『サウスパーク』S22E5「The Scoots」感想

 一週休んで放映された今週の『サウスパーク』は、ハロウィン当日に放送されたこともあってハロウィン回。同時に久々にケニーにスポットが当たった回でもあったのでファンは注目すべし。

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 マッケイ先生がゴミ出しに出ると、家の前に止められているスクーターに足を撮られてコケてしまう。「こんなところに誰がスクーターを置いたんだ!」と近所に聞いてみると電気スクーターのシェアサービスが導入されたようで、一晩のうちにサウスパーク中にスクーターが設置されたようだ。使い方は簡単で、スマホのアプリで登録するとロックが解除されて自由にスクーターに乗ることができる。しかし、使い終わったらどこにでも乗り捨てらるので、スクーターは神出鬼没で現れているように見え、更にスクーターに乗ってる人の運転マナーも悪くマッケイ先生の車にボコボコ当ててくる。スクーターが気にくわないマッケイ先生は深夜町中のスクーターをトラックの荷台に積んで崖の下に落っことすが、翌朝目を覚ますと捨てたはずのスクーターが家中に放置されていて恐怖を覚える。

 

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 一方、ハロウィンのお菓子回りを計画していた4人組もスクーターの存在を知る。スクーターを使ってトリック・オア・トリート廻りをすれば、今年のハロウィンはどの子供達よりもお菓子を手に入れられる!とスタン、カイル、カートマンは大喜びだったが、貧乏なケニーはスマホを持ってないので困り顔。「今年はスクーターでどの子供達よりも一番多くのお菓子を手に入れないといけないだろ?だから、スマホを持ってないケニーは…その…俺たちのペースを落としちゃうから…ごめん…」と申し訳なさそうにするスタンとカイル、「オイラがあれほど貧乏は辞めろって警告したのに、いつまでも貧乏なケニーのせいだ、今年は他の子供達と廻るんだな」と容赦ないカートマン。渋々ケニーは他のグループの子供達と一緒にハロウィン周りをすることを誘うが、他の子供達も皆スクーターでトリック・オア・トリートをすることを計画しており、スマホを持っていないケニーは一人寂しく仲間外れにされるのであった。

 

 子供達がスクーターでハロウィンを廻ることは大人の耳にも入っており、公民館では警察が住民を集め緊急会議が開かれていた。「サウスパークのみならず近隣の町からも子供達がスクーターに乗ってサウスパークに集まると考えられています。このままではスクーターによる大量のトリック・オア・トリートが押し寄せることになり、各家庭には$6000分のキャンディーが必要になると考えられます!」当然パニックになったサウスパークの住民はお菓子屋さんやスーパーマーケットに殺到し、町中が恐怖に包まれる。こうしてハロウィン当日を迎えるサウスパークは戦争状態となるが、ケニーとマッケイはスクーターを止めて町を救うべく、携帯電話の基地局に向かうのであった。

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 今アメリカではUberAirbnbなどのシェアサービスが大流行りであるが、自転車やスクーターのシェアビジネスも始まっている。僕も昨年末留学していたアーカンソーの田舎町に帰った時、Limeという自転車のシェアアプリが始まっていて町中にLimeの自転車が放置されていてびっくりした記憶がある。

 

 Limeはスクーターも貸し出しているが、スクーターのシェアサービスで有名なのはBird。そう、今回のエピソードのタイトル「The Scoots」は、ヒッチコックの有名なホラー映画『鳥(The Birds)』のパロディだったのだ!*1

鳥 (字幕版)

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 もう一つ特筆すべきことはサウスパークの子供達が着ているコスチュームで、バトルロイヤルゲームの『フォートナイト』の格好をしているのだ。『フォートナイト』は今年の爆発的ヒットゲームで、『フォートナイト』を模したバトルロイヤル/サバイバルゲームが量産されたくらいだが、『サウスパーク』にパロディにされるほど社会的影響力の大きいゲームだった。

Fortnite (輸入版:北米) - PS4

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 あと、久々にケニーが活躍しただけでも嬉しいけど、マッケイ先生に「ケニー君は賢い子供だ、時々僕たちも君の存在を忘れることがあるけれど」なんてメタ的なセリフを言わせるほどトレイとマットは自覚的であった。もっと使ってあげてよ!

*1:ただ、プロットそのものはあまり『鳥』とは関係はなかった。