映画とNBAが繋がる話として、スパイク・リーに関するこんなニュースを。
『ブラック・クランズマン』でアカデミー監督賞も受賞したスパイク・リー御大ですが、リーはニューヨーク・ニックスの名物ファンとして非常に有名でもあります。コービー・ブライアントはレイカーズでしたが、今年のオスカーの授賞式ではコービーの背番号である24と刺繍をした紫と黄色(レイカーズのチームカラー)のスーツを着て追悼の意を評したほどスパイク・リーはバスケが好きなんです。
んで、先週の火曜日、マディソン・スクエアガーデンでのニックスVSロケッツのホームゲームでのこと。リーは30年間従業員用の出入り口から出入りしていたのですが、何故かこの日に限りセキュリティに止められてVIP用の入り口を通れと言われたそう。
これに激怒したスパイク・リーの様子は映像にも押さえられ、バイラルになっています。
Director Spike Lee denied entry to MSG. Rumors are circulating that MSG CEO James Dolan didn’t want the famed director to enter. #SpikeLee #MSG pic.twitter.com/0gZVaHDXBP
— BroTalkLive (@BroTalkLivePod) 2020年3月3日
リーは激怒し、今シーズンのニックスのホームゲームには二度と観覧しないと表明。これを受けてニックスはその後ステートメントを発表し、これまで何度もリー氏には何度も従業員用の出入り口を使うことはできないと伝えてきたと主張し、今後もVIP用の入り口からなら入っても良い、とニックスのオーナーであるジェームズ・ドーランと約束した、とのこと。ご丁寧にドーランとリーがこの約束をして握手している載っけています。
New York Knicks Statement on Spike Lee pic.twitter.com/19JcvhFKO7
— NY_KnicksPR (@NY_KnicksPR) 2020年3月3日
ところがどっこい!このステートメントを受けてリーは更に激怒。「これまで30年間、一度たりとも従業員用の出入り口を使うなと言われたことはない!おふくろの墓標に誓う!」とInstagramで投稿し、更に取材でドーラン氏との握手もただ求められたから応じただけ、とのこと。
まあ、はたから見れば、そんな頑固なこと言ってないで、好きなら素直にVIP用の入り口から入りなさい、って話なんですが、この裏には一つ文脈があるんです。それは現ニックスオーナーのジェームズ・ドーラン氏で、彼は悪い意味でビジネスとしてしかスポーツを捉えられていないのです。
NYニックスはNBAで資産価値が最も高いチームですが、ジェームズ・ドーランがオーナーとなって以降、毎年ほぼ最下層にいて迷走を続けているのです。しかし、それでも全く経営努力はせず、MSGも有するドーランは黙ってても金が入ってくるのでチームが弱くたって全く気にしません。*1
更に傲慢な態度も問題視され、試合中にドーランを批判したファンを球場から追放したり、1994年にニックスをファイナルまで導いたレジェンド選手のチャールズ・オークリーを試合中に追い出した挙句、警察に突き出して逮捕までさせています。オークリーもドーランに対し批判的だった為に追い出されたのではないか、と噂され、オークリーはドーランを「弱い者いじめの嫌なやつ」と表現しています。
しかし、リーはそんな迷走を続けるニックスにずっと忠実なファンであったのに、ドーランの傲慢な態度で突如として理不尽な対応を受けたことに激怒したのでありました。とはいえ、リーの可愛いところは「今シーズンは観ない!」に留めているあたりで、来シーズン以降は観る気満々なのが伝わってきます。
それにしてもニックスは本当に二進も三進もいかない状況で、ここまで嫌われてどうすれば浮上できるんでしょうかね。頑張ってる選手たちがかわいそうです。