師走の忙しさにかまけていたら、気がついたらワッシュさんのブログ『男の魂に火をつけろ!』毎年恒例ベストテン企画の締切日!この企画が始まると「おっ、今年も年末だな〜」と感じるようになりました。
そして今年のテーマは「漫画実写化邦画ベストテン」ですが、今回は中々選ぶのが難しいですね。というのも、いつもの「好きな作品が多すぎてどれを選べばいいか迷う!」という悩みではなく、単純に何故だか漫画実写化邦画って一般的に駄作が多いので、いい作品を10本も選ぶのが難しいんですよね…。そもそも、漫画原作者に対しては申し訳ないですが期待値が低いので、中々食指が伸びなかったりします。
が、当然だからといって「漫画実写化邦画=駄作」という雑な括りはしたくありません。日本の表現豊かな漫画を実写化しているからこそハッタリを効かせた楽しい映画も少なくありません。頑張って自分なりの大好きな漫画原作邦画10本を選んでみようと思います。
なお、選出にあたっては、こちらのリストを参考にしました。
【Taiyakiが選ぶ漫画実写化邦画ベストテン】
- 子連れ狼 子を貸し腕貸しつかまつる(1972年、小池一夫&小島剛夕原作、三隅研次監督、若山富三郎主演)
- バクマン。(2015年、大場つぐみ&小畑健原作、大根仁監督、佐藤健&神木隆之介主演)
- ヒミズ(2012年、 古谷実原作、園子温監督、染谷将太主演)
- 殺し屋1(2002年、山本英夫原作、三池崇史監督、浅野忠信主演)
- デスノート the Last name(2006年、大場つぐみ&小畑健原作、金子修介監督、藤原竜也主演)
- 寄生獣 完結編(2014年、 岩明均原作、山崎貴監督、染谷将太主演)
- ALWAYS 三丁目の夕日(2005年、西岸良平原作、山崎貴監督、吉岡秀隆主演)
- 青い春(2002年、松本大洋原作、豊田利晃監督、松田龍平主演)
- るろうに剣心(2012年、和月伸宏原作、大友啓史監督、佐藤健主演)
- 帝一の國(2017年、古屋兎丸原作、永井聡監督、菅田将暉主演)
【解説】
実際に選出してみて改めて思ったのは、自分の想像以上にこのジャンルの作品を観ていない…ということです。先ほどのリストをつらつら眺めていて、70~80年代の作品は今でもよく聞く名作ばかりで自分が不勉強ながら見ていないものが多かったのですが、ゼロ年代を超えたあたりから「ウゲェッ、こんな映画やってたな!懐かしい!」とTV局が映画業界に蔓延り始めた当時の記憶が、嫌悪感とノスタルジーがあいまった複雑な感情と共に蘇りました。
で、その薄い作品リストの中でも圧倒的なのは①。僕はむしろ『マンダロリアン』の予習として鑑賞したのですが、ケレン味溢れるバイオレンスと編集に虜になりました。まずOPからして最高!……それにしても、20世紀の作品がこれしかないとは……。
『子連れ狼』1作目、とにかくオープニングがカッコいいよな〜。本当はちょっと観て寝る予定だったのがここで掴まれて最後まで観ちゃった pic.twitter.com/39GRhitXbd
— Taiyaki a.k.a ヒロキ (@HKtaiyaki) 2020年1月3日
②は僕が原作を読んでいる漫画の実写化の中では一番うまくいっているし、泣かされた傑作だと思います。「漫画を描く」という絵映えしなさそうな作業を映画ならではの表現で躍動感を持たせた大根仁監督の手腕が光ります。なお、クライマックスでサイコーとシュージンが手を合わせるのは、実写化が許されない『スラムダンク』のオマージュだそうです。NYのJAPAN CUTSという映画祭で本作を鑑賞した時に、Q&Aで直接大根仁監督に伺ったので、間違いないです。
③は公開当時周りからの評判はかなり低かったんですけど、僕は結構好きでしたね。無理くり震災後の日本の情景が守られていましたけど、ラストで走る染谷将太と二階堂ふみの叫びで昇華されて感動しました。このころの園子温は傑作を連発していて軽いブームでしたね。最近は、まあ、アレですが……。
④は大学入ってすぐに先輩からオススメされた映画で、それまでハリウッド大作のSFとかアメコミ映画しか見ていなかった当時の時点では、おそらく最も血の量が多い映画で衝撃を受けたのを覚えています。久しぶりにYouTubeに落ちてたベストシーン週見返しましたが、やっぱり頭おかしいですね、この映画。
⑤は原作ものを映画という媒体にどう落とし込むか、のお手本のような映画でした。初見の人も原作を読んだ人も衝撃を受け、なおかつ原作の核となるメッセージもブレていない。前編は嫌いでしたが、その後に作られたLのスピンオフとか、Netflix版とかと比べると、ずっとマシなできだったなぁ…。
⑥は原作が大好きなだけに山崎貴監督作品だったので不安しかなかったんですけど、前編も含めて逆に山崎貴監督の作風と原作『寄生獣』が奇跡的な相性をもった作品だと思いますね。原作に準拠した容赦のないバイオレンス描写も最高。……さっきからバイオレンスバイオレンス言ってますが、日本の漫画が最高なのは暴力描写に遠慮がないからですよ!『鬼滅の刃』が国民的ヒットになるようなお国柄ですからね!
⑦ですが、あれだけ嫌いな山崎貴監督作品が二つも!が、どうしようもない感動ポルノの続編2作品と比べると、1作目はまだ落ち着いているし、オムニバスの原作を珍しくうまく繋げられていると思います。ちなみに、僕は小さい頃から西岸良平の原作が家にたくさん置いてあったので、大ファンだったんですよ。
⑧はゼロ年代前半のカッコよさが真空パックで閉じ込められていますね。ただ、出演者が新井浩文と高岡蒼甫と……おっと、何も言うまい!
⑨は正直脚本的には首を捻りたくなる場面はたくさんありましたが、公開当時はそれまでジャンプの映画化って言ったら『Rookies』とか『L change the worLd』とか『ドラゴンボール EVOLUTION』だったので、まともなアクションを見せてくれただけで褒めるに値しました。さすが谷垣健治。
⑩はラストの永野芽郁の踊りが可愛いよ。政治のカリカチュアとしても面白い。
わ、全部書き終わったら締切日過ぎてしまった、すみません!以上が僕の漫画実写化邦画ベストテンです。ワッシュさん、ギッチョさん、集計よろしくお願いします!