コロナ疑いで病院に行った話

  • 先に言っておくと釣りタイトルなので、全く大事には至っていないので安心してください!
  • 何回か書いているように、僕が今住んでいる家は昨年亡くなった父方の祖母のマンションで、その初盆を迎えたので先週末の日曜日に家族が僕の家に集まった。僕はほとんど家出ていないし、社会人の弟もリモートワークなので、問題ないだろうという判断で久しぶりにお互いに顔を合わせた。家で仏壇に線香をあげて、寿司を出前でとって御開きとなった。
  • 人と久しぶりに話すせいか、お酒も飲んでいないのにポーッと体が火照っていた。「楽しくてハイになってるんだなぁ」と思っていたけれど、家族を駐車場まで見送って部屋に帰る道中、なんだかどうもクラクラする。家に帰って体温を測ると37.5℃だった。
  • 実は翌日から、知人の映画撮影にメイキングスタッフとして同行する予定で、毎日の体温の報告を義務付けられていた。なので、ここ数日は自分の体温を把握していたので、急に体温が上がったことにビックリした。翌朝早かったけれども夜遅くに監督と助監督に相談をしたところ、「1日様子を見よう」という判断になった。かなり参加したかった現場なので、ちょっと残念だったが、このご時世仕方がない。
  • 火曜日は撮休だったので、2日間ゆっくり休憩をとった。個人的には体調に何の問題もなく、咳も喉の痛みも関節痛もないし、しっかり味覚も嗅覚もある。気怠さも治った。が、体温が朝には36.8〜9℃に下がるものの、夜には37.1℃くらいまであがる、という微熱状態が続いた。
  • 結局、水曜日の撮影にも参加できず「念のため一度病院で診てきてもらってほしい」という話になった。なんなら発熱した日に僕も糖尿病の父親に会っているので、もし万が一のことがあったら怖いので、ハッキリさせたい。朝起きて近所のクリニックに電話をし、症状を説明すると「病院に着いたら中に入らず、入り口付近で電話をかけてほしい」とのことだった。指示通りに従うと、普段はクリニックのガレージであったであろうスペースに案内され、そこで問診票を書かされた。もちろん、受付の方はゴーグル、マスク、手袋装備である。「今病院もいろいろ大変なんだなぁ…」とその時点で色々察した。
  • そのままガレージスペースに医者の先生がやってきて、診察をする。当たり前だが、先生もフェイスシールド、マスク、手袋をつけている。先生は慎重に僕に色々質問をしているが、面白かったのは「コロナ」という単語をお互いに使わなかったことだ。お互い、何を疑って診断しているかは分かっているけど、敢えて口に出さずとも分かってるよね?という日本人らしい文脈を読み合う雰囲気があった。
  • 喉を診てもらったが腫れもなく、肺のレントゲンを撮っても異常はなく、呼吸音も正常通り。周囲に濃厚接触者もおらず、微熱が出てる以外は症状もないので、まあ大丈夫だろう、ということで検査もなく総合感冒薬だけ出してもらって診断は終わった。なんなら、こうして記事を書いている今も熱を測ったら36.6℃ですっかり平熱だ。
  • 診断が終わり、お会計まで全て外で済ませた。町の小さなクリニックだとこれくらいしか対策のしようがないので、大変だなぁと思う。全国の病院が似たような対応を強いられているのだろう、医療従事者の皆さんには頭が上がらない。
  • ちなみに、僕は常日頃芸能人とかがコロナに感染して「世間にご迷惑をおかけして申し訳ありません」と謝る風潮はおかしいんじゃないのか?と思っていたが、僕が監督に電話で連絡した時思わず口にしてしまった言葉は「直前に迷惑かけてすみません!」だった。いや〜、日本人として謝ることが染み付いちゃってるんだね…。でも、やっぱり撮影に穴を開けてしまう、という罪悪感は正直感じてしまったわけで、自分がそういう立場にならないと分からないものですね。とはいえ、やっぱり著名人がコロナにかかった時に謝る必要はないし、病人を叩いちゃあいけないよ。