【サルベージ記事】2005年映画ベスト&ワースト【2011/9/17】

 思ったほどウケが良くないコピペ企画(当たり前だ)、旧サイトには2011年と2012年と何故か2015年映画ベスト&ワーストを書いていました。思い返せば、僕にとって2011年は2年に渡る受験戦争を終えてインターネットに再び入り浸り、町山さんを知り、破壊屋を知り、映画秘宝を買い始めた年です。だからベスト&ワーストという概念もこの時に知りましたし、どうしてもやってみたかったんだと思います。今挙げた方々の文体にもろに影響を受けているのが分かってクッソ恥ずかしいですが、恥を忍んで公開しちゃいます。

 


※以下、2011年9月17日に書いた記事です。敢えて誤字脱字やPC的に酷い表現や笑えない冗談など、そのままに残しています。悪しからず。あまりにもひどい文章には注釈でツッコミを入れています。

 

 今頃2005年の映画ランキングかよ!という声が聞こえてきそうです。前から色々な映画サイトさんが作っている「ベスト&ワースト」ランキングに憧れてはいたんだけど、如何せん僕は色んな映画を見るよりは好きな映画を何度でも見るタイプなので他の映画サイトさんと比べて圧倒的に見てる本数が少ない。そんな雀の涙ほどの鑑賞歴からベストやワーストランキングを作ってもしょうがないので、せめてその年の映画を30本見たらランキングを作ろう!とずっと決めていました。

 今回、ようやくその30本目を見終わりましたので、いよいよ僕の2005年ベスト&ワーストを決めていきたいと思います。もちろんこの映画ランキングは執筆時現在のランキングですので、10本鑑賞作品を増やす毎に更新していきたいと思います。


 ところで、2005年は僕が映画に興味を持ち始めた年だ。この頃から『スター・ウォーズ』やスピルバーグ作品を中心に監督名やキャスト/スタッフの名前を覚えていくようになった。(『スター・ウォーズ』とスピルバーグ作品は親父の影響で小さいときから大好きだった。)でも今くらい映画が好きではなかったので、機会があれば見る程度で積極的に映画を見ている訳ではなかった。しかし、やはり2005年は僕の映画史にとってエポック・メイキングな年ではあるので、今でも「2005年製作作品」の表記とか見ると少し反応してしまう。


ベスト10(2011/9/17版)

10位:『ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女

 映画版『ハリー・ポッター』シリーズは嫌いだったが、アンドリュー・アダムソンが撮った『ナルニア国物語』シリーズは原作のエッセンスを正しく実写化した娯楽作だと思う。あと中学生の時英国人の先生に教わったキリスト教的世界観とナルニアの世界観のリンクを教わってもらっていたので、そういった視線で映画を見るのはとても新鮮で面白かった記憶があります。

 だけどこのシリーズは日本だとすごく嫌われてるよね。キリスト教的価値観が受け入れられないからかな。やっぱり子役が不細工だからだろうな。特にスーザンが。*1

9位:『宇宙戦争

 映画館で友達と見ました。頭を強く殴られたような衝撃を受けました。確かに終わり方が尻切れトンボなのは否めませんし、この作品がズタボロに叩かれているのも分かる気もします。しかし、僕にはこの映画を駄作だとは思えません。スピルバーグは公開時インタビューで「この作品で描きたかったのは難民となったアメリカ人だ。」と言っていました。歴史上難民が発生したことの無い国、また対外戦争において本土が戦地になったことの無い国はアメリカだけです。その強国アメリカが侵略にあい、市民が難民となって破壊された町を歩き回り、極限状況で人間が狂う様はただのSF映画とは思えないリアリティがありました

8位:『ONE PIECE オマツリ男爵と秘密の島

 尾田栄一郎細田守が奇跡のタッグを組んだ傑作。漫画『ONE PIECE』は仲間がテーマの一つなんだけど、この映画はそんな仲間の絆の脆さを描いており、少年ジャンプ漫画原作にしては危険な作品です。だから一方で原作ファンからの評価は低かったりもする。

