【ニワカNBAファン便り#1】ラウリーとレナードのブロマンスに萌える

 昨日はクリッパーズラプターズの試合を観て萌えた。「燃えた」のではなく「萌えた」。何故なら昨シーズンにトロント・ラプターズ初優勝に貢献したスーパースター、カワイ・レナードがロサンゼルス・クリッパーズに移籍後、初めてトロントに戻って行われた試合だからだ。

 

 当ブログは映画ブログであるのでバスケファンは少ないと予想されるので、今年NBAにハマったばかりのニワカの僕がこの背景について説明しよう。

 

 NBAはトレードや移籍が頻繁に行われるプロスポーツだ。それが僕がNBAにハマった一因だが、結果としてドラマが生まれやすいのだ。移籍した選手が古巣に戻って試合をする時ブーイングが起こる事はザラで、今年ボストン・セルティックスからカイリー・アービングがブルックリン・ネッツに移籍したが、アービングが肩の故障で欠場したにも関わらずネッツがボストンで試合をした際に大ブーイングが起きた程だ。

 

 このカワイ・レナードという選手も元々はサンアントニオ・スパーズというチームに所属していた。スパーズでも優勝に貢献しファイナルMVPを獲得するなどスター選手だったが、2017年大腿四頭筋を怪我してしまいチームと揉め、トレードを要求した事で2018−2019シーズンにラプターズへ移籍することになった。そしてレナードが移籍後初めてサンアントニオで行われた試合では大ブーイングが巻き起こった。試合中レナードがボールを持つだけでブーイングが鳴るほどの嫌われようである。なお、このゲームではレナードの代わりにラプターズからスパーズに移されてしまったデマー・デローザンの怨恨溢れるプレーもあって107−125でスパーズが勝利した。


Kawhi Leonard Gets Booed By Spurs Crowd For Leaving San Antonio Then Kawhi Gets Revenge!

 

 しかし、レナードはラプターズで大活躍し、結果としてイースタン・カンファレンス2位という好成績を残す。イースタンウェスタンそれぞれのトップを決めるトーナメントであるプレーオフの準決勝の第7戦*1では、強豪フィラデルフィア・76ers戦で残り4.2秒からの劇的なブザービーターを決めてNBA史に残る伝説となった。 

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 そのままファイナルでも3連覇をかけたゴールデンステート・ウォリアーズを倒し、ラプターズはカナダ初のNBAチャンピオンチームとなった。今回のファイナルでもカワイ・レナードはファイナルMVP選手に選ばれ、レナードはカナダの英雄となった。しかし、レナードはシーズンオフでフリーエージェントとなり、ラプターズには残留せず故郷であるロサンゼルスに帰る事を選択した。ファイナルMVP受賞者が翌シーズンにチームを離れるのは史上初めてのことであった。

 

 そんなカナダの英雄レナードがトロントに戻ってきたので、昨日の試合はESPNで全米中継されるなど注目されていた。スパーズファンがブーイングしたように、ラプターズファンもレナードを拒絶するのでは無いか、という心配もあったが、杞憂に終わった。カナダ中がレナードの帰還を温かく歓迎した。ラプターズのホーム、スコチア・バンク・センターでは「Fun Guy in Town(ファンガイ*2が街にいる」と広告を打ち、PR用のSNSでもトリビュート映像も公開。

 

 会場ではレナードのラプターズ時代のユニフォーム#2を着たファンで溢れ、レナードの姿を見るなり大歓声。テレビでその様子を見てるだけで目頭が熱くなるが、こんなのはまだ序章であった。続いて恒例の敵選手紹介時にSNSで公開したものとは別のトリビュート映像を会場のスクリーンで流し、更に伝説となったレナードのブザービーターをライトアップで再現する演出で会場は大盛り上がり!僕の涙腺ダムは崩壊警報が鳴っており、地元住人が一斉に避難していた事は言うまでも無い。 


Kawhi Leonard gets tribute video and championship ring from Raptors in Toronto return | NBA On ESPN

 

 そのままラプターズはレナードへのチャンピオンリング贈呈に移る。通常チャンピオンリングはシリーズ開幕後1番最初のホームの試合でコミッショナーから手渡されるセレモニーがあるので、いまや別にチームに所属しているレナードはまだリングを手にしていなかった。かつてのコーチやチームメイトにそれぞれ握手とハグを交わし、一番最後に熱い抱擁を交わしチャンピオンリングをレナードに渡したのはチームキャプテンのカイル・ラウリー!ラウリーとレナードは一緒のチームにいた際は良き友達だった。当然、ブロマンスが好物な僕はこのラプターズの憎い演出に号泣である。

 

 そう、ブロマンスなのだ。NBAとはブロマンス。世界一流のバスケ選手たちの間で友情があり、愛があり、裏切りがあり、ドラマがある。だから僕がNBAにハマったのはある意味自然の摂理だったのかもしれない

 

 なお、このゲームは20点差でラプターズクリッパーズにボロ負けした。締まらねえな、オイ! 

We The Champs: The Toronto Raptors' Historic Run to the 2019 NBA Title (English Edition)

We The Champs: The Toronto Raptors' Historic Run to the 2019 NBA Title (English Edition)

 

 

*1:NBAプレーオフでは最長7試合行い、先に4勝したチームが次のゲームに進める

*2:レナードのニックネーム。レナードがラプターズ移籍後の記者会見で自己紹介を求められ、「カワイ・レナードです。俺はファンガイ(楽しいやつ)です。」と語ったことからつけられた。なお、レナードは感情をほとんど表に出さないことで有名で、その滅多に見せない笑い声が独特過ぎるのも有名。