やーい、お前ミミズ食ってやんの!

 出張を終えて無事今日NYに帰ってきたわけですが、飛行機内で観たドラマ『フアン家のアメリカ開拓記(原題:Fresh Off The Boat)』が面白かった。ワシントンDCの中華街からフロリダ州オーランドの白人ばかり住んでいる住宅街に移った台湾系アメリカ人の家族を主人公にしたコメディで、原作を書いたエディ・フアンの自伝的ドラマでもある。

 

 ノトーリアスBIGが大好きでヒップホップファッションに身を包む12歳のエディくんは、いかにもアジア人的な教育ママのお母さん(『クレイジー・リッチ』にも出ていたコンスタンス・ウー)にいつも叱られている。凄く感情移入したのは昼ごはんのシーンで、エディくんがお母さんが作ってくれた台湾料理の弁当を開くと周りの白人の子供たちが「うげえ!なんてこんな臭いもん食ってんだ!体育館の裏で食えよ!」とバカにするのだ。

 

 ヒップホッパーなエディくんは白人たちに舐められたのが悔しいので家に帰ってお母さんに怒鳴ってしまう。「台湾料理なんてもう作らなくて良い、僕も白人のご飯が食べたい!」白人のご飯が分からないお母さんは、渋々エディくんを連れてスーパーマーケットに行って冷凍ピザを買う。もう、まさにこれはアジア系の子供たちが学校で味わう通過儀礼で、僕もこんな体験をしたのを思い出してしまった。

 

 僕は8歳までカリフォルニアに住んでいて地元の小学校に通っていた。アメリカの学校には給食がなく家から昼食を持っていくのが通例で、僕も母の愛情こもった手作り弁当をいつも持って行っていたのだ。とある日の弁当に糸こんにゃくが入っていたのだが、それを指して周りのアメリカ人の子供たちが「うげえ!ミミズ食べてるよ!」と笑い者にしてきて凄く悔しかった。僕もエディくんのように家に帰ってからもう糸こんにゃくを入れないでほしいと母に怒った記憶があるが、よくよく考えると昼から売店のピザだのハンバーガーだの食べてるアメリカ人の子供たちの方がよほど不幸だったと思うよ。いやあ、親の優しさというのは歳をとらないと気付かないものですな。

 

 

Fresh Off the Boat: Season 1/ [DVD] [Import]

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