7位:『40歳の童貞男』

 記念すべき本年度30本目です。アメリカン・コメディが大好きです。こういうバカで低能でお下劣な作品は絶対日本では作れません。(注:褒めてます)童貞の描き方が素晴らしい!もうアンディを他人とは思えない。
 「彼女が家にくるよ!」
 「この家に?バカ!」
 「なんで?」
 「なんでって周りを良く見てみろ!こんなフィギュアまみれでゲームがいっぱいある家に女なんか呼べる分けねーだろ!」
 「え、なんで?
 分かります、分かりますよ、アンディさん。家に女の子を呼んだ時、机の上に『スター・ウォーズ』フィギュアをいっぱい並べてわざわざコレクションを自慢した痛い中学時代を送ったことが自分にもありました。あのフィギュア達はどこに行っちゃったんだろうなー。
 他にも男同士で集まったとき皆ビール飲んでるのに一人だけファンタオレンジだったり、免許を持ってないから女の子に送り迎えさせたり、パーティー会場で一人だけポロシャツを着てたりと、細かい所まで爆笑ポイントが満載です。ただし、20年後に自分がこの作品を見てまだ笑っていられるかがすごく心配。

6位:『ALWAYS 三丁目の夕日

 原作は親が大ファンだったため、僕も子どもの頃から何度も通読するほど好きだった。そのため初めて見たときは六さんが女だったり、茶川さんが若かったり、鈴木オートの社長さんが怖かったりしてどうも原作とのギャップの方が気になっちゃって全然面白くなかった。原作ものにありがちな話ですね。

 だけど2回目に見たときにその色眼鏡を外してみたら、もう涙がボロボロ止まらなくって。初見のときと全然印象が違う。この映画において大事だったのは如何に原作に忠実か、ではなくて観客に昭和30年代の独特の暖かさを(それがまやかしであっても)疑似体験してもらうことだ。原作の大事な部分を伝えるためには原作の改変も厭わない、ということをこの映画で知ることが出来ました。

5位:『キングコング

 僕が通ってた中学、高校は特殊な学校でして。全寮制だったんだけど、毎回中間や期末試験が終わる度に夜体育館に集まって、学校側が生徒の労をねぎらって映画を上映してくれるイベントがあった。今考えると教員がただテストを採点したかっただけだとしか思えないが、色んな映画を大スクリーンで見ることが出来る貴重な機会でした。

 そこで見た『キングコング』には度肝を抜かれた。3時間も上映時間があったのは流石にキツかったけど、V-REXのアゴを引き裂くコングや走る恐竜から撮影隊が逃げるシーン、エンパイアステートビルの攻防など、ケレン味たっぷりの大迫力VFXの連続には長時間の体育座りの痛みなんて忘れ去ってしまった。 『ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間』も見てピーター・ジャクソンの凄さが改めて身にしみて分かったけど、やはり長い上映時間が怖すぎて続く2作を見れてません。映画ファンとして情けない…。

4位:『リンダリンダリンダ

 この映画が素晴らしいのは、映画のクライマックスに向かって真っすぐ、青春を淡々と描いている所だ。よく「高校生活は輝きに満ちあふれていて毎日が刺激的だった!」とか言うやついるけど…そんなわけねーだろ!そりゃ思い出補正がかかって自分たちの青春時代が毎日輝いて見えるのかもしんないけど、実際は退屈でなっがい人生に連続しているほんの一部分でしかないよ。別に何か特別なことが起きる訳でもないし、いつもと同じようにただ日々は過ぎていくだけ。ただし、高校時代というものは何かに燃えたときの火力は凄まじく、平凡な毎日の中でその一瞬の眩しさを見事に映し出したのが『リンダリンダリンダ』のクライマックスだと思います。

3位:『パッチギ!

 井筒和幸は大嫌いな人です。*2でもその人への評価と、作品への評価は別物だよね。悔しいけど『パッチギ!』は2005年どころか生涯の邦画ベスト10に入るほど破壊力あふれる素晴らしい作品だった。でもまさか
 「これがパッチギやー!」
パッチギ(頭突き)を日本人にかまし高岡蒼甫韓国発言で干されるとは思ってもいませんでした。

2位:『バットマン・ビギンズ

 初めて見たのは学校の修学旅行で乗った飛行機の機内上映。前の席に取り付けられた小さなスクリーンでは暗い画面を把握することが出来ず、クライマックスの頃にはぐーすか寝てた。なので暫くの間は僕の中では駄作に仕分けてました。

 この作品への評価を180度変えることになったのは2008年、『ダークナイト』が公開された年だ。全米であり得ないくらい絶賛されている様子をネットニュースで知って、興味を持った僕はすぐにTSUTAYAに『ビギンズ』を借りにいった。何だこれは大傑作じゃないか!と目を丸くして驚いた。僕が知ってるバットマンは昔アメリカで見ていたアニメシリーズなんだけど、それが原作になっているだとは考えられないくらいクリストファー・ノーラン流のリアルでダークな世界観に虜になった。あと変に飛行機で見ていた記憶が部分部分残っていたので、「ああ、あれはこういうことだったのか!」と各部分が結びつ くことで得られるメメント』的な快感も得られた。すごい個人的なことだけど。もちろん、返却したら急いでDVDを買いにいきましたよ!

