過激系YouTuberにゃ矜持が足りない

 昨今ニュースを騒がせている迷惑系YouTuberなる存在を初めて知りました。というかまあ、僕は偏見がひどいので、大体のYouTuberがああいったイメージだったのであまり驚きもないんですけど、アメリカにもああいうのいるんですよね。

 

 今でこそNYは徐々に経済活動を再開してきたくらいには状況が落ち着いてきましたが、感染者数が爆発的に増加し、ロックダウンが敢行されていた頃、fckjoshyというクソくだらないイタズラで人気になったTikTokerが大量のシリアルを地下鉄でぶちまけました。

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 もちろん、外出禁止なので、電車に乗ってるのは医療関係者などのエッセンシャルワーカーのみです。パンデミック下でMTA(NY州都市交通局)の職員に余計な仕事を増やして迷惑なことこの上なく、MTAは公式ツイッターで批判し、fckjochyのアカウントは炎上、謝罪を余儀なくされ問題の動画は消去されました。

 

 まあ、これは驚嘆な例かもしれません。が、こういう迷惑系YouTuberのみならず、僕はYouTubeTikTokで過激性が求められている傾向には少し危惧しています。別にPCをを押し付けたいわけではないんですけど、ちょっとオススメ欄を散策するとすぐ過激な文字列で装飾したサムネが目に入ったり、あからさまに下品内容で視聴者を釣ろうとしている動画が非常に多いんです。日本に限らず、英語圏の動画でもそうですし、なんなら世界中どこも同じような状況だと思います。

 

 で、試しに動画を開いてみると、妙なジャンプカット編集とオートフォーカスでたまにピントがずれた映像で、素人が噛みまくりながらゲラゲラ笑っていて何が面白いんだかよくわからない動画にめちゃくちゃ再生数や高評価がついていたりするんですね。こうした点について、前に一緒に仕事をしたTVディレクターに質問したことがあるんですけど、その人は「確かに最近はコンプライアンスが厳しくなって、昔よりは番組作りに自由度がなくなった。だけど、テレビマンたちはその規制の中で試行錯誤してより面白いものを作ろうと頑張っているYouTubeやネット番組は規制がないからどんどん過激なものを作ることができるが、逆に言えば過激性だけで質を伴っていないものがあまりにも多い」と熱く語っていたのが非常に印象深く残っています。僕はあまりテレビバラエティのファンではないですけど、そこには職人としての矜持が伺えて共感できました。

 

 で、あれこれ言いつつも、僕もYouTubeで『スケッチブック』を始めたわけですが、僕のスケッチを見てもらえれば分かる通り、安い機材なりに画的には結構作り込んでいます。カメラマンは、昔から写真や映像を撮るのが好きだった大学の映画サークル時代からの信頼できる先輩にやってもらっています。短かかったけど、NY時代にプロの映像現場で見てきたことを真似して実践するつもりで、カメラを回す前の準備は入念に行っています。

 

 カッコつけて話しますと、YouTubeTikTokが形成した今の映像文化に対して反旗を振りかざしたい気持ちで『スケッチブック』を始めた、というのもありますね。が、今のままでは負け犬の遠吠えなので、ひとまず収益化できるくらいにはチャンネル登録者数と再生数を増やすために、質のいいスケッチを提供し続けていく所存なので、是非観てもらえると嬉しいです!と、最後には結局宣伝して終わったよ!

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