情報疲れ

 『ザ・ルーム』の公式アカウントを運営していて思うことは、あ、運営しているのは映画を飛び出したジョニーなんですけど、まあ、それはおいておいてですね、『ザ・ルーム』に興味ありそうな人や映画好きな人を片っ端から3000人以上もの人を現段階でフォローしているんですけど、TLに情報が津波が如く押し寄せてくるんですよ。

 

 個人でTwitterをやっている場合、基本的には皆自分が好きな人や思想や考え方が似通っている人をフォローしていると思うんです。中にはたまたま趣味が合うと思ってフォローした人が政治的には相入れなかったり、差別的な発言をする人だったりするパターンもあると思うんですけど、その為にミュートしたりブロックしたりできる訳じゃないですか。

 

 だから自分のTLというものはある種ユートピアというか、全員似通った考え方を持つフォロワーで固められているコミュニティなので気持ちがいいのです。選挙の時、自分のTLだと自分が応援している候補が圧勝であるはずなのに、蓋を開けてみると、全然票を集められず負けてしまった、というのもTLがもたらす錯覚から生み出されると思うのです。TLで好評な映画が全然興行収入を稼いでいない、というのも同じ現象ですね。自分のコミュニティ=社会全体の総意では断じてないのです。

 

 しかし、『ザ・ルーム』はプロモーションアカウントなので、思想や考え方で人を選別してはいけません。無作為にフォローした方々はそれぞれイデオロギーを持ち自由に発言していて、それがよほど特定の人種や性別などを差別するものではない限り、表現や発言の自由というものがある限り別にそれは何ら間違ったことではないと思うのです。

 

 ただ、この夥しい量の情報の洪水何に疲弊しきっているかというと、新型コロナウイルスに関する「噂」なんです。まあ、未知の脅威的なウイルスに対して多くの人が不安を抱くのは人間としては当たり前ですが、それだけに信憑性の分からない情報が溢れかえっててクラクラします。

 

 新型コロナウイルスはただの風邪なので大丈夫というもの、一生治らない病気だというもの、中国の陰謀だというもの、アメリカの陰謀だというもの、PCR検査数を増やさないのはおかしいというもの、逆にPCR検査数を増やすと医療崩壊を起こすというもの、自民党が、野党が、云々間何…。

 

 もちろん、このブログを読んでいる人は僕が大分左寄りの考え方の持ち主であることはお気づきであると思いますが、今回に限っては右派も左派も好き勝手かなり酷いデマを撒き散らしていて辟易します。前も別記事で書きましたが、SNS社会において人は最も最上層のメタ的に物事をとる態度が一番偉いと思っているので、スマホで簡単に情報にアクセスできるようになった自分は世界の裏を知っている、という錯覚で優越感に浸りがちです。

 

 これは家の中にいてもそうで、良い歳こいた両親がYouTube陰謀論めいた動画見てハマっているのも見て頭が痛くなります。こうした状況において、胡散臭い政治学者のいうことなんか全く聞く意味なんかなくて、学会において権威のある医者とか細菌学者が一番信頼できる情報を持っているのは当たり前です。

 

 現代社会の人間はインターネットで自由に情報を仕入れられるかと思いきや、却って情報の量が多い為に何が正しいのか分からなくなっている状態は、中世の時代にペストが流行って、何の知識もなかった人類が疫病に立ち行き出来なかった状況と似ているのは皮肉で興味深いです。

 

 まあ、こんな偉そうなこと書いてる僕だって何が正しいのかよく分かりませんよ。でも、少なくともTwitterで激しい意見飛ばしてるよりは手洗いうがいをやった方がよっぽどマシだとは思うのです。