PS4版『スター・ウォーズ/バトルフロントII』の歩みは炎上の歴史(+明日の業務連絡)

 PS4スター・ウォーズ/バトルフロント2』は発売時点でだいぶ不利な戦いを強いられたゲームだった。

 

 『バトルフロント(以下BF)』シリーズは『スター・ウォーズ』の戦場を駆け抜けることができる対戦ゲームで、PS2版も含めれば16年も続く老舗シリーズだ。PS4版でナンバリングはリセットされ、『BF2』ではプリクエル・オリジナル・シークエル三部作の舞台で、シリーズを代表するヒーローやヴィランが使用できることが大きな目玉だったが、このヒーローを課金要素にしてしまったことが大炎上につながった。

fpsjp.net

 

 『BFII』の課金システム(ルートボックス)はベルギー政府やハワイ州政府などをも巻き込んで*1世界的に賭博論争を起こし、史上最も低評価がついたゲームとしてギネス記録にも載るレベルで、歴史に残る大炎上を起こしたゲームとして幕を開けた。

 

 しかし、始まりこそミソがついてしまったものの、販売・開発のEAとDICEは課金も廃止し、2年に渡るアップデートで新マップや新ルール、新ヒーローなどを追加し続け、シークエル三部作の展開と一緒にテン年代後半の『スター・ウォーズ』を盛り上げてきた。悪評もすっかりなりを潜め、新規アプデが加わるたびにコミュニティは湧き上がった。これほど信用をV字回復したコンテンツも類を見ないだろう。まあ、逆に言えば底辺から始まったので回復せざるを得ないけど。

 

 2年に及んでサポート体制を続けていたEA/DICEであったが、シークエルも終わってしまい、2015年にディズニーが始めた『スター・ウォーズ』シーンが終息するにつれユーザーも減ってきた。そもそも最近のゲームは消費期限が非常に早い中で2年もサポートが続いていたのは異例だったが、遂にEA/DICEは4月に最終アップデートを行うことを発表した。

 

 長い時間遊ばれたゲームだっただけに、ファン達は悲しんだが、運営側への感謝と賛辞は惜しまなかった。何より、最終アップデートでは皆が待望していた『ローグ・ワン』に登場した惑星スカリフや、レイ、パルパティーンの『スカイウォーカーの夜明け』準拠の新スキンや、ダース・モールの新スキンなどが発表された。特に、モールの新スキンは人気スピンオフアニメ『レベルズ』仕様だったこともあり、スター・ウォーザー達は心待ちにしていた。

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 新型コロナウイルスの影響で開発が遅れつつも、4月末ようやく最終アップデートが配布された。ところがどっこい。プレーヤー達はモールの新スキンの解放条件を見て戦慄した。オンラインマッチでダース・モールを使い、5000キルを記録する必要があるのだ!

 

 ここで、これがいかに苦行であるか、この2年間『BF2』を毎日鬼のように遊びまくった僕が解説しよう。まず、『BF2』のオンライン対戦内は基本的に各時代のライトサイド、ダークサイドに分かれ、敵チームのプレーヤーにダメージを与えたり、キルしたり、目標行動を遂行することでポイントが入る

 

 試合中にヒーローやヴィランを使用するには、4000ポイントを稼ぐ必要があるが、当然うまいプレーヤーほど有利だ。また、ヒーローには使用制限があり、同一のヒーローを使うことはできない。試合のルールによって、最大20人対20人、少なくとも4人対AIといった人数分けがなされるが、自分が使いたいヒーローを使うには他の19人の味方プレーヤーよりも早くポイントを稼ぐ必要がある

 

 更に、毎ゲームごとに自分の陣営は分かれるが、自分がライトサイドの陣営にいるときに、当然ダークサイドのヴィランを使用するとこはできない。そして、たとえ好きなヒーローを使うことができても、強力なヒーローは敵陣営にすぐ狙われて殺されがちで、殺されたら大抵はそのヒーローを狙っている他のプレーヤーに奪われてもうプレイできない。プレーヤーの腕にもよるが、ヒーローを使用しても1ゲームあたり大体20〜50キルくらいが平均だろうか。

 

 もうお分かりだろうか。ダース・モールで5000キルを達成するには、①チーム組み分け時に自分がダークサイド陣営におり*2、かつ②自分のチームメイトの誰よりも4000ポイントを獲得してモールをプレイし、かつ③なるべく死なないようにしながら④敵をなるべく多く倒す必要がある。


