衝動でアプリを入れて2時間遊んで衝動で消す

 こんなはずじゃなかったのに…

 

 全ての元凶は楽天PointScreenの広告であった。明日は撮影があり、朝6時に起きなければならない。寝る前に日課であるポイ活しようと、楽天PointScreenを開いた。ご利用の方ではご存知の方も多いだろうが、PointScreenでは特定の動作をするたびに1ポイント手軽に入手することができる。

 

 いつも通り、くだらないアプリゲームの広告動画が流れてきた。この動画を見通せば1ポイントを得られると言うが、いつもだったら無視していただろう。しかし、今日はなぜか、わざと下手くそにプレイされているパズル動画にヤケに苛立ちを覚えてしまった。まんまと広告による心理操作に乗せられてしまい、ちょっと1プレイだけやってみようとダウンロードしたのが運の尽き。

 

 いつぞやの『サウスパーク』のエピソードで説明されていた通り、アプリゲームは消費者を沼にハマらせるように巧妙にできている。彩色豊かで煌びやかなデザインと、SEがいちいち耳障りに良い。最初のうちはパズルも簡単で、クリアするたびにプレイヤーを褒め称える画面に心地よさを覚えさせられ、すぐに次の面に誘導させられサクサクと進む。ここまで仕組みがわかっているのに、ミイラ取りがミイラになってしまった。寝る前にちょっとプレイするはずが、気がついたら2時間も経ってしまっていた。

 

 自分がたかだか1ポイントと引き換えに失った、貴重な睡眠時間の長さにショックを受ける。過去の経験からこのままでは徹夜コースだと悟り、脳内のサーキットブレイカーが発動してアプリを衝動的に消した。気がついたらレベル50を超えていたデータは親指一つの動作で一瞬にして消えた。日課のブログだって書いていないことを思い出して、今こうして慌てて書いている始末である。

 

 気付かぬうちに重たくなっていた、瞼の裏によぎる、後悔の二文字。人類が研究に研究を重ね、中毒中枢を刺激するためだけに特化したスマホゲームは下手なドラッグより恐ろしい…。アプリ、ダメ。絶対。『花束みたいな恋をした』で社会人として時間を過ごすうちに文化的なことに興味をなくなった麦くんが、『ゼルダの伝説 ブレス・オブ・ザ・ワイルド』には触りもしないのにずっと『パズドラ』に興じてるの、あれは良い演出だったなぁ…。

スマホ脳(新潮新書)

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