昨年日本で公開されて話題になった湯浅政明監督の『夜明け告げるルーのうた』がNYでも公開されたので、AMCエンパイアで観てきたっす。
詳しい感想はまた今度にしますが*1、鑑賞中はこちらも日本で話題となり遅れて北米で公開された傑作『君の名は。』との類似性が興味深かったです。
以下ネタバレ注意で、両作とも鑑賞した人ならもう気付いているでしょうが、両方とも
- 住民がお互いを知っているような小さい田舎町が舞台で
- 母親不在の少年・少女の物語で
- 主人公の男はいつも退屈そうで
- 主人公はいつも3人組グループで
- 女の子の父親・親族は町の権力者で
- 色っぽい先輩のお姉さんが手伝ってくれて
- スマホが主人公とヒロインを繋ぐキーアイテムで
- クライマックスには町を壊滅させる天災が起こり
- 屋外拡声器が大活躍する
と、ほぼほぼ基本プロットは一緒なんです。僕はここで「『夜明け告げるルーのうた』が『君の名は。』をパクった!」なんてことを言いたいのではなく*2、両作品共に根底にあるのは東日本大震災を意識した結果生まれた似たようなストーリー展開になったのではないか、と思っています。特に『ルー』のクライマックスは水没ですし。
わざわざ太字・中字で強調しましたが、両作品共に屋外拡声器が活躍する、というのは留意すべき点かと思います。何故ならば実際の東日本大震災でも屋外拡声器/防災無線が住民の避難を促し、それによって救われた命もたくさんあるからです。震災当時宮城県南三陸町で住民に避難を呼びかけ続けて津波の犠牲になった町役所員の話はその後なんどもニュースとなりました。
『夜明け告げるルーのうた』で、普町内放送のアナウンスを担当している「伊佐木先輩」が遊歩と国夫にアナウンスの仕方を指導するのが印象的でしたが、上にあげた防災無線を読み上げる遠藤未希さんのアナウンスも危機的状況とは感じられないほど落ち着いていて驚かされるばかりです。
そういえば『君の名は。』『夜明け告げるルーのうた』に限らず、小さい町で屋外拡声器や防災無線が大活躍する映画があったような気がしないでもなく、また小さいコミュニティの情報伝達手段としての屋外拡声器について一考の余地がありそうですが、深夜の上映会上がりで疲れて眠く、明日も仕事があるので今日はここら辺にしておきます。誰かそんな映画知ってたら教えてください。