- 3日連続で『スカイウォーカーの夜明け』ネタですみません。まあ、元々ディズニー版『スター・ウォーズ』に関しては一切期待はしていなかったものの、(一応の)完結編ともあってそれなりに気持ちが入ってしまった結果、やっぱりアレな出来だったのでここ数日は外に出るのも嫌なくらい塞ぎ込んでいました。といってもまだ『サウスパーク』の感想も書き終わってないのにこのネタをいつまでも続けてもしょうがないので、今日で最後にします。昨日一昨日は真面目に色々書いたので、今日は細かいところを雑感としてテキトーに触れていきたいと思います。もちろん、ネタバレありです。
- ちなみに、『スカイウォーカーの夜明け』は当日書いたように、後輩を深夜0時に空港に送り届けた後ウーバーを拾ってリンカーンセンター前のAMCシアターに向かいました。ここは全米一大きいIMAXシアターがあるので、気合を入れて映画を観るときはいつもここにいきます。コンビニでスターバックスのエナジードリンクを一気飲みして臨みました。ノーランの新作『TENET』の特別プレビューもあって予告編時点で30分もありやがり、2:30上映で朝5:30に終わりました。もうアドレナリンも切れてヘトヘトでしたが、どうしてもタクシーで帰る気になれず頭を冷やしたかったので地下鉄で1時間かけて帰りました。早朝仕事の労働者たちに揺られて色々と『スター・ウォーズ』の事を考えながら乗ったあの電車のことは一生忘れません。
- で、まあ、本編なんですけども、オープニングクロールで「The dead speak!」と「!」が使われてた時点で「ああ、はいはい、『シスの復讐』の『戦争だ!(War!)』に合わせたのね」と斜に構えていました。まあ、たかが映画なので素直に見れば良いのに、この僕の入り方もよろしくなかったと思います。こういう性格は本当に損をしていると思います。
- んで、パルパティーン皇帝の復活はあっさり見せるわけですが、もうそもそもここが良く分からなくて、じゃあ『EP6』でスカイウォーカー親子が頑張ってパルパティーンを倒したのはなんだったんだって話ですよ。その後第二デススターは反乱軍の頑張りによって木っ端微塵になったので、破片がエンドアの海に残るとしても、あんな大きい残骸が残ってるのは些か不自然というか、皇帝の遺体だって本来は肉片が残らないくらいバラバラになってると思うんです。だってベイダーに突き落とされた時点で爆発してたし。それが指がいくらかけて目が白濁しているくらいで済む、っちゅーのは理屈がよう分からんのです。
- まあ、今後スピンオフだかなんだかでシスの賛同者が第二デススター崩壊の直前に遺体だか精神だかを回収した、みたいなどうでもいい言い訳が作られることは決まっていますので不問に伏すとして、同じ冒頭のシーンではスノークも実は皇帝が作り出した操り人形だったことが発覚しますが、そもそも操り人形を作ってまでベン(カイロ=レン)をコントロールし続けていた意味が良く分かりません。だって、皇帝そのままの御姿でコントロールすれば良いじゃないですか。そっちの方が脅威だし。培養液の中にも大量のベビー・スノークがこれみよがしに映ってましたが、そんな人工的な肉体だったらわざわざ額に大きい意味ありげな傷を作る必要も分かりません。まあ、これはディズニーとJ・Jが新シリーズを始めるにあたりスノークという皇帝的ラスボスをなんのバックグラウンドも固めずに生み出してしまったことが原因なんで設定がグダグダなんでしょうね。
- これみよがし、という点ではジェームズ・アール・ジョーンズを連れてきてベイダーの声もチラッと出したのもファンへのごますりでした。あと、このシリーズでは焼けたベイダーの仮面を良く出していましたが、『スカウォーカーの夜明け』では本当にファンオマージュ以外に使われてなくて、例えば後ほどベンくんが改心する際に自らの手でベイダーの仮面を壊すなどしてもっと話に活かせば良いのに、と思いました。
- あと、このシーンはチカチカして目に非常によろしくない。『ポケットモンスター』を観てた当時の小学生たちが病院送りになったポリゴンショックを思い出しました。
- 皇帝は地中だか海中だかから旧帝国艦隊を1000隻くらい浮かび上がらせてファイナル・オーダーの力を誇示しますが、あれに乗ってる搭乗員はどこから連れてきたのでしょうか。最初はなんかフォースの力でなんやかんやしてると思ったのですが、クライマックスでちゃんと搭乗員やシス・トルーパーが登場したので、余計なツッコミを考えてしまいます。
- んで、場面は変わってミレニアム・ファルコンのハイパースペースジャンプですが、ここはまあ今まで見たことないアクションで楽しかったです。ただ、これまで設定上ハイパースペースに移った宇宙船を追いかけるのは不可能だったはずで、というか『最後のジェダイ』であれだけ長々と追いかけっこしてたのはそこが肝だったはずだったんですか、こうした点でも『スカイウォーカーの夜明け』は『最後のジェダイ』を極力無かったことにしようとしている姿勢が見受けられます。
- なお、このシーンでファースト・オーダーにスパイからもらった情報をフィンに受け渡す宇宙人がいますが、あいつが『バトルフロントII』のアップデートで使用可能になり、しかもぶっ壊れ性能なので重宝してます。また『バトルフロントII』のフォースのバランスが乱される…!
