配信サービス地獄

 僕はNetflixもHuluもAmazonプライムも加入している。それぞれ配信作品が全然違うので、Netflixで配信されていないものはHuluやAmazonプライムで補足しているし、その逆もまた然り。レンタルサービスが絶滅したアメリカで映画オタクをやるには配信サービスは一つでは全然足りない。

 

 ところが、これはNetflix文化の弊害だと思っているが、人気の配信サービスではクラシック作品を全然取り扱っていない。最悪観たい作品が無くてもAmazonビデオで購入かレンタルしてしまえばいいが、それだと定額サービスのAmazonプライムに入っている意味があまりない。

 

 そういう痒いところに届かない配信サービスに不満を持つシネフィル達のために、世界各国の往年の名作やカルト作品を配信する専門サービスFilm Struckというサービスが昨年まで存在していたが、AT&Tが親会社のタイム・ワーナーを買収するとサービスは突如として閉鎖されてしまった。利益が見込めなかったことが主な原因だが、この資本主義的な決断にギルレモ・デル=トロを始めとした業界人も怒りの声を上げて一時炎上騒動になった。僕もFilm Struckに加入してわずか一ヶ月後にサービス閉鎖が発表されたので、怒りに任せてネットの嘆願活動に参加して$40ほど寄付した。

 

 そんなニッチなユーザー層を救ったのが今年8日にサービスを始めたCriterion Channelだ。Criterionは元々世界の名作を中心にソフト販売するレーベル*1で、前述のFilm Struckにもライセンス作品を提供していたが、満を持して配信サービスを開始して多くの映画ファンを歓喜させた。当然僕も早速加入して『三大怪獣 地球最大の決戦』をさっきまで鑑賞していた。東宝の怪獣映画もヌーヴェルバーグもアメリカン・ニューシネマもインド映画も香港映画も揃える豊富なコレクションがCriterion Channelのウリだ。

f:id:HKtaiyaki:20190412141346p:imagef:id:HKtaiyaki:20190412141352p:image本多猪四郎作品も十分揃えております。

 

 ただ、こうして配信サービスが細分化されるほど困るのはやはり僕のような映画ファンで、加入するサービスがかさばっていけばいくほど月々に払う金額もバカにならない。ディズニーも自社作品を全て11月からディズニー+で配信することを発表しているが、そうなると僕も文句を言いながらも加入せざるを得ないだろう。こういうことを各社がやりだすといよいよ財布が苦しくなる。しかも、配信サービスこれだけ加入しているのに、気が付くと一番見ているのはYouTubeだったりするしな。日本で一枚100円くらいで毎週TSUTAYAやGEOでバカみたいに本数借りてた頃が懐かしいよ、トホホ…。

 

 

*1:Criterionが出すソフトのジャケットはいつもカッコ良いのだが高いのがネックで、たまにタイムセールで50%オフでコレクションを売り出すのでついついポチって僕の貯金が泣かされる。