映画の未来はスマホカメラとともに

 昨日書いたように、最近『スケッチブック』の撮影でもたまにiPhoneで撮影してみたりして、スマホでの映画撮影というものに可能性を探ろうとしているのですが、そんなことを思っていたらちょうど今日ライカソフトバンクと組んで自社製のスマホ「Leitz Phone 1」を発売することを発表しました、

 

 僕はカメラの機種にそんなに詳しいわけではないんですけど、僕この間撮影の手伝いでカメラを担当することがあって、ライカのSL2を触らせてもらったことがあるのですが、中古で70万近くしますからね。めちゃくちゃ緊張しましたが、これはもはやライカのカメラにスマホの機能がついたって感じで、それを考えたら18.8万円の価格も超お得ですね。お金があったら欲しいくらい…。

 

 そういえば、この間観たザック・スナイダーの短編もiPhoneで撮影されたもので、世界でスマホを使って撮られた映画も珍しく無くなってきました。スマホの登場によってカメラ市場の縮小が余儀なくされる中、ライカみたいにスマホ用カメラをデザインする方向にシフトしていくんでしょうね。映画の歴史もテクノロジーの進化とともに歩んできたので、これからスマホカメラでしか表現できないような映像がみれるかもしれないと思うと楽しみです。

 

 最後に、『セッション』『ラ・ラ・ランド』のデミアン・チャゼルがAppleの広告用にiPhone 11 Proで撮影した短編映画を貼っておきます。めっちゃデミアン・チャゼルっぽいんですよ!

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新作コント『人類がゴキブリに遭遇した際の5フェーズ』公開!

 今週の新作コントを公開しました。夏場に増える、「ヤツ」についてのコントです…。

 

 撮影中はゲラゲラ笑いながら撮っていたんですけど、今回はあまりバズりませんでした。といっても、題材が題材だし「好き嫌い分かれるだろうなー」と思ってたので、ある意味予想の範囲内の反応はありました。面白いんだけどなー。

 

 ちなみに劇中、僕が武装するシーンは『コマンドー』とか『ランボー2』へのオマージュです。全く運動していないので筋肉量は全く再現できませんでしたが、撮影前に腕立てと腹筋をパンプアップしてみました。あまり効果はありませんでしたが、筋肉痛だけしっかり残りました。他にも『サイコ』とか『Among Us』のSEとか色んなネタを盛り込んでみました。

 

  今回のコントもiPhoneで撮影してみましたが、4Kで撮影しているにも関わらず、恐らくiPhone側で勝手にISOをあげまくっているので一部ノイズが酷いシーンがいくつかありました。あまりiPhoneのカメラを信用しすぎない方がいいかもしれないですね。と言いつつ、追加機能込みで3600円くらいする「Filmic Pro」というアプリを衝動買いしてしまいした。これを使うとシャッタースピードやISOは当然のこと、なんと10bitのLog撮影もできてしまうんだそうです。今度この機能をフルに活かした映画も撮ってみたいですね。

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夢のように美しい、ゾンビ王国へようこそ/『アーミー・オブ・ザ・デッド』★★☆

 Netflixオリジナル作品『アーミー・オブ・ザ・デッド』を鑑賞。監督・原案・脚本・撮影・製作を全てザック・スナイダーが兼任、音楽は『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』のジャンキーXL。主演は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のデイヴ・バウティスタ、共演にエラ・パーネル、アナ・デ・ラ・レゲラ、ギャレット・ディラハント、真田広之ら。

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 ザック・スナイダーが生粋のビジュアリストであることは以前このブログで述べた。*1そんなビジュアリストのザックにとって、本作は夢のような企画だったろう。なぜなら冒頭に書いたように原作を書いたのは14年前のザック!それを元に脚本を書き直したのもザック!撮影監督をしたのもザック!ビジネスパートナーでもある妻のデボラと一緒に製作をしたのもザック!当然監督したのもザック!まるで自主映画のような体制を全面サポートしたのは、極力クリエイターの創造性を保証すると言われるNetflix。映画監督にとってこれ以上ない自由な環境を手に入れたザックにとって、本作は玩具箱をひっくり返したかのような楽しい現場だったろう。

 

 様々な役職を兼任したザックであるが、中でも特筆すべきなのは撮影監督も務めたことだろう。通常は自らのイメージを撮影監督に伝えることで、自分の脳内にある映像に極力近づけて具現化するするのが監督であるが、今回ザックは撮影監督も兼任することで、その変換プロセスのレイヤーを一枚減らしたことになり、より自身の理想に近づいたビジョンが再現できたことだろう。

 

 また、今回の撮影にあたり、REDデジタルカメラ社はわざわざザックにカスタム仕様のREDモンストロを提供している。ザックがeBbayで見つけたという、1960年代に作られたキャノンの50mm f0.95レンジファインダーレンズ(通称「ドリームレンズ」)を取り付ける為だ*2。ザックは本作に「夢っぽい」ルックを求めたというが、被写界深度が極端に浅いモンスターレンズによって、まるで灼熱のラスベガスが引き起こした蜃気楼かのようなソフトな映像表現を実現しており、それを彩る鮮血な血飛沫もいいアクセントになっている。

 

