いやあ、ついに来てしまいましたよ今年も…!世の中の流れ的には2016年は決して好きな年ではないのですが、個人としては留学生活にもなれインターンもしたし映画も複数本撮ったし割と楽しかったですね。
さて、今年は92本の最新映画を観ました。去年が97本で、映画ファンになってから毎年鑑賞本数を伸ばしていたのに初めて減少しました。まあそうは言うものの同程度の本数ではあり、車も手に入ったので前より映画館に行く苦労も無くなりました。メンフィスの映画館にもたまに行ったりしていたので選択肢も増えました。
さあ、そんな今年の僕のベストテンはどうだったのでしょうか、それでは行ってまいりましょう!
▲今年のイメージキャラクターの巨災対の皆さん。
【特記事項】
- 2016年公開作品のうち、僕が12月31日までに鑑賞した作品が対象。新作映画に限り、名画座上映・リバイバル作品などは除く。詳しくはこちら。
- 上記のリンク先のリストやTwitterに載せた★の数、上半期ベスト&ワースト、コメディ映画ベストテンとは評価が違う作品もあると思いますが、その時々の気分に左右されるのでご了承ください。
【2016年映画ベストテン】
- シン・ゴジラ
- ラ・ラ・ランド
- ネオン・デーモン
- ズートピア
- デッドプール
- Swiss Army Man
- ゴーストバスターズ
- ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー
- スーサイド・スクワッド
- ロスト・バケーション
【解説】
①は庵野秀明監督就任ニュース以来ブーブー文句を言い続けてきてからまさかの大逆転までの流れを含めて本年度ベストワン。アウトサイダーの庵野監督だからこそ東宝怪獣映画の伝統を打破できた傑作であり、なおかつ初代『ゴジラ』の精神も則った奇跡のような作品でした。本当に申し訳ございませんでした、そしてありがとうございました。3回も観に行っちゃったよ。
②は夢を糧にして生きている身にとって大切な一本。夢を追うことの残酷さを生々しく見せる一方で、しかしまた夢を追う人たちへの賛美歌にもなっていました。ミュージカルシーンもほとんどワンショットで、キャストもスタッフまで全員ハリウッドという夢の消費場を生き抜いたドリーマーたちだったからこそ出来た見事な職人技でした。エンドロールの重みを感じたよね。
ヘトヘトに疲れたまま③を観に行ってまるでドラッグのように興奮したあの日は忘れない。そういえばこれも②のようにロサンゼルスという夢の土地を舞台にした映画だが、しかしこちらは重厚な低音が鳴り響くネオンカラーで彩られた悪夢へ観客を誘う。エル・ファニングちゃんとヘルライドできて最高です。
今年は大好きだったアメリカという国に絶望しつつ④のような映画が作られることに希望を抱いた年でもありました。反グローバリズムの流れに今後エンタメ業界はどう抵抗するのか見守っていきたいと思います。
欠点すらもメタメタなキャラで長所にしてしまう⑤の壊れっぷりは楽しかったですね。でも壊れてるのはガワだけで中身は芯が綺麗に通っているという。アメリカの劇場の盛り上がりからもいかにデッドプールというキャラが愛されてるか感じました。
⑥はぶっ飛んだ設定からは考えられないほど優しさに満ちた作品でした。サントラも可愛くてお気に入りなのですが、日本公開は果たして…?
昨日のコメディベストテンではベストワンに選びましたが、変なコンテクスト抜きには語れなくなってしまったのが非常に残念です。これからも理不尽なヘイトが続くと思いますが、僕はずっとこの作品と出演者、製作者たちの味方でありたい。だってちゃんと面白いんだもの。
⑧は本当にズルい作品なので最後の最後まで入れるか迷いましたが、それでもラストシーンの最大瞬間風速速度は度外視することはできませんでした…。何故悔しがってるんだろうか、我ながらめんどくさいと思います。
うるせえ、好きだ!!!に尽きる⑨。タスク・フォースが悪者集団というよりも負け犬の寄せ集めであったことが個人的には感情移入できました。ワガガママで負け犬だった奴らが人生に立ち向かうため い団結する、そんな展開に燃えないわけがない!今後のDCEUでヒーロートヴィランどちらを応援したらいいか迷いますね。
①〜⑨がどれだけ入れ替わろうと⑩の枠は固定でした。『バトルシップ』や『イントゥ・ザ・ストーム』に通じるこの10位の枠はなんなんだろう。アトラクション感かな?兎にも角にも10位という順位が抜群に似合う最高のサメサマームービーでした。
【2016年ワーストテン】
- メン・イン・キャット
- Jukai -樹海-
- ブリザード
- インデペンデンス・デイ リサージェンス
- ミュータント・タートルズ 影 シャドウズ
- ブレア・ウィッチ
- What's Manzai?!!!
- エンド・オブ・キングダム
- ザ・コンサルタント
- ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー
【解説】
①はデートで観に行ったが、デートじゃなきゃ観に行かないよ!☆☆☆を付けるほど苦痛だった映画は今年はこれだけ。無駄に豪華な出演陣だったなしかし。
②は和製ホラーの怖さをトコトン勘違いした珍作。未だに寿司を珍品な東方料理としてあつかう時代感覚もどうよ。
③は内容を全く思い出せないほどつまらなかった。
④なぜ続編が作られたんだろうかその1。
⑤なぜ続編が作られたんだろうかその2。
⑥なぜ続編が作られたんだろうかその3。
⑦日本のお笑い文化を紹介するドキュメンタリーとしては面白かったが、クライマックスがないので拍子抜け。撮れ高がなかったからってお前…。
⑧なぜ続編が作られたんだろうかその4…手抜きに感じられたそこのあなた、それがこれらの映画の企画力なのです。
⑨無駄に時系列を入れ替えたり並行してストーリー進めたり、誰もが予想できる伏線回収をさもどんでん返しのように終盤に配置したり、粗が気になる。
⑩ベストにも選んだけどさ、でもやっぱり倫理的にこれを許してしまってはいけない気がする。詳しくは感想記事を。
【総評】
大豊作だった去年と比べ、今年ははっきり言って不作だったと思います。あまり閾値を超えて興奮するような作品はこの10本以外に出会えなかった。巷では邦画が大豊作だったと聞くが、日本に住んでたらだいぶ違う結果になってたかもしれません。それでも『ラ・ラ・ランド』と『ローグ・ワン』のせいで『FAKE』と『バース・オブ・ネイション』を外す、という泣いて馬謖を斬る思いはしました。
あと今年はIMDbやロッテン・トマトといったレビューサイト、あるいはHonest Trailersといった映画のネタ動画の評価が映画ファンのスタンダードとなりつつあるのに嫌気が差した年でもありました。これらのサイトは指標であるべきであって、権威にしてはいけません。何よりも己がどう思ったかを大事にしていきたい。
まあ今年はこんなところで締めますか。来年も良い映画に出会えますように。みなさんも良いお年を!