『スター・ウォーズ』はiPhoneじゃない

 現地時間12/10にディズニー・インベスター・デーがあり、MCUのドラマ作品10本、ディズニー/ピクサー作品15本の他に、『スター・ウォーズ』の関連作10本(+ルーカスフィルム新作2本)を唐突に発表しました。

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 うーん……。シークエルで冷めていた僕の『SW』熱が、『マンダロリアン』で盛り上がっていたところ、今回の発表でまたもや冷え切ってしまいました。MCUみたいなプレゼンスタイルを『SW』にまで導入しているところに違和感を感じるんですが、というかまるでティム・クックが新しいiPhoneシリーズを紹介しているようなプレゼンスタイルで、つまりもう完全に『SW』を商品としてしか見ていないんですよね。

 

 証拠に今回の発表が行われた舞台をもう一度思い出してみましょうか、ディズニー・インベスター・デー(投資者向け発表会)ですからね、うちは今後このビジネスプランでやっていきますよ、どうぞ安心して株買ってください!という、非常に資本主義的な考えに『SW』というブランドが取り込まれてしまっているわけです。

 

 ここで第1作の『新たなる希望』を振り返ると、若きジョージ・ルーカスは大手スタジオの影響力から逃れるために自らルーカスフィルムILMを立ち上げたわけで、20世紀フォックスに配給こそしてもらったものの、その後『シスの復讐』まで6作品を完全にルーカスのポケットマネーで作ったのですから、『SW』シリーズというものは本来は世界で一番影響力のある自主映画シリーズだったはずです。

 

 ルーカスは自分のビジョンを再現するために、保守的な大手スタジオではできないような技術の革新からこだわり、結果的に映画業界全体の撮影スタイルまで変えるようなくらい影響力のあるインデペンデント映画だったのに、それが今や資本主義の権現といえる会社の象徴にまで組み込まれて成り下がったのは本当に残念でなりません。

 

 

 ……ま、なんだかんだいいつつ、結局全部見るんですけどね。それがオタクの悲しい性です。サーガだけに。