チベリア超特急

 先週NYの寒さについて書いたが、今日も相当冷え込んでいて朝は-14℃ほどだった。僅かでも肌を出すと針を刺されるような痛みを感じるほどで、今日の通勤中は常に外気に晒されるしかない顔がチクチクして困った。

 

 しかし、もっと酷いのは大寒波が襲っている中西部の方で、イリノイ州シカゴでは30日に最低気温-29℃を記録し、一時は南極と同じくらい寒かった。

 ※上記は華氏(℉)での表記で、摂氏では-26℃。

 隣の州・ミネソタ州コットンでは今日-48℃を記録し、これはもはや南極の1月最低気温記録よりも寒い。近年寒波の影響でどんどん寒くなっている1月の気候を、シカゴでは「チベリア(Chiberia)」と読んでいる。チベリアは2014年にリッキー・カストロという希望予報士が通勤中に思いついた言葉で、シカゴがシベリアのように寒いことから生まれた造語だ。チベリアはすぐにシカゴ市民の共感を呼び、あっという間に流行語となり以来毎年寒波が訪れる時期にはチベリアという言葉がニュースでも取り上げられている。

 実際「#Chiberia」で検索をかけると、シカゴのツイッタラー達が如何に気温が寒いかを競い合っていて面白い。

 

 ただ、呑気に楽しんでもいられず、この大寒波のせいで全米で16人ほど人が亡くなっていて、ミシガン州などでは非常事態宣言も発令された。インフラも被害を受けている地域もあり、氷震と呼ばれる寒さを原因とした自身も確認されている。立派な自然災害だ。

 

 さて、呑気といえば例の大統領様で、今回の殺人的大寒波を受けて彼はこんなツイートをしている。

美しい中西部では、体感温度が-60℉(-51℃)を記録し、史上最低気温となっている。これからどんどん寒くなるという。1分ですら外に出ることはできない。一体地球温暖化とやらは何をしてるんだ!今あんたが必要なんだ、早く戻ってきてくれ!

 もちろん、地球温暖化を信じない彼なりのユーモアを込めたツイートだが、彼と同様地球温暖化なんかないと思ってる愉快な人々は近年北米で頻発する寒波を証拠にやはり温暖化は嘘だったと笑う。もちろん気象学者たちは呆れていて、むしろ地球温暖化が進行すると気候のバランスが崩れ、異常気象が多発することは科学的データに基づいているのだ。全く、このまま反知性主義者たちがのさばらないことを祈るほかないが、大体科学に詳しくなくたって、地球温暖化が進めば大寒波が訪れることくらいデイ・アフター・トゥモロー』観てれば分かるだろ!

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