カリブの海賊日誌・中編

この記事の続きです。 

 

バルバドスの交通事情

 前編でバルバドスはイギリス連邦加盟国であるため右ハンドル・左車線と書いたが、そのためか街を走る日本車の数が圧倒的に多い。前回書いたように街を爆走するバスはトヨタハイエースだし、道で見かける車はマツダとかスズキばかりで、アメ車はほとんど走ってない。道も狭いから日本の小型車の方が融通が効くのだろう。

f:id:HKtaiyaki:20180822115455j:imageバルバドスのバスターミナル。全部ハイエースを改造したもので、夜になると爆音でヒップホップを流す。


f:id:HKtaiyaki:20180822115426j:imageバルバドスのタクシーもスズキ!

 

 タクシーに乗った時にカーナビや車内のステッカーとかも全部日本語表記でビックリしたんだけど、恐らく日本から直接輸入しているんだろうなぁ。「カーナビ日本語じゃん!」って言ったら「英語設定の変え方が分かんなくてな、ガハハ」と呑気な運ちゃんであった。バルバドスは小さい島国なので、行き先さえ伝えればタクシーの運ちゃんは皆地図なんか見なくても辿り着けるので、まあカーナビなんぞを使う機会は一切無いのだろう。

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バルバドスのご飯

 一体何を食べで良いのか皆目見当もつかず、とはいえせっかくバルバドスにいるのにファストフードばかりじゃもったいなくて、初日はまずビーチサイドにある出店に座った。「バルバドスの地元の飯は何?」と聞くと店のおばさんがとりあえずフィッシュケーキを試せというので食べてみると、タコの代わりに魚肉が入っているタコ焼きのようなものが出て来た。日本にも似たような食べ物あるけど、魚の代わりにタコなんだよ、と伝えたら、バルバドスではタコが滅多に採れないのでタコは高級食材なのだそうだ。 f:id:HKtaiyaki:20180822115559j:image

これがフィッシュケーキ。エビのソースにつけて食べる。

 

 フィッシュケーキに使われた魚はタラであるが、どんな魚が他に食されているか聞くとトビウオやシイラ(マヒマヒ)がよく採れるそう。大抵はグリルかフライにして食べるのが通常で、僕は他にもイルカのフライも食べた。だってまあ、日本人だし*1」のシーンの!」と写真を撮られる。彼女がいうに僕はジョン・チョウに似ているということらしいのだが、それ黒人を見たら「エディ・マーフィーに似てる!」というくらいレイシストで失礼じゃないか!?

 

 

 と、酔っ払いに説法を垂れても無駄だし友達もおらず寂しかったので輪に入って見ると、僕を呼び止めた男はセントルシアに40年住んでいるスイス人で、僕をジョン・チョウ呼ばわりした女性はフロリダ州タンパに住むアメリカ人、他にはドイツ人の男とバルバドス人の男2人がグループにいた。彼らは皆シェフで、年一回バルバドスで開かれるクッキング・コンペに参加しに来たそうだ。

 

 彼らと暫く飲んでいると「これからカラオケバーに行くがお前も来るか?」と誘われ、他にすることもなかったのでついて行くことにしたら、5人乗りのコンパクトカーにまたもやギュウギュウに大人6人が詰め込められた。バスもそうだが、ギュウギュウに人を詰め込むのはバルバドスの文化なのだろうか。

 

 道中では「もし俺らがお前の内臓を売り飛ばすことを目的とした誘拐犯だったらどうするつもりだったんだ」と酔っ払いのスイス人に聞かれたが、「まああんたらシェフで誘拐犯だったら俺の内臓で料理できるよね」と上手いのかもよくわからない返しをしたら皆酔っ払ってるので爆笑してくれた。そうしてカラオケバーに着くとこりゃもうヤケだと飛び跳ねてガンズ・アンド・ローゼズの『ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル』を熱唱したら店中でウケた。お店にいた女の子に「あなた最高ね!」なんて話しかけられる美味しい思いもしたが、これまたケイティ・ペリーの『ファイヤーワーク』を夢中になって歌っている間にその子はいなくなってるのであった、トホホ。

 

Teenage Dream

Teenage Dream

 

*1:))な!ちなみにイルカの肉は初めて食べたが、意外と白身魚と同じ味だった。

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バルバドスで誘拐される

 Wikipediaによるとバルバドスはラム料理で有名らしいが、それらしい料理は見当たらなかった。代わりにラム酒はどこでも売ってたので、毎日毎日バカほど飲んだ。しかし正直「せっかくバルバドスにいるのだから」という義務感のような気持ちで毎晩ビーチバーに繰り出しており、一人で飲む酒ほどつまらないものはないのでふとした瞬間に「僕は一体何をやってるんだろうか…」と酔った頭で我に帰る瞬間があった。

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 そんなある晩のこと、またもビーチバーで慣れないラムパンチを一人で飲んでいると「おい、東京!」と酔いどれのオッさんに呼ばれた。行ってみると同席していたこれまた酔っ払った女性に「あんた『アメリカン・パイ』に出てたでしょう!あの「MILF!((Mom I'd Love to Fuck(俺がヤりたい母さん)の略で、つまり熟女のこと。この単語はジョン・チョウが映画内で叫んだことで一般にも広がったのだが、『アメリカン・パイ』については当ブログの該当記事を参考にされたし。