R-指定にハマったぞ!

  • 最近ポッドキャストとかYouTubeR指定というラッパーを知った。フリースタイルが天才的に上手い人、くらいの認識だったが、今日ランニングしてる時に偶々流れてきた曲に衝撃的に共感を得た。
  • やれ愛がどうした、とか君を守りたい、だとか吐き気がするほどポジティブで甘い言葉を並べる現代のヌルい邦楽界。それがどうだ、このドス黒い恨みつらみが篭った、まるでナイフのように鋭利で毒気満載の歌詞は!  

    I'm a liar (筆者による耳コピ、一部抜粋)

    Case3 君は名人
    俺の前とあいつの前じゃ別人
    ベタでありがちな手口
    テクニック 雑誌かなんかの受け売り
    バカな男が また引っかかった
    騙し騙されこれも世の摂理
    平気、怒ってないよ別に
    でもせめてうまくやってくれよな、バレずに 

    Case4 このグレイゾーン
    生き残るため グレードアップさせるディベート
    こちらのクエスチョン はぐらかすYes NO
    君の言う対応 模範かい?バビロン
    前途 UFO 乗せられ The End
    テイクオフ 絵空事フライト
    無邪気なピエロ 演じてるの
    波風立てぬよう 笑ってるの
    ファンキーモンキーベイビーズが歌うような世の恋愛応援ソングには全く共感できない僕だが、この歌詞が耳に流れた瞬間、思わず「俺か、俺が書いた歌詞か!」と思ったほど弱者根性に溢れている。
  • 他の曲の歌詞もすごいぞ。
    ルサンチマン(筆者による耳コピ、一部抜粋)

    Ah さわやかなスポーツマン
    金持ちの坊ちゃんに イケイケのヤンチャ
    目立ったチャライ奴ら なんでおしゃれなん?
    俺と同じ学ランのはずが

    Oi, みんな笑ってる
    けどそれテレビのギャグやん 昨日のやつやん
    いつでも主役はそんな奴らだった 俺と真逆な

    ノリが悪けりゃハブられる
    常に空気読めなきゃ嫌われる
    最新のトレンド知らなきゃ置いてかれる
    なぜかサッカーできなきゃ笑われる
    なんという生々しさだ!同調的で閉鎖的な学校で静かに拳に怒りを込める少年の姿が鮮明に浮かび上がってくる。この曲だけでなく、どの曲もR-指定の日頃鬱積したルサンチマンがぶちまけられている。
  • 私事なんですけども、僕は最近頗る元気がなかったんですよ。なんでかって自己分析してみると、これ精神にガタがきてるんじゃないかって。
  • というのもね、僕は日本の大学にいた時は社会や世の中やイケてる奴らに不満や僻みを抱いた連中が集まる映画サークルに所属していて、それはそれは大変心地のいい空間にいたんですよ。
  • ところがこっちに来てくると国民性なのか年齢の差なのかなんなのか、周りにクソポジティブ野郎しかいないんですね。なんというか、この世界は楽しくて明るいことでいっぱいで希望に満ちている、みたいなことを本気で考えてる人たちばっかというか。だいぶ偏見混じってるのは認めますけども。
  • 世の中はお前らが思ってるよりずっと暗黒で汚くてムカつくことでいっぱいなんじゃ!どんな人間だって自分が一番だから戦争だって差別だってなくならないし、格差は消えないし、環境問題も解決しないし、いつか『ブレードランナー』や『マッドマックス』みたいな世の中が絶対に来る。大体僕性悪説を信じてるしね。
  • 例えばさ、たま〜に一人で飯食いたいときとかあるじゃないですか。別に落ち込んでもいないんだけど、一人が落ち着く気分の時とか。でも大抵カフェテリアの隅に座ってると友達に見つかって「こっちにおいでよ」って眩しいくらいの笑顔で話しかけられて席を移動せざるをえなくなるんですよ。んで、無理やり会話して笑って…ってそういうのに疲れたんじゃワシは!*1
  • と、人に言うと大抵ドン引きされるんですけども、そんな時に出会ったR-指定の曲たちは久々に人間の恨みや怒り、鬱憤が持つパワー、またはその優しさを思い出させてくれた。人間ポジティブじゃなくたっていいんだよ!ルサンチマンがあったって世界を変えられるんだ。ひねくれ者やネガティブな人間にしか支えられないことだってある。
  • ちなみに、R-指定はなんと僕とタメだったといのもグッと好印象である!
  • 鬱屈をパワーに変える映画、といえば僕たちのバイブル『桐島、部活やめるってよ』だが、ファンがCreepy Nuts(R-指定とDJ松永によるユニット)の曲「トレンチコートマフィア」に載せてMAD動画を作ったので、今日の最後はその動画を貼ろう。

  • ちなみに僕が大学の卒論で書いたテーマはハリウッドの学園映画におけるスクールカースト描写からアメリカ社会を考察する、というものだった。すごくカーストとかヒエラルキー、特にその下層部からの視点みたいなものに興味があるんですよね。
セカンドオピニオン

セカンドオピニオン

 

 

みんなちがって、みんないい。

みんなちがって、みんないい。

 

 

*1:ただ、別に毎日そんな風に思ってるわけでもないとも言っておく!一人が寂しいときだってあるぞ!