スポーツって、面白かったんだね

 ここ数週間、言動に注目が集まっている大坂なおみですが、彼女は全米オープンでは警察による不当な暴力の犠牲と鳴った黒人たちの名前を入れたマスクを決勝までの試合数に合わせて7枚用意しており、晴れて決勝に進んだ事で見事7枚全てのマスクを世間に見せられる事になりました。誰よりもハードルの高い有言実行をやってのけ、あまりにもカッコいいのでこのまま映画化してほしいくらいです。

 

 

 先月末、大坂が抗議の意を込めてウエスタン・アンド・サザン・オープンにボイコットした数日前、NBAではミルウォーキー・バックスオーランド・マジックとのプレーオフ第5戦をボイコットし、やがて隔離施設「バブル」に集結している全チームがボイコットする事態となりました。あわや、新型コロナウイルスにも負けずに再開したNBA再びシーズン中止の危機に陥り、リーグと選手の会の真摯な話し合いにより住んでのところで回避されましたが、やがて全世界のスポーツ界に波及し、今の大坂なおみのマスクまで脈々と繋がっていきました。

 

 僕は生まれてから去年まで、28年間スポーツとはまるで無縁の人生を送っていました。父親がうるさ型の巨人ファンだったので、それに対する反動もあったのでしょう、テレビで流れる野球中継は好きな番組が短く終わってしまう疎ましいものでした。中学高校はなんの縁か柔道部に入っていましたが、別に柔道そのものには興味がなく、オリンピックで柔道の試合がテレビで流れていてもいっさい見ていませんでした。体育会系の文化は忌み嫌ってましたし、必要以上に冷ややかな視線で捉えていた事も否定しません。

 

 しかし、NBAにハマってみると、選手たちがスポーツというプラットホームを通じて、世界に広くメッセージを届けようとする姿勢にすごく感動しましたし、またそうした姿勢が常任離れしたプレーと連動していることに気がつきました。僕は昨日、浅薄にも特段NBAだけがドラマがあるような書き方をしてしまいましたが、今回の大坂なおみ全米オープン決勝進出だって、彼女の黒人としての誇りと差別的な社会システムへの怒りがいいパフォーマンスを生み出していると思います。言わずもがなですが、NBAだけでなく全てのスポーツに言える事でした。

 

 人生29年生きてきて初めて気付きましたが、スポーツって面白いですね。考えてみれば、スポーツ界で起きたドラマがしょっちゅう映画化されるのも宜なるかなって感じです。 

バトル・オブ・ザ・セクシーズ (字幕版)

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  • 発売日: 2018/09/23
  • メディア: Prime Video