 ただでさえ非現実性を帯びやすいゾンビ映画という題材で、ザックが何故「夢っぽい」ルックを求めたのか。それはやはりザックがどこまでも「神話」というものを愛しているからだろう。ゾンビ・ケイパー映画というハイコンセプトなプロットの影に隠れて、本作のゾンビは「オリンパス」という名前のホテルに王国を築き上げている。「ゼウス」とクレジットされているゾンビの王は、虎を従え馬に跨り、王女ゾンビの腹の中に子を宿すなど、とてつもない神々しさと威厳を見せる。おまけにいつも通り堂々とジョーゼフ・キャンベルへの引用まであり、ザックの趣味趣向が存分に発揮されて思わずニヤついてしまった。

 

 ルックだけでなく、ストーリーもザックにとって非常にパーソナルなものになっている。いや、なってしまったというべきか。時間制限付きのミッションであるにも関わらず、ところどころ湿っぽい演出が長々と入ってくるのは正直ノイズであったが、どうしてもラストの展開には目頭が熱くなってしまった。ザックが『アーミー・オブ・ザ・デッド』の脚本を書いたのは14年前だというが、結果として父が娘に「愛している」と別れを伝えるための、非常に切なく悲しく、そして儚い夢のように美しい映画に仕上がった。R.I.P オータム・スナイダー。

 

*1: 

*2:

我现在学习汉语

 実は今年に入ってから本格的に中国語を勉強していまして、今週末に中国政府公認試験であるHSKの3級を受験する予定です。「本格的に」と書きましたが、実態としては毎回HSKがある週の直前に思い出したかのように過去問を解きまくっているだけです。立派な嘘ですね、ハイ。自分で申し込んでおいておきながら「めんどくせぇなぁ…」というジキルとハイドもびっくりな矛盾した気持ちでやっています。今日なんかも受験生以来久しぶりに6時間くらい勉強しました。

 

 なんで面倒くさいと思いながら勉強しているかというと、受験料払っているからなんですよね。これは結構重要な側面で、お金を払っているからには受からないと勿体ない。勉強のために過去問を買うと更に費用が嵩むので、より一層勉強しなきゃ、という気持ちが強くなるんですね。思い返せば、小中高と勉強が嫌で嫌で仕方がなくて、悪い成績を取っては親を怒らせてきたわけですが、あの親の苛立ちっていうのは「テメェにいくら払ってると思ってるんだ!」ということだったんでしょうね。

 

 もしお子さんが勉強が嫌いで悩んでいる親御さんがおりましたら、学費や塾代は難しいにしても試験代や模擬代くらいは自分の小遣いで払わせる、ってのが大事なのかもしれませんね。今にして思えば苦学生って本当に尊敬しますよね。啊~中文很麻烦,我他妈的累啊~

 

 

昨晩のお礼(+6/26『スケッチブック』開設1周年記念「見てない映画ビンゴ大会」開催のお知らせ)

 昨晩もオンライン飲み会にご参加いただいた方々、ありがとうございました。昨日は約1ヶ月ぶりということもありまして、ちょっと緊張してましたが無事に楽しく終えることができました。アーカイブは以下のリンクからどうぞ!

 

 配信では2016年版『ゴーストバスターズ』に客を取られつつもいかに傑作だったかとか、60年代のサイケデリックな子供向け映画とか明らかにハイになっているダンボとか、酒を飲んでみると楽しい『プロジェクトX』とか、『スター・ウォーズ』に登場する食べ物とか、『コブラ』の冷えたピザとか、『ジュラシック・パーク』に出てくる子役が実は嫌な奴だったとか、『アフリカン・カンフー・ナチス』の宣伝問題とかいろんな話を多岐に渡って話したので、是非飛ばし飛ばしご覧ください!

 

 でさて、もう次回の宣伝ですが、2週間後の6/26は僕が『スケッチブック/SKITBOOK』を始めて1周年にあたるので、次回は視聴者も参加して楽しめる特別な配信にしたいと思います。

 

題して!

 

見てない奴が強い!

 

見てない奴が偉い!

 

「見てない映画ビンゴ大会」を開催します!

 

 どういうことかと言いますと、まず我々出演陣も視聴者の皆さんも9つのマス目が書かれたビンゴ用紙を用意します。そしてそのマス目一つずつに「世間では有名で定番とされている作品だけれども、自分は見ていない映画」を埋めていってもらいます。配信中、我々出演陣と視聴者コメント枠で順番に有名な映画を1本ずつ挙げていき、先に9つの映画を当てられた人が優勝となります。ビンゴ用紙は今テキトーに作ったこちらを印刷して使ってもいいですよ!

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 そして!優勝者には僕からAmazonカード5000円分を賞金としてプレゼントいたします!大盤振る舞い!太っ腹!

 

 詳しいルール設定の方はもう少し煮詰めていきますが、今回はオンライン飲み会というよりはビンゴ大会ということで、我々出演陣だけでなくて皆で楽しくやりたいので、定番映画を読み上げる時に視聴者の方にも声のみの出演で参加いただける方も募集いたします。(とはいえ、最初から最後まで参加するのも大変ですし負担だと思いますので、例えばTwitterのスペース機能を使うなど、システムはちょっと考えたいと思います。)

 

 その他、チャンネル開設1周年記念ですので、「あなたの好きな『スケッチブック』のスケッチ/コント」や「今後やって欲しいコント/企画」なども募集いたします!応募先は、いつも通りhktayaikiあっとgmail.comか、こちらのブログのコメント欄、『スケッチブック』か僕の公式TwitterInstagramのDM、リプライ、あるいは匿名メッセージサイトのマシュマロなどにてよろしくお願いします! 

 

 さあ、次回はパーティーだ!

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