▲今回の騒動とは直接関係ないが、僕がよく見る滅茶苦茶うまいUMEBOSHIさんのプレー動画

 

 ゲーマー視点から言わせれば、パダワンがジェダイになる為の修行ばりにキツい。否、ジェダイと違い、ひたすら殺生を続ける修行なので、これはシスの訓練というべきか。

 

 本来は映画シリーズに倣い、敵陣営との白熱した戦闘を体験できるゲームのはずが、皆モールの新スキンを一刻も早く解放する為、ダークサイド陣営内で勝敗無視のモールの奪い合いが始まった。間違ってライトサイドに配属されようものならモチベーションはだだ下がりで、銀河帝国の圧政を前にジェダイ達は鼻くそをほじって次のゲームを待った。

 

 当初運営に感謝の念を抱いていたはずのプレーヤー達は、この絶望的解放条件を前にして一斉に手のひらを返し、EA/DICEに怒りの怒声をぶつけた。もはや批判に敏感になっている運営はパッチ修正を約束し、モールの新スキン解放条件を「いずれかのヴィランを使って、5000キルを達成する」に変更した。これで少なくともモールの奪い合いは避けられ、他のヴィランを使っても条件達成が可能な為、大幅に条件は緩和された。ファン達は安堵のため息をついたが、残念ながら悲劇はここで終わらなかった。

 

 相変わらずの新型コロナのリモートワークのせいで、パッチ修正に1ヶ月擁し、日本時間の昨日遂に配布が開始された。が、ファンは再度驚愕した。確かに条件は緩和されていたが、新スキン解放の為にカウントされていたキル数がリセットされていたのである!

 

 この1ヶ月、モールのスキン解放の為にやり込んでいたプレーヤーは多く、無事に解放できたプレーヤーもいれば、4000体の大台まで載せたプレーヤーもいる。僕もまだまだだったとはいえ、1500近くまで記録していたので流石に落ち込んだ。その1ヶ月の努力が水の泡となったと知り、「また0から始めるのか!」と再度EA/DICEの公式ツイッターは荒れに荒れた。

 

 しかし、さすがは痛い経験をしたEA。すぐにパッチ修正・修正を約束し、来週頭にはこれまでのキルカウント数を反映させるように動き、プレーヤー達は再度安堵のため息をつき、今度こそ運営感謝の意を伝えるのであった。有終の美は飾れなかったが、こうして問題が起きた時の企業対応のスピードは日本の会社にも見習ってほしいものである。が、まだ修正が配布されていないので正直安心するのはまだ早い

 

 全ての『BFII』プレーヤーと開発スタッフに、フォースが共にあらんことを!『BFIII』が出ることを超期待してます!

 


 

 さて、こっからは明日のオンライン飲み会の再告知ですが(こんなに前置きが長くなるとは思っていなかった)、詳細は以下の通りです!

 

日時:5/30(土) 21:00〜24:00

会場:下記チャンネルのYouTubeLIVEにて

(※配信テストによっては変更になる場合あり!その際はTwitter&ブログ上で連絡します)

参加条件:各自飲み物とおつまみを用意すること!

  

 前にも言ったように、今回は「細かすぎて伝わらない好きな映画のサントラ選手権」を開催したいと思います。今回は2通すでに頂いているので大変ありがたい限りですが、もっと貰えると心強く飲み会を主催できます。

 

 なので、全く義務ではございませんが、もし参加される予定の皆さんは「好きなサントラの曲」をこの記事のコメント欄や、TwitterのDM、または僕のメールアドレス(hktaiyaki@gmail.com)に送っていただけると、また僕が場を繋げやすいので大変助かります。

 

 その他、「(僕の)お悩み(を、みなさんが)解決コーナー」なども考えておりますが、まあ、あれだ、あまり考えずにグダグダやろうではないか!

 

 それにしても、今回のオンライン飲み会は感染状況に合わせて「今シーズン最終回」と銘打ちましたけども、これ割りかし早い段階で第2シーズン始まってしまうのではないか…?

 

Star Wars バトルフロントII - PS4

Star Wars バトルフロントII - PS4

  • 発売日: 2017/11/17
  • メディア: Video Game
 

 

*1:Twitterでは「米政府」と書きましたが、正確にはアメリカではハワイ州政府のみです。お詫びして訂正します。

*2:説明が面倒臭いので端折ったが、正確にはこの問題は4人対AIルールのCOOPモードでプリクエル、あるいはオリジナル三部作の時代を選択すれば回避できる