魔法の言葉

 まだ20代半ばなのに、ちょっと体を動かすだけで「よっこいしょ」と唱えてしまう。「うわ、ジジ臭えー」と自覚しつつも、癖になっちゃってるから言わずにはいられない。しかし「よっこいしょ」は便利な言葉だと思う。「よっこいしょ」と言うだけで確かに体に力が入るし、動きやすくなる。

 

 不思議なことに「よっこいしょ」に相当する他言語の単語が思いつかない。たまにアメリカ人の友達や中国人の彼女の前でも思わず日本語で「よっこいしょ」って言ってしまう時があり、「今なんて言ったの?」と聞かれてもなんて説明したらいいかが分からない。意味をなんとか説明しても、如何せん同じ意味の単語がないのでピンと来てもらえない。

 

 ひょっとしたらこれ凄い言語学的な大発見ではなかろうか!?と興奮したが、そういや『白雪姫』の小人たちは「ハイホー」と自らを鼓舞していたことを思い出した。いきなり他言語の単語が見つかってしまったので自分にツッコミを入れざるを得ない。

 「ハイホー」も「よっこいしょ」も「o」の母音で最後終えているので、「o」には体に力を与える魔力的な何かがあるのではなかろうか。という問題提起だけして今日は終わる。

 

横井庄一のサバイバル極意書 もっと困れ! (Be‐pal books)