そりゃ分かんねえよ!(また『TENET テネット』の話)

 『TENET テネット』好評につき、冒頭のテロシーンの「大事な場面」が公開されました。

 

 このシーン、僕は2回目の鑑賞であの「ストラップ」があることに気がついたのですが、初見で気付くことはほとんどの観客にとっては無理だったんじゃないでしょうか。後から見直して「すげぇ!」となるのは簡単ですが、もっとうまい監督だったら初見から印象に残りやすい撮影や編集をしていたと思います。ただでさえ長い映画なんで、最初の方は忘れてしまいがちなので…。

 

 で、クライマックスで「ストラップ」が登場する場面で、主人公が銃を突きつけられて窮地に陥るじゃないですか。あの後、なんかゴチャゴチャってなってピンチから救われるのですが、あそこの編集も撮影も何が起きたか瞬時に把握するのが難しいんですよね。ハリウッド映画では通常撮影本体とは別に、アクションシーンは第二班(エンドクレジットで「Second Unit」と表示されている部隊)が担当しますが、ノーランは全て自分で演出を行うので、毎回アクションシーンで批判が起きています*1が、今回もその悪い例に当たってしまったなぁ、と思いました。

 

 あ、そういや書いていて思い出しましたが、冒頭のオペラの場面で場内に催眠ガスを注入される際、居合わせた観客がまるでウェーブを送るように順番に気を失っていったのは笑いました。これもまたノーランがアクションを苦手としている証拠で、『ダークナイト ライジング』でマリオン・コティヤールが漫画みたいにガクッ!と死んだ場面を思い出しました。

 

 と、前に書いた記事と引き続いて文句ばかり書いてしまいましたが、それでもやっぱり「ノーラン、だいちゅき❤️」となってしまうのは、恐ろしい映画ですよ、ホント

 

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*1:一例として、『ダークナイト ライジング』のクライマックスで、バットマンとベインの背景での殴り合いが、おそらくエキストラにテキトーな演出指示しか出なかったのでしょう、同じ動きを繰り返したりなんともへなちょこな取っ組み合いを繰り返したりしています。