1位:『スター・ウォーズ/エピソードIII シスの復讐

 もちろん『スター・ウォーズ』は外せないでしょう。最初の方でも書いたけど、父親のおかげでシリーズを昔から見ていたため、新3部作は割とリアルタイムで見ていた人々と同じ感覚で見ることが出来たと思う。そこは父親に感謝したい。


振り返ってこのランキングを見ると、自分でもかなり頭の悪いランキングだということが分かる。でもいいんです。全部大好きだから。次回はどんなランキングになるのかな。


ワースト10(2011/09/13)

10位:『チャーリーとチョコレート 工場』

 もう内容は朧げにしか覚えてませんが、子どもが減る度に飽きていった記憶はあります。ティム・バートン作品は良い意味でも悪い意味でもアクが強すぎる。

9位:『GOAL!』

 FIFAの金儲け的な。

8位:『ハリー・ポッターと炎のゴブレット

 尺は長かったがそれでも長大な原作をうまくまとめることが出来ず、個々のエピソードが薄いうえに結びつきが不十分です。でもそのお陰でロンがしょうもないボンクラと化してたのは面白かったです。

7位:『マダガスカル

 飛行機の機内で鑑賞。PIXAR以外のCGアニメを初めて見て、やっぱりPIXARが一番だと再確認した作品。*3

6位:『ザスーラ

 学校の映画会で鑑賞。なんで今更『ジュマンジ』?と思ったけど、案の定『ジュマンジ』を超えることは無く、それどころか非常にチャイルディッシュな作品に成り下がってしまった。ただオチにはいい意味で裏切られました。

5位:『劇場版ポケットモンスターアドバンスジェネレーション/波動の勇者ルカリオ

 傑作『ミュウツーの逆襲』を小学生のときに見ていただけに、久しぶりにテレビで見たポケモン映画には失望しました。作品の質をほったらかして完全にポケモンビジネスの一環として捉えているのがよく分かります。幻のポケモンデータで客を釣る株ポケ商法は摘発されるべきではなかろうか。

4位:『ハービー/機会仕掛けのキューピッド』

 飛行機の機内で鑑賞。向こうのティーン向け映画はティーンを舐め過ぎだろ!ってくらいどれもこれも出来が悪い。というかディズニー資本のティーン向け映画が酷い。いや、『ハービー』はもうちょっと対象年齢が低いか。

3位:『SHINOBI

 ハリウッドの真似事する前にもっとやることがあるだろ!下手クソな『ロミオとジュリエット』を見せつけられました。時代は違えど同じようなテーマを扱った『パッチギ!』の方が安い制作費で100倍面白い。両方ともオダギリジョーが出てるしね。

2位:『電車男

 当時気持ち悪いくらい『電車男』ブームにハマってしまった自分に自戒の意を込めて。

1位:『交渉人真下正義』

 僕が『踊る大捜査線』のファンを止めたのは『ヤツらを解放せよ!』に幻滅してからなんだけど、交渉人真下正義』の頃には充分種はまかれていたと思う。本広克行は『真下正義』という駄作と同じ年に『サマータイムマシン・ブルース』という傑作を生み出す器用な真似をやってのけました。


8位~10位は数合わせのために適当にランクインさせましたが、それ以外は語ることすらメンドクサい作品です。結果ベストと比べて文章量が全然違ってしまった。


 当分の間サルベージ記事シリーズはお休みし、今後は昨日みたいに更新内容が思いつかなかった時のカード的に小出しにしていきたいと思います。 

 

 

*1:毎度のことですが、当時の僕の文体は無理に露悪的になろうとしていて本当に酷い言い様です。謹んでお詫び申し上げます。

*2:今はそうでもない、むしろ好きなくらい。

*3:薄っぺら!