プロモ・エディターという職業

 NBAファイナル中継で流れた『スーサイド・スクワッド』のTV予告を観た!

 もう毎回毎回観たい欲求をゾクゾク刺激してくるウットリする編集リズムで、一体誰が編集してるかがどうしても知りたくなってしまったんですね。で、IMDbで調べてみるとどうやらフレッド・J・ジューリトー(Fred J Julito)さんという人が編集を担当していることが分かった。

 これも調べる過程で知った言葉だが、映画本編の編集者とは別にティーザーや予告編などの宣伝素材を編集する担当者もいて、そういった職業をプロモ・エディターと言うらしい。IMDbによるとプロモ・エディターとしてジューリトーさんが他に手掛けた作品は以下がある。

 こうしてジューリトーさんの作品を連続して観てみると、音楽のリズムの活かし方だったり、前半でのストーリーの語り口だったり、後半のでのクレジットやキャッチコピーの出し方だったり、なんとなくジューリトーさんの編集者としてのクセが見えてくる。そして映画それ自体の出来は置いといて、どの作品も『スーサイド・スクワッド』と同じような「欲求への刺激」が感じられて、これは(当然ながら)予告編としては命と呼べるほど重要な要素でしょう。

 

 ちなみに、こうした予告編は配給会社で作られているのではなく、予告編製作専門の会社で作られていて、プロモ・エディターの人たちもそうした会社に所属していることが多い。そのために、会社の「製品」として予告編は捉えられる場合が多いので、あまりプロモ・エディターの名前が日の目に当たることはない。

 

 ただ、ちゃんと予告編を「作品」として評価するためにアメリカでは「ゴールデン・トレイラー・アワード」という賞レースが毎年行われている。

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 監督、俳優、脚本家、プロデューサー、経営者、予告編の出品者、広告代理店、そして批評家などの投票によって決まる。今年の授賞式は終わっていて、最優秀アクション予告編賞は『マッドマックス 怒りのデス・ロード』や『バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生』を抑え、なんと『デッドプール』(mOcean社)。

 最優秀賞であるベスト・イン・ショー(Best in Show)賞は『スポットライト』

 

 ちなみにジューリトーさんは2015年に『ワイルド・スピード SKY MISSION』でベスト・イン・ショー賞を受賞!すっかりジューリトーさんの予告編のファンになった。

 

映画は予告篇が面白い (光文社新書)

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