。