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- 出版社/メーカー: エレクトロニック・アーツ
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- あと、あのナメクジが本作ではレギュラーメンバーになるかと思いビックリしましたが、そんなことはなかった。
- その後レイの修行シーンに移りますが、あまりにも編集テンポが早いので僕はこの時点で本作のペースの速さを危惧していました。直前にルーカス時代の『SW』を見返していましたが、本来もっとゆったりとしていて情感が溢れているんですが、本作はJ・Jお得意の走り演出に合わせて次から次に話が進みます。これはコメント欄で指摘がありましたが、やはり『最後のジェダイ』が2時間半もかけた映画だったにもかかわらず話がほとんど進んでいないので、本作では本来2本かけて進むべき物語を無理やり1作に詰め込んだからだと思います。そう考えるとマーベルが『アベンジャーズ』最終作を『インフィニティ・ウォー』と『エンドゲーム』に分けたのはとても賢い。
- 今は亡きキャリー・フィッシャーをスクリーンで見るのは思わずグッときてしまいますが、本作ではこれまで撮影された未使用フッテージをうまく繋ぎ合わせてレイア姫の登場を可能にしています。とはいえ、未使用フッテージに限りがあったためか、レイア姫が登場するシーンでは常に突っ立って誰かに話している、という単調な演出は少し気になりました。
- ここでレイは良く分からない理由でライトセーバーをレイアに返しますが、その直後シスのウェイファインダーを探しに行く旅に出る前にレイアはレイにセーバーを渡します。じゃあ、セーバーを返す下りはなんだったんだ!「レイちゃんは、ジェダイをやめへんで〜!」1回目。
- んで、シリーズに何度登場したか分からない砂漠の惑星パサーナに迎う一行は、現地で42年に一度に行われると言われる盛大なお祭りに遭遇します。2019年の42年前は1977年です。まあ、本作はお祭りだと言いたいんでしょうね。
- 一同はここでランド・カルリジアンと邂逅。ランドはルークと共にウェイファインダーを追っていた事を明かしますが、その情報をレイアが握っていないのは何故でしょうか。もちろん、ルークがレイアたちの前から姿を消したから、という言い訳も考えられますが、ルークはレイアやハンよりもランドを信用してウェイファインダーを探していた、というのもおかしな話な気もします。
- んで、ファースト・オーダーとのスピーダーチェイスがあって、ジェットトルーパーがお披露目です。このジェットトルーパーも『バトルフロントII』でぶっ壊れ性能を持っているので環境を荒らし回っています。
- なんやかんやで洞窟に閉じ込められた一行はシスの紋章と短剣を発見します。ウェイファインダーというマクガフィンがあるのに、そこに更に短剣というマクガフィンを登場させるのは作劇上ややこしいです。
- 洞窟からなんとか抜け出して、惑星から出ようとする一行はファースト・オーダーに邪魔されます。予告編でもあったレンのTIEファイターに追われるレイですが、何故上空からTIEファイターはレイを撃たないのか。
- そして、レイに暗黒面のパワーが備わっている事を暗示するかのように、レイに手からライトニングが発射されチューバッカが捕虜として乗っていたと思われる輸送船が爆破されます。仲間の死に落ち込む一同ですが、直後のシーンでチューイは元気に生きていることが発覚します。全くもって無駄なシーンであるばかりか、その後「チューイのために」と手を繋いで意志を高めるレイたちが間抜けに見えます。「チューバッカは、死なへんで〜!」2回目。
