日本に完全帰国した。

 さて、ここ数週間皆さんに心配をおかけしていたビザの問題だが、僕は一つの結論をこの出張中に出した。

 

 僕は会社を辞める事にした。つまり、日本に完全に帰国する道を選んだ。

 

 もちろん、アメリカでの生活を手放すのは非常に残念だし、日本で未公開の映画を先取りして紹介していたこのブログのアイデンティティも揺らぐ。しかし、それ以上に僕は今の会社を許せなかったし、ビザの問題が起きる前から僕は早くとも年内には会社を辞める気持ちを固めていた。

 

 身バレを防ぐために詳細は書かないが*1、今の会社は典型的なブラック企業だ。10人に満たない零細企業で膨大な数と規模のプロジェクトを回しており、このブログもよく「出張中で休みます」なんてお茶を濁していたが、繁忙期は月に休みが1、2日、なんてことはザラだ。その割に、代休や有給といったシステムが曖昧になっていて社員はいつも疲弊している。

 

 それだけならまだしも、社長がパワハラ気質だった。「使えねぇな」「フザケンナよ」「お前なんか要らねぇな」「どういうつもりなんだよ」「いつになったら成長してくれるんだよ」これらは僕が実際にこの2年間言われ続けてきた言葉の一端に過ぎない。1年目は精神的に参ってしまい、明日も怒鳴られると思うと動悸で眠れない夜もあった。自分は出来損ないだと刷り込まれ、自信も失った。

 

 しかし変な話、これだけだったらまだ「マシ」だった。だって、ステレオタイプだけど映像業界ってそういうものだと思っていたから。日本からやってくる仕事先の若い子だって怒られたり怒鳴られたりしてるのを見てたし、こうやって叩かれて伸びていくのが「普通」だと思っていた。僕も今年に入ってからは仕事に慣れてきて正直楽しかったし、僕から後に入った子などがまた社長に怒られているのを見て「やっぱりあれは通過儀礼なんだな」なんて呑気に思っていたりもした。

 

 しかし、この夏の出張で僕は社長が人を人とも扱わない現場を目撃した。更に僕はその片棒を知らず知らずの上に肩がされていた。僕はまだ会社と揉めている身なのでこれも詳細は一切書かないが、僕はこの会社の異常性にその時初めて気付き、怒りで震えた。もう、やってられない。この時僕は会社を年内に辞める決意をした。

 

 そんな折にビザの問題が起きた。強制送還された際は本当にショックだったし、会社が弁護士と話してビザを復旧させる作業をしている時は藁にも縋る思いだった。しかし、一旦白紙になったビザを復旧させることはできず、新たにビザを取り直すしかない、ということが判明した。この段階で僕は会社に新たにお世話や迷惑をかけてしまうくらいなら会社を辞めようと思った。

 

 さて、今回の出張中、無事に仕事が終わった夜に僕は上司を呼び出して辞意を伝えた。予想通りだったが、とても平和的とは言えない話し合いとなった。何回も書くように、まだ進行中の問題なので詳細は書かない。正直先行きは真っ暗で、明日のことを思っても不安しかない。ただ、逆に言えば僕にはもう失うものが何もなくなった。アメリカに本来渡った目的を果たす為に、ただただ日本でガムシャラに頑張っていくしかない。

 

 とはいえ、アメリカ入国禁止というわけでは無いので、自分で別のビザを取得してまた渡米するつもりではいる。それまでは『SUPERBAD-ASS』アメリカ編はひとまず休止、日本編を皆様にはお届けします。提供する場所は違えど、コンテンツ内容や本質は変わらず下らない拙文をお送りしていくのでこれからも当ブログを何卒よろしくお願いいたします。

 

 

*1:とはいえ、ビザ取り消しになってそのまま会社を辞めた人って言えば僕しかいないので身バレもクソもないだろうが、もしこのブログが上司の目に入ってしまったんだったら目の穴かっぽじって読んでほしい。