セス・ローゲン×ジェームズ・フランコ新作『The Interview』公開中止


The Interview Movie - Official Red Band Trailer - YouTube

 

 笑撃の監督デビュー作『ディス・イズ・ジ・エンド』から1年!俺たちのセス・ローゲンの新作が遂に全米公開!しかも今度は相棒ジェームズ・フランコと共に北朝鮮に殴り込みをかけて金正恩を暗殺する!

はずだったが……

 


北朝鮮“揶揄”の映画中止、テロ攻撃予告に配慮 ソニー米子会社 - 産経ニュース

 

北朝鮮金正恩第1書記の暗殺を題材にしたコメディー映画「ザ・インタビュー」を公開する予定だった米ソニー・ピクチャーズエンタティンメント(SPE、本社・ロサンゼルス)は17日、同社を攻撃したハッカーからのテロ予告を受けて、25日の公開を中止することを決めた。一方、米CNNテレビは同日、米捜査当局がハッカー攻撃は北朝鮮の命令と「断定した」と報じた。

 

 ハッカーは16日、ネット上の掲示板に「世界は恐怖に包まれるだろう」「(米中枢同時テロの)9・11を思いだせ」「上映時間に映画館から離れるよう忠告する」などとテロを示唆した上、「これがクリスマスプレゼントだ」と書き込んだ。

 

 SPEは安全面への配慮から各映画館の判断で上映中止を許可したが、上映を予定していた全米の映画館の過半数が25日の公開を取りやめたため、上映中止を発表した。

 

 一方、CNNテレビは「米捜査当局がハッカー攻撃は北朝鮮のリーダーたちの命令に基づいたものだったと断定した」と報道。米司法省が18日、一連のハッカー事件について発表するという。

 いや、ソニーバカかよ!!

 

 イスラム過激派から脅されてたなら分かるけど、バカ映画『The Interview』の公開中止を求めるハッカー集団なんて米捜査当局が分析する前にハナから北朝鮮が関与してたことなんて分かりきってたことだろ!そんでその北朝鮮がアメリカにテロ行為?できるわけねーだろ!

 

  更に関連して、こんな悲しいニュースも……

米ソニー・ピクチャーズ『The Interview』公開中止 北朝鮮が舞台の映画も白紙に - 映画 - ニュース - クランクイン!

 ハッカー集団の警告により公開が危ぶまれていたソニー・ピクチャーズのコメディ映画『The Interview(原題)』。現地時間18日に予定されていたニューヨークでのプレミアを含み、本作の劇場公開が正式に中止されたという。The Hollywood ReporterやUs Weeklyなどの海外メディアが伝えた。

(中略) 

 今回の上映中止は他の映画にも影響が出ており、映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズの監督として知られるゴア・ヴァービンスキーがメガホンを取り、スティーブ・カレル主演で製作する予定だった、北朝鮮が舞台のスリラー作品の企画が白紙に戻されたという。本作は来年3月からの撮影が予定されていたという。

 なんと、ゴア・ヴァービンスキー監督×スティーブ・カレル主演のブラックコメディ『Pyongyang』までクランクインを目前にしてニュー・リージェンシー*1が企画中止!どいつもこいつもふざけんな!*2

 

 これはもはや、単にセス・ローゲンゴア・ヴァービンスキーの新作コメディが観れない、ってだけの話ではない。たかが独裁者を前にして映画というメディアが屈してしまったという大事件だ。

 

 古くはチャールズ・チャップリンが『独裁者』でヒトラーをおちょくってた*3し、トレイ・パーカーとマット・ストーンのコンビは『サウスパーク 無修正映画版』でフセインを、『チーム★アメリカ ワールド・ポリス』では金正日をバカにした。最近の映画でもサシャ・バロン=コーエンは『ディクテーター』でカダフィをパロディにして、アカデミー賞のレッドカーペットで「金正日の遺灰」をぶちまけたパフォーマンスは話題になった。


Baron Cohen spills 'Kim Jong-il's ashes' on ...

 

 コメディアンと映画はこれまでずっと独裁者と戦ってきた。今回上映中止を決定した劇場やソニー、リージェンシーがとった行動は、自ら表現の自由を破棄したあまりにも情けなくみっともない敵前逃亡だ。そもそも、去年北朝鮮ホワイトハウスを襲撃する『エンド・オブ・ホワイトハウス』というクッソつまらないアクション映画は問題なく公開できたのに、ただのバカ映画でこんな騒動になること自体意味わかんねーよ!

 

 もちろん、この件に関しては既にTwitterなどで多くのコメディアンやハリウッド業界人が怒りを表明している。

 

 そして、一番今回の件に関してブチぎれていたのは二人の師匠、ジャド・アパトーであった。

 

 

 

 今回の件は『The Interview』が全世界でなお一層より多くの人々に観られることを確かなものにしただけだ。合法的にだろうが、非合法的にだろうが、全員観るぞ。

 という最後の文章がかっこいい。流石アパトー・ギャングのボス!

 

 権威を確固たるものにしようと最近躍起な金正恩は今回の一件で益々調子づくだろうが、これにめげず映画を武器にハリウッド業界人たちには戦ってもらいたい。

 

 ちなみに、上映中止が発表される前にソニーがリリースしてた情報なんだけど、


‘The Interview’ to Have Only Limited Release in Asia | Variety

TOKYO — Sony Pictures Entertainment Japan today confirmed that the James Franco and Seth Rogen comedyThe Interview” will not be released in Japan.

 

 いや、今回に限らずソニーピクチャーズいつも公開しねーじゃねーか!!

 

【関連】

 

終末は皆でパーティだ!/『ディス・イズ・ジ・エンド』★★★ - 新:尾も白いの探して。

FUCK YOU, SONY PICTURES JAPAN!!! - 新:尾も白いの探して。

 

*1:20世紀FOX傘下の子会社

*2:これ以上僕のゴア・ヴァービンスキーをイジめないでください!

*3:とかっこつけてみたものの、実はまだ『独裁者』観れてないんですよ…。でもこれを機に近いうちに観ます。