- シスの短剣はチューバッカが持って行ってしまったために、ウェイファインダーに関する情報は短剣の情報を読み取ったC-3POのデータにしかありませんが、シスの情報を翻訳する事は禁じられているので、シリーズに何度登場したか分からない雪の惑星キジミーに向かってC-3POのコンピュータをハッキングすることになります。ここで仮面をかぶった新キャラゾーリーに出会い、ゾーリーはポーと一悶着あったことが示されますが、『ジェダイの帰還』の公開前ファンの間で「ボバ・フェット=ハン・ソロの元カノ説」が流布されていた事を思い出しました。
- 一同は『MIB』に出てきそうな小型エイリアンに3POをハッキングさせますが、3POのデータをこじ開けてしまうと、3POの記憶が抹消されてしまうのです。「みなさんの顔を最後に見ておきたいのです」というシリーズ最終回にふさわしく予告編にもピッタリなセリフを吐き、記憶を消される3POですが、記憶が消されたことがなんのドラマを生み出すことなく後ほどR2-D2が3POの記憶をバックアップします。「3POは、記憶消さへんで〜!」3回目。…っていい加減にしろよ!J・Jはこうやって匂わすことだけが得意ですが特にうまい解決手段もないので展開が安易になり、かつ無駄に尺ばかり伸びていきます。劇場で本当にイライラしました。
- レイがフォースの感知能力でチューバッカがファースト・オーダーの艦隊に乗っていることが判明したので、救出に向かいに乗り込みます。ここは『新たなる希望』のオマージュなのでしょうね。ハックス将軍がスパイであることが判明し、彼自体のキャラはとても良かったのですが、「私がスパイだ!」と名乗りあげるのはあまりにも直接的なセリフで超ダサかったです。
- レイはカイロ・レンと対峙することで自分がパルパティーンの孫である事を知ります。な、なんだってー!!!>ΩΩΩ 単に観客を驚かせるために用意されたサプライズで何の計画もないので次々に疑問が浮かび上がります。じゃあ前作で酒代で親に売られた過去は何だったのか、とか、じゃあレイのおばあちゃんは誰なんだ、とか。ちなみに、海外の映画サイトの記事で「パルパティーンはファックしたのか?(Did Palpatine Fuck?)」というものが出ていて笑いました。
- あと、ディズニー版『SW』シリーズには旧作では一切使わなかった回想シーンがバンバン登場するのは気になります。回想を出すなら章立てている意味がないからです。また、ちなみに『スカイウォーカーの夜明け』は、というか『最後のジェダイ』からなんですが、『SW』特有のワイプによる場面転換がほとんどないのは『SW』らしくなくて嫌でした。旧作場面のオマージュとかファンサービスみたいな後ろ向きなことするなら、スタイルはちゃんと踏襲してほしいかったです。
- さて、一向はエンドアの月ケフ・バーへウェイファインダーを探しに行きます。ここは前ツイートしたらバズりましたが、まんま『七人の侍』でしたね。
分かりやすいなー pic.twitter.com/wYL3wHwTTl
— Taiyaki (@HKtaiyaki) 2019年4月12日 - そこで元ストームトルパーだったジャナたちと出会うのですが、前作で登場した新キャラもまだ掘り下げられていないのに、どんどん新キャラを出すのはやめてほしいです。正直、ジャナもゾーリーも別にいなくたって話は進められますし、何より前作であれだけ叩かれたローズに救いがなくて可哀想。
- んで、シスの短剣の柄を伸ばすと第二デス・スターの瓦礫の形状に合わせてウェイファインダーの場所を示す事を発覚しますが、一体全体誰がわざわざ崩壊したデス・スターに合わせてこの短剣を作ったんでしょうか。目的が不明だし回りくどすぎる。
- で、レイはカイロ・レンと戦いますが、レイはスキッパーを使って第二デススターまでたどり着いたので、レンはどうやってここまで目立たず来れたのでしょうか。最初はまたフォースの交信能力で戦っているのかと思いましたが、フィンたちにもレンは見えていたので物理的にその場に現れました。『最後のジェダイ』に登場したフォースの交信能力は面白いですが、本作では物理的な接触まで可能になってしまったので、どこからどこまで本当に起きていることなのかが分かりづらいです。
