偽物の国

 今日の昼はナッシュビルパルテノン神殿を見て、宿泊先のピラミッドがあるメンフィスに泊まった。

 

 なんのこっちゃ分からない文章だが、テネシー州ナッシュビルには原寸大のパルテノン神殿のレプリカがあり、同州メンフィスにはピラミッドを模した建物がある。(そもそもメンフィスの由来はエジプトの都市名だ)

 

 

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 ウィキペディアによるとこのパルテノン神殿は1897年のテネシー州制100周年記念万国博覧会の為に建てられ、幾度かの再建を経て美術館となった。

 

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  実は僕はここに来るのが2回目で、これは前に撮った時の写真。このように神殿の中にはアテナ・パルテノスの巨像も再建されている。

 

 ただ、母と祖母を連れて来ておいてなんだが、正直つまらないなぁと思う。確かに一瞬感心はするものの、しかし本当に凄いのは実際に古代に建てられたパルテノン神殿であって、近現代の技術を持って作られた神殿や巨像にありがたさを感じないのだ。ヒッチコックの『サイコ』は面白いけど、ガス・ヴァン・サントのリメイクは全く面白くないのと同じ。

 

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 メンフィスのピラミッドなんて更に情緒もクソもなくて、中はバスプロショップという釣り漁具屋のテーマパーク兼ショップになってやがる。(バスプロショップが買い取るまではアリーナ施設だった。)

 

 アメリカ各地にはこうした世界の名所を再現した場所がある。極端な例はラス・ベガスやディズニーランドで、自国内の名所すらコピーしてしまうのは病的な何かすら感じる。レプリカを臆面もなく観光地化してしまうのは歴史の浅い国の一種のコンプレックスを反映しているんだろうな。

 

 

 

サイコ ('98) (字幕版)

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