R.I.P コービー・ブライアント

 僕は今NBA関係の翻訳の仕事をちょこちょこしているですが、寝ぼけてLINEを開くと緊急の翻訳依頼に一気に眠気が覚めたのでありました。もちろん、このニュースに関連した翻訳です。

www.afpbb.com

 

 僕が今NBAにハマる前に実は一度だけとても短い間NBAに「ハマっていた」時期がありまして、それは僕が初めて『スラムダンク』を読んだ高校生の時でした。頑張って朝早く起きるNHKBS1だかWOWOWだかでNBA中継がやっていて、コービー・ブライアント率いるレイカーズの試合を観ていました。結局その頃の僕にNBAはまだ早く、その内熱心に観るのも辞めてしまいましたが、二人の弟はその後もずっとNBAファンであり続けて中高大でバスケをプレーし続けました。特にコービーファンだった社会人である真ん中の弟は今もまだ会社のサークルでプレーしています。

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 正直、当時眠い目を擦りながら観ていた試合に出ていた他の選手は全く覚えていません。だけど、そんなニワカの僕ですらコービーの強烈さを覚えているという事や、僕に限らず、バスケファンでなくても今日の訃報を聞いて驚いた人がたくさんいることが、逆説的にコービーのスター性を物語っていると思います。

 

 高校を卒業して10年経ち、何かの縁で去年からNBA関連の仕事をするようになり、僕の中でNBA熱が再熱しました。本格的にハマってから改めてYouTubeで観るコービーの過去のハイライト映像は凄まじく、何故彼がここまで伝説的に語り継がれているか知りました。コービー・ブライアントWikipedia記事のキャリアを説明する項目なんてまるで一本の小説のような面白さで、コービーの軽い歴史を通してNBAというリーグのエンタメ性に気付いた、というのは確実にハマった要因の一つです。

 

 

 これもまたニワカな知識で大変恐縮ですが、コービー・ブライアントの死が何故ここまで人々に衝撃を与えているかというと、コービーは「バスケ」や「NBA」というジャンルを超えて、人類の文化史に計り知れない影響を与えたからではないでしょうか。音楽を持ってして世界や社会を変えてしまったビートルズマイケル・ジャクソンと似ています。

 

 レブロン・ジェームズを始めとした今リーグでプレイしている選手は全員コービーの影響を大なり小なり受けていると言い切っても良いのは当然として、コービーに憧れてバスケやスポーツを始めた子供達は世界中に存在します。アメリカの小学校あるあるでは、ゴミ箱にゴミを投げ入れる時「コービー!」と叫ぶ、というものが存在します。

 

 2000年代や10年代の映画の中で日常会話の台詞としてコービー・ブライアントが言及されるのはよく見かけました。コービー自身もプロデューサーとして、引退後自らの半生を短編アニメーションを製作しアカデミー賞も受賞しました。ヒップホップやラップでも歌詞の中でコービーの名前が引用されたり、コービーそのものを題材として歌ったものも数多くあります。アートも文学も同様です。これも言わずもがな、アメリカに限らず世界中で起きている事象としてです。文字通り彼は「アイコン」でした。

 

 レブロン・ジェームズがコービーの通算得点を超えた歴史的なゲームの翌日にこの訃報が入ったというのも、なにか運命めいたものを感じぜざるを得ません。このニュースを更に悲痛なものをさせているのは、コービーの娘ジアーナの死です。享年13歳のジジは父の姿を追ってWNBA選手を目指していたそうで、コービーも愛娘をコーチし、亡くなった事故が起きたのも娘の試合に行く道中のことでした。父を超える可能性があったスポーツ選手の火が潰えてしまったことも非常に残念でなりません。ただコービーの遺志やDNA、そして「マンバ・メンタリティ」は現代や未来を生きる様々なジャンルの人に受け継がれて行くことは間違いありません。

 最後は、僕の根っからのレイカーズファンであるアート専攻の友人がInstagramに投稿していたオリジナルのトリビュートアートを載せておきます。RIP。

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KOBE BRYANT  THE MAMBA MENTALITY  HOW I PLAY

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