- レイア姫の呼びかけもあって、カイロ・レンはベン・ソロへと改心します。ファンサービスでハン・ソロまで登場しますが、ここで直接やり取りするのがハンじゃなくてレイアだったら納得するしグッと来るのになぁと思いましたが、流石にそれは無い物ねだりでしょう。
- ここでマズ・カナタがレイアがここで何をするかを観客にとてもわかりやすく説明するのですが、本当にこいつは副音声解説以外の役割が何もない非常につまらないキャラでした。
- ちなみに、これだけケチョンケチョンに書いている『スカイウォーカーの夜明け』で褒められる点が少なくとも二つあると思っていて、一つはアダム・ドライバーの演技力です。ダークサイドにいる時と、ライトサイドに戻って来た時で明らかに表情が変わっています。昨日Netflixの『マリッジ・ストーリー』も見ましたが、そこでの演技も凄まじくて本当に素晴らしい俳優だと思います。
- もう一つのいいところは、レイアが亡くなったと聞いた時のチューバッカの落ち込む仕草です。『新たなる希望』から出て来ていたキャラはハンもルークもレイアも皆亡くなり、残されたのは自分一人だけになった悲痛が見事表現されていて、あれはちょっとジーンと来ました。
- んで、自分に眠るダークサイドに気付いたレイはルークの島に戻って師と同じく隠蔽する決心をしますが、霊体化したルークに説教を受けます。この時ライトセーバーを物理的にキャッチしているんで、いよいよ霊体化はやりたい放題だと思いました。なんなら、ジェダイは皆率先して死んだ方が無敵の力を得て銀河を救えるのではないでしょうか。
- そして、あからさまな『帝国の逆襲』オマージュでルークのレッド5で旅立ったレイは最終決戦の地へ向かいます。一方、その頃レジスタンス基地ではパルパティーンを信奉していたアサシン・オーチーが乗っていた船にいたドロイドD-Oが実は大事な情報を持っていることが発覚します。だったら最初から色んな情報抜き出しときゃあれやこれの手間が省けたじゃねーか、と思いますが、とはいえD-O別にストーリーにいてもいなくても関係ないんですよね。ちなみに、このD-Oの声はJ・Jがやってるんですよね。D-Oが嫌いになりました。
- で、レッド5の発信情報からエクセゴルへの行き方をレジスタンスは知り、総攻撃を仕掛けることにします。しかしエクセゴルにはファイナル・オーダーが待ち構えていて、レジスタンス軍はいきなり劣勢を強いられます。もう、ダメ…と思ったらランド・カルリジアンが銀河中から援軍を連れて来るという『アベンジャーズ/エンドゲーム』と全く同じ演出が見られますが、『エンドゲーム』と違ってこの援軍パイロットの顔が全く見られないし、出て来ても本作で登場したばかりのゾーリーで顔なじみのない人たちばかりで、シリーズ総決算の戦闘で全くカタルシスを得られない演出だったのは致命的です。
- あと、これもJ・J演出の致命的な欠点だと思いますが、『フォースの覚醒』と共通して宇宙船での戦闘シーンが非常に盛り上がりに欠けます。というのも、大抵優勢な方が劣勢の機体を追いかけ回し、優劣が逆転したらその逆を行うだけ、というもので敵味方が全然撃ち合っておらず「戦争」になっていないからです。作戦も来るか分からない援軍を待つっていうのは行き当たりばったりにも程があります。まあ、追いかけ回すのがうまいということなのか、J・Jはチェイスのシーンだけはうまいです。だからやたら登場人物が走ってるのでしょうか。
- 一方、地上ではレイとレンがパルパティーンと対峙しますが、あの謎なスタジアムで戦いを鑑賞していたサポーターたちは一体誰なのでしょうか。それとレンの騎士団はてっきりカイロ・レンの騎士団かと思っていたらパルパティーンに従っているみたいで、だったらそもそも「レン」ってなんだったのか、もう僕には何が何だかよくわかりません。
- パルパティーンもここでレイとレンの中にある「生命のフォース」に気付いて二人のフォースを吸い取ることにしますが、それもそれで行き当たりばったりすぎやしませんか。だってパルパティーンの計画では①アナキンの孫であるベンを皇帝にさせるか、②自分の孫であるレイに自分を殺させてダークサイドに引き入れる、のどちらかを実行するつもりで、それが生命のフォースに気づいた途端全て投げ出して自分で吸い取るっていうのは突然すぎる話ではありませんか。プリクエルであんなに長年かけてクローン大戦起こしてアナキンをダークサイドに引き入れた皇帝とは思えません。
- なんやかんやでレイは銀河中のフォースの存在を感知します。懐かしのヨーダ(フランク・オズ)やベン・ケノービ(アレック・ギネス)、メイス・ウィンドゥ(サミュエル・L・ジャクソン)やアナキン(ヘイデン・クリステンセン)、オビ=ワン・ケノービ(イワン・マクレガー)の声が聞こえて来るのはあざといけれど悔しくも嬉しく…ってベン・ケノービとオビ=ワン・ケノービは同一人物だろ!あと、ここでアニメ『クローンウォーズ』や『反乱者たち』のキャラの声が聞こえて来るのは『ハン・ソロ』にダース・モールが出て来た時ばりに萎えました。
- ここでレイはライトセーバーで皇帝のライトニングを跳ね返して倒しますが、この演出も皇帝が「わしがシスの全てだ!(I am all of the Sith!)」と叫んだところレイが「私がジェダイの全て(...and I am all of the Jedi)」と返して倒す、というもので、『アベンジャーズ/エンドゲーム』でサノスの「私は絶対だ(I am inevitable.)」というセリフを受けてトニーが「そして私がアイアンマンだ(...and I am Ironman)」と返すクライマックスに非常に酷似しています。もちろん製作時期からして全くの偶然ですが、これだけ似ていると残酷にもいかに『エンドゲーム』の方がうまくやっていたかがわかってしまいます。早速こんなのが作られてました。
- 昨日も書きましたが、皇帝を倒したレイとベンがキスするのは超安直だと思いました。『パシフィック・リム』とか『マッドマックス/怒りのデス・ロード』を『時計じかけのオレンジ』方式で1000回見直してほしいです。
- ベンが死んでいたレイを救った、というのは冷静に考えてみるとアナキンが『シスの復讐』でパドメにやろうとしていたことで、構造的には祖父の叶わなかった夢を孫が遂に成し遂げた、という熱い展開にはなっているのですが、いかんせんこれはおそらく急遽思いついたことでシークエルでのその積立が全然為されてないので、鑑賞中もそのことに全然思いつかなかったのは痛手です。
- あとベンが消えてレイアが消えるロジックがわかりません。これだとベンが改心したのはベン自身の意志じゃないみたいです。
- さて、再び銀河中に平和が訪れてイウォークが久しぶりに姿を見せますが、なんか僕の知ってるイウォークとちょっと顔が違う…。
- お祭りが終わってタトゥイーンに訪れるレイ。名前を聞かれてルークとレイアを見て「レイ・スカイウォーカー」と答えますが、あのシーンのレイアはCGで作り上げてないかちょっと勘ぐります。『ローグ・ワン』にも書きましたが、故人をCGで勝手に作り上げるのは僕は倫理的に大問題だと思っているので。
- まあ、こうして文句を色々と長々9000字近く書いて来ましたが、一番恐ろしいのはファンオマージュの場面で正直グッと来てしまっていた自分です。アメリカのノリのいい観客がそういった場面で一々拍手したり叫んでたりしてたお陰で冷静になってその都度自分を自制することができました。一昨日書いたように、このような観客のノスタルジアを呼びかける甘ったれた姿勢はそもそもルーカスが『SW』を作っていた時の目的とは乖離してしまっているので断じて許すことはできません。とはいえ、このアメリカ人観客みたいに素直に楽しむことができたらもっと楽なのに、とも思います。『SW』とは呪い。『SW』を愛さなければよかった。『SW』に出会わなければよかった…。
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